<本の姫>は謳う


中央公論新社 C★NOVELS Fantasia
〈本の姫〉は謳う1 /多崎礼

素晴らしいっ!! 評判が良さそうだったので買ってみたのだけど、いやぁ、良かった良かった。精緻に作りこまれた構成と設定、そして魅力的なキャラクター達。多崎礼の前作『煌夜祭』は地味な印象があったんだけど、この『〈本の姫〉は謳う』は、100%文句なく素晴らしかったです。

かつて滅んだ天使たち。その天使たちの残した邪悪な存在「文字(スペル)」。少年アンガスは、一冊の本に宿る〈本の姫〉と共に「文字(スペル)」を探して旅を続ける……。ということで、非常に良く出来たファンタジー。文字を求めて旅をするアンガスの物語とかつて滅んだ天使の一人の物語を交互に進める構成は、非常によく計算されていて、ホント素晴らしい。その天使や本、文字といった設定も、世界観ともども、よく作りこまれています。そして、誠実なアンガスと、凶暴な姫さま、お調子者のジョニーをはじめとするキャラクター達も生き生きと楽しく描かれていて、Good。あとがきによると、全四巻ということらしく、続きも今から待ち遠しいですっ!!

[ 2007.11.15 ]


中央公論新社 C★NOVELS Fantasia
〈本の姫〉は謳う2 /多崎礼

全三巻?全四巻?の真ん中なので、どーこー書きにくいんですけど、いやぁ、後半のストーリーの組み立ては巧いなぁ。やはり、二つのストーリーを交互に書きつつ絡ませる構成は、ほんと巧くて面白い。そして明かされる、セラの真の性格っ!!<をい。一方、「俺」側の話も怒涛の展開っ!! ……しかし、いかにもクライマックス的な展開なのに、あと二冊分もあるのか。いやぁ、この先、どうなるんでしょ? とにかく楽しみです。

[ 2008.03.28 ]


中央公論新社 C★NOVELS Fantasia
〈本の姫〉は謳う3 /多崎礼

凄いところで終わるなぁ。いやぁ、続く最終巻がめちゃくちゃ楽しみっ!! そして、セラが可愛ゆすぎるっ!!

そゆわけで、世界中に散らばる「文字(スペル)」を回収すべく世界を旅する、少年アンガスと一冊の本に宿る〈本の姫〉を描いた良質なファンタジーの全4巻中の3巻目。ただ、この3巻に関しては、並行する二つの物語を同時にクライマックスに持ってくるためか、変に間延びしてたり、描写が足りなかったり、こー、物語を進める上での無理が目立ってしまっていて、いやん。もうちっと、構成で魅せるか、個別のイベントの完成度を高めるかして欲しかったなー。

[ 2008.06.29 ]


中央公論新社 C★NOVELS Fantasia
〈本の姫〉は謳う4 /多崎礼

過去と現在の物語を綺麗に纏め上げた、とにかく素晴らしいエンディングでした。ただただ感動っ!!

アンガスと愉快な仲間たちは、異変の起きたバニストンの地へ。世界の滅亡を望むレッドとの最終決戦がいよいよはじまる……。というわけで、過去の物語を織り交ぜながら進む姫とアンガスの物語もいよいよ完結。正直、アンガスの絶望をはじめとして、圧倒的に心情描写が足りないと思うんだけど、それを差し引いても、とても綺麗に纏め上げられたラストでした。ほんと、泣けるほどに感動。とにかく、精緻に計算された構成が素晴らしいなぁ。過去と現在の物語が交錯しつつ、一つに収束する構成は、めちゃくちゃ秀逸。ほんと、素晴らしい物語で、素晴らしいという言葉以外、出てこないよっ。

[ 2008.10.05 ]

多崎礼