抗いし者たちの系譜


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 /三浦 良

すばらしい。流行りモノとは一線を画す雰囲気と興味を引くストーリー展開、そして魅力的なキャラクターと、非常に良く出来たファンタジー。いや、ほんと、おもしろかったぁ~~。

「第17回ファンタジア大賞 審査委員賞」。勇者によって全てを奪われた魔王が、その勇者に復讐を企てる、という恋愛ストーリー。あとがきで、「好きな本は戦国策や韓非子」といってるだけあって、一風変わった雰囲気とストーリー展開。とにかくページの先が気になるような作りになっていて、読んでて非常におもしろい。新人らしく多少説明&描写不足部分はあるのだけど、全般的に読みやすく出来は良くて、Good。いや、ほんと今後に期待ですなぁ~~。

[ 2006.01.26 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
抗いし者たちの系譜 虚構の勇者 /三浦 良

実力は本物な予感。このデビュー2作目も非常に巧さを感じさせる内容でした。男性キャラも含めて味があり魅力的に描かれていて、真っ当なファンタジーの匂いを感じさせる内容で、なかなか楽しく読ませてくれます。……ただ、今回の話では、肝となる、誰が書簡を出したのか?という謎解きに関しては、伏線の置き方も後半の演出もいまいちで、そこは残念。

しかし、そもそも、サラとラジャスの二人が最強なのが確定してる物語なので、今回もかなり無理はあったのだけど、このままだと、今後はほんとツライよなぁ~。や、続刊は、どういう方向で進めてくつもりなんだろ。

[ 2006.05.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
抗いし者たちの系譜 覇者の魔剣 /三浦 良

うわ~、そういうラストかっ!! いきなり次巻が、めちゃくちゃ楽しみですっ!!

知謀で世界を統べる魔王サラと、そのライバルの元魔王ラジャスの二人を中心に、謀略戦をメインに描いたシリーズ第3巻。今回は、サラと同じ能力を持つ魔剣を巡る争い。いやもう、とにかくラストの新展開は、非常に期待できそうで、次巻がめちゃ楽しみです。

まあ、ラスト以外は、かなり酷い内容で以下略(^^;。いや、基本的に1巻で完結してる話で、2巻でも無理があったのに、さすがに新しい追加要素なしで、よくこの3巻を埋めたものだ。や、ほんと、この3巻は、ラストの新展開のために単にページを埋めた以上の意味は全くありません。せめて、もうちょっとハイエル中心に描いて、番外編的に仕立てれば良かったものを。

[ 2006.11.21 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
抗いし者たちの系譜 再始の女王 /三浦 良

いきなりのトンデモ設定と無理ある展開(T-T)。……それさえ気にしなければ、綺麗な最終巻なんだけどねぇ。いや、この最終巻の内容なら、せめてもう一冊ぐらいの分量はかけるべきだったと思うのだけど、もしや打ち切りに近いような状況だったのかしらん?

地震により目覚めた初代魔王エル。明かされる魔力の秘密。そして、初代魔王エルと皇帝サラの戦いがはじまる……。とにかく説得力のない説明と無理の多い展開が、あまりに酷くて絶望しそうになったけれど、エルvsサラの対決、そしてその後の攻防戦は、非常に面白かったです。いやもう、『抗いし者たちの系譜』らしく、きちんと策謀も絡めた熱い展開っ!! そして、綺麗な結末っ!! まあ、第一巻で終わってるような話を無理やり続けたようなシリーズだったわりには、総じて良かったかしらん。

[ 2007.01.24 ]