好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

KADOKAWA 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIX 破滅の星(中) /三枝零一

9年ぶりの新刊っ!! まずは出たことが凄いっ!!!

9年ぶりというとストーリーもかなりうろ覚えになってしまっているけど、確か、気象衛星の暴走により凍りついた未来を舞台に、数少ないドーム型都市・シティに籠もり魔法士と呼ばれる脳に生体コンピュータを埋め込まれた少年少女の犠牲の上で滅びを先延ばししているだけの人類。そんな世界を救うために暗躍していた天城真昼が暗殺。世界が一つに纏まれば世界は救われると希望を見せておいてからの一転、人類の絶滅を加速させる人類を代表するシティ連合と魔法士を代表する賢人会議の全面戦争ですよ。そして、賢人会議は鍵となる南極の気象衛星を奪取し、魔法士を除く全人類の殲滅を宣言する、というのが前巻までの話か。

全面戦争といっても、シティのいくつかは中立を保ったり賢人会議も市民の大量虐殺のようなことは行わないと思っていたのだけど、もう、どうしようもなくなっている……。この世界、人類は魔法士に寄生するだけのダニで真昼を殺して同盟を潰した人類は自業自得で滅ぶべしだと思うのだけど、結局、戦い傷つきボロボロになるのは、シティ側と賢人会議側で別れて戦う魔法士ばかりというのが辛い。いや、描写されないだけで人類の大量虐殺が絶賛進行中なのはわかるんだけど、真昼を裏切った戦犯のシティ・シンガポールをはじめ、すごく市民側の存在感が希薄で、世界の危機なのに何も行動してない感が酷い。マジ、全ての魔法士は人類を見捨てて、さっさと魔法士以外の人類は滅ぶべしだと思う。

さて、『IX』の下巻は来月すぐに出るみたいだけど、最終巻は『X』なのか……。

[ 2023.04.24 ]