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中央公論新社 C★NOVELSファンタジア
夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶 /多崎礼

最高傑作級。『<本の姫>は謳う』の多崎礼が贈る新作は、やはり綺麗なファンタジーでした。青空の見えない地形に象徴される重苦しい空気に包まれた王国を舞台に、それでも輝いて生きる人の夢を綴った連作短編。この1巻は、有力貴族の元に嫁いだ地方領主の娘・アイナの物語を綴った「翠輝晶」と、旅芸人として生まれやがて騎士として一人の貴族の娘に尽くすことになるアーディンを描いた「蒼輝晶」の二編。その二編とも、とても綺麗でせつない恋愛モノで、ほんと素晴らしいわ。

いや、「翠輝晶」の互いに思いやる夫婦愛も素晴らしいのだけど、特に、「蒼輝晶」は、イズガータとアーディンの身分違いの恋の物語がせつなすぎるっ!! 恋愛モノとしてはベタな悲哀なんだけど、それが、緻密に組み立てられた背景の元で、丁寧で見事な筆力で綴られていて、ほんと綺麗すぎるほど綺麗だよなぁん。二つの短編は、それぞれリンクしていて、おそらくシリーズ通して、この王国の未来が綴られることになるんだろうけど、その王国の行く末も気になるなぁ。続きも楽しみですっ!!

[ 2010.09.28 ]

多崎礼作品の感想