好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

アスキー・メディアワークス 電撃文庫
白銀のソードブレイカー ―聖剣破壊の少女― /松山剛

相変わらず、切なく泣かせに走ってるなぁ、と思ったら、松山剛なのに、単巻で終わりじゃないだと……。といっても、松山剛の初シリーズというわけではなく、たぶん上下巻なんだろうけど、ああ、泣くのは次かしら。

“これは、とある一人の少女が、世界最強の七人の剣聖を殺していく物語である”という冒頭の一文が全てを表しているのだけど、いやぁ、強く高潔で世界中から愛される剣聖を、ある理由で、一人ぼろぼろになりながら倒していく少女・エリザが、もう、せつないせつない。健気で、不器用で、寂しがりやなエリザが、とにかく可愛くて可愛くて、でも、救いようもない展開が見え隠れしていて、これがもう、せつな過ぎるっ。

倒される側の剣聖も、ものすごく魅力的なキャラに描かれていて、その娘らが、次々と生命を散らしていくのも、ほんと切ないわ。例えそういう理由があっても、いくらでもみんなが幸せになる方法がありそうなのに……。いやぁ、どう物語が決着するのかしら。エリザが救われるラストであってほしい。最後は、エリザもソウルジェムが濁る前に死んでしまいそうなんだけど……。

[ 2014.02.17 ]