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KADOKAWA 電撃文庫
86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―<下> /安里アサト -
……エッジがすべて丸まって、普通の戦争モノになってしまった。
とことんエゲツない地獄のような設定が魅力だと思っていたのだけど、アルゴリズムに支配され不気味だった敵は普通に意志ある人間のような描かれ方になってしまってるし、なんだか普通だ。そもそも全員死なないことがわかってる戦闘だし、激戦ではあるものの勝利が確定してる物語を描いてるだけになっちゃってるんだよなー。その勝利の過程が精神的にえぐるような内容だったならともかく、本当に激戦なだけだ。うーん、普通の戦争モノでしかない。
せめて、より困難に見えるレーナ側の物語を中心に描いてくれたならともかく、凄腕のパイロットが激戦を潜り抜けて目標を倒すってだけの話なんだよな。つまらなくはないのだけど、期待していたレベルものかというと、ぜんぜん足りてないよなー。
[ 2018.01.16 ]