2023年 4月 3日
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早川書房
◆ 転生令嬢と数奇な人生を(6) 恋歌の行方 /かみはら -
最終巻っ!! いきなり激甘なラブコメになって、なんだこれ(笑)。
ジェットコースターのように運命に翻弄される転生令嬢の物語もいよいよ最終巻。まあ、前巻でお話としてはほぼ完結してるので、まあ、カレンとライナルトが結ばれるのを書くぐらいしかないか、と、そういう一冊でした。いやー、後半の、完全に少女小説の主人公やっているカレンとライナルトが凄いねー。それだけでお腹いっぱいで満足満足。
とにかく、ライナルトとカレンのラブコメが楽しかったのだけど、それ以外だと、バルドゥルのラストが凄かった。元凶とはいえ、並の小説では、なかなかあそこまでは書けないと思う。
ただ、この巻、無駄に事実を隠して展開する構成をとっているのだけど、それが単純に下手で下手で読みづらかった。正直、途中で何度ぶん投げそうになったことか。技術的に十分なスキルがないなら、こういう構成は止めた方がいいと思う。あと、あれだけ思わせぶりで設定も色々ありそうだったのに、結局、単なるモブと同じ程度の活躍で消えたキヨは、一体なんだったんだ?
[ 転生令嬢と数奇な人生を ]
2023年 4月 17日
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SBクリエイティブ GA文庫
◆ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(14) /大森藤ノ -
【ロキ・ファミリア】始まりの三人、フィン、リヴェリア、ガレスの入団時のあれこれを描いた短編集。今までは、【ロキ・ファミリア】の幹部たちということで一緒くたに見てたのだけど、この三人、年齢差がヤバくない? この年齢差で、よく仲間としてやっていけるなー。
それはともかく、どの短編も三者三様の綺麗にまとまった物語で、すごく面白かったっ!! リヴェリア、長寿のハイエルフとはいえ、その年齢でその若さ溢れる言動はヤベー。逆に、それからの数年で今のようになったのは、それはそれで変わりすぎだろ。で、変わらないのはフィンで入団時から完成されているのが凄い。ガレスは、……入団時には、すでに年齢的に全盛期は過ぎていたと思うのだけど、神の恩恵があるとはいえ、この世界の年齢や老化はどうなっているんだ?
まあ、こうなると、他の幹部の過去話も読みたいところだけど、これで主要登場人物の過去話はおしまいか。過去話は箸休め的な要素もあると思うんだけど、これで終わりということは、本編も、いよいよ佳境になっていくということなのかしらん?
2023年 4月 22日
Mastodonはじめました。以下のアカウントを作ってます。
アプリを作ってみたかったのでインスタンスから立ち上げてます。といっても、サーバを立ち上げるのはハードルが高いので、Hostodon というMastodonのホスティングサービスを利用しています。とりあえず、いちばん安いプラン。ホスティングサービスだと細かなカスタマイズができないのが難点だけど、まあ、そこは仕方ない。
で、アプリを作るためにググっても古い情報しか出てこない件。もしかして、Mastodonって、すでに終わってないですか(汗;。まあ、投稿するだけなら、テキトーにトークン渡してPOSTすればいける。
<?php $options = array( 'status' => 'あいうえお' ); $ch = curl_init(); curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, 'https://sns.lightnovel.jp/api/v1/statuses'); curl_setopt($ch, CURLOPT_POST, true); curl_setopt($ch, CURLOPT_POSTFIELDS, $options); curl_setopt($ch, CURLOPT_HTTPHEADER, array('Authorization: Bearer トークン')); curl_exec($ch); curl_close($ch);
しかし、Twitterと比べると、格段に探しにくく拡散しにくいように作られていて、かなり内向きな実装ですね。Twitterのようにマスに開かれたサービスではなく、仲間内で閉じたコミュニケーションをするためのサービスなんだと思う。でもこれだと、企業は参入するメリットがないし、個人もリアルな友人グループに所属してないと価値がなさそう。誰ですか、Twitterの代替サービスと言い出した人は!!
仲間内で閉じたコミュニケーション用のサービスとして見ても、導入コストも運営コストも高くて、正直、設計が失敗してるように思える。実際、いろんなインスタンスを見にいこうとすると、サービス終了したインスタンスばかり死屍累々なんですけど。Mastodonって、マジ終わってないか?!
[ Mastodonはじめました ]
2023年 4月 24日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ ウィザーズ・ブレインIX 破滅の星(中) /三枝零一 -
9年ぶりの新刊っ!! まずは出たことが凄いっ!!!
9年ぶりというとストーリーもかなりうろ覚えになってしまっているけど、確か、気象衛星の暴走により凍りついた未来を舞台に、数少ないドーム型都市・シティに籠もり魔法士と呼ばれる脳に生体コンピュータを埋め込まれた少年少女の犠牲の上で滅びを先延ばししているだけの人類。そんな世界を救うために暗躍していた天城真昼が暗殺。世界が一つに纏まれば世界は救われると希望を見せておいてからの一転、人類の絶滅を加速させる人類を代表するシティ連合と魔法士を代表する賢人会議の全面戦争ですよ。そして、賢人会議は鍵となる南極の気象衛星を奪取し、魔法士を除く全人類の殲滅を宣言する、というのが前巻までの話か。
全面戦争といっても、シティのいくつかは中立を保ったり賢人会議も市民の大量虐殺のようなことは行わないと思っていたのだけど、もう、どうしようもなくなっている……。この世界、人類は魔法士に寄生するだけのダニで真昼を殺して同盟を潰した人類は自業自得で滅ぶべしだと思うのだけど、結局、戦い傷つきボロボロになるのは、シティ側と賢人会議側で別れて戦う魔法士ばかりというのが辛い。いや、描写されないだけで人類の大量虐殺が絶賛進行中なのはわかるんだけど、真昼を裏切った戦犯のシティ・シンガポールをはじめ、すごく市民側の存在感が希薄で、世界の危機なのに何も行動してない感が酷い。マジ、全ての魔法士は人類を見捨てて、さっさと魔法士以外の人類は滅ぶべしだと思う。
さて、『IX』の下巻は来月すぐに出るみたいだけど、最終巻は『X』なのか……。
[ ウィザーズ・ブレイン ]
2023年 4月 29日
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ぶんか社 BKブックス
◆ ダンジョン学園の底辺に転生したけど、なぜか俺には攻略本がある /塔ノ沢渓一 -
小説家になろう と カクヨム からの書籍化なんですけど、今、なろう系でいちばん好きなんですよ、この作品。ほんと、むちゃめちゃ大好き。
内容は、よくあるゲーム世界へのモブ転生モノ。やたら似たような作品が多量に出てる分野の作品なのだけど、これだけ大量に似たような作品があると、その中にオーダーメイドで俺のためだけに書かれたような作品に出会うことがあるのよ。で、この作品がまさにそれ。好みというのは、ほんの僅かな差異で合う合わないというのが出るので、自分にとって最高にフィットした作品というのは、こういうめちゃくちゃ似たような作品がある分野の中にしか見つからないのよな。
まあ、とにかく好みに合って好きな作品なのだけど、この作品の特徴というと、チートな知識の源泉が攻略本というところと、元のゲームがシナリオ分岐型のマルチエンディングなゲームであるということ。ゲーム知識がなく攻略本頼り、しかもこの攻略本が最短最速で最強になるルート一本に限定したタイプの攻略本なので行動の融通が効かなかったり、主人公プレイヤーの行動によってはシナリオが変わり場合によっては世界が滅ぶので、これも強くなっても好き勝手できない制限になっているのが楽しい。いや、モブ転生でほかに主人公プレイヤーがいるタイプの作品は多いんだけどさー、大体、主人公プレイヤーが空気になることが多いんだよね。それじゃ、モブ転生の意味ないだろ。強くなってもいろいろ制限があって好き勝手できないのは楽しいし、オープンフィールドではなく学園なので、目的もなく旅しはじめたりしないのも、好きなポイント。学園であることのメリットを活かしつつ、貴族や軍の暗躍を取り入れて世界を広げることにも成功していて、ダンジョン学園という設定が、かなりうまいんですよね。
今回の書籍化では、本編は基本Webのまま。巻末に特典SSがついてるけどこれは電子だけかな? Webから改変なしで導入から序盤の山場までで綺麗に一冊で纏まっているのは、作者が書籍化経験あるようなので、元々計算して書いてたんだろうか?