GLASS HEART
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集英社 コバルト文庫
GLASS HEART 冒険者たち /若木未生 -
この『グラスハート』シリーズは、若木未生作品の中では、いちばん好きなシリーズなのだけど、くぅ~、やっぱり、素晴らしいにょ~~。……絶対的に、傑作と言いきってよい作品だと思う。
若木未生って、こういうぎりぎりで、危うくって、必死な文章と内容があっているよね。単語の一つ一つにまで、力が注がれているというか。先の展開が気になるというタイプの話でもないので、こちらも、一文、一文、じっくり読むだけだし。それに十分耐えうるし。今回は、新マネージャー加入で、微妙に丸くなってしまった気もするけど、全国ツアーだし、っていうか、ヒビキだし。これ、ヒビキ主人公だったら、ぜんぜん別ものの、凄い話になっていた予感(^^;。
[ 2001.09.04 ]
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集英社 コバルト文庫
GLASS HEART 熱の城 /若木未生 -
若木未生では、いちばん好きなシリーズ。でも、最近の若木作品のクオリティの低下は、ちと著しいかも。
若木の芸風って、もともと、登場人物も必死だけど、作者というか文章も、必死っぽいトコだと思ってたのだけど、最近、むしろ小手先だよね。『グラスハート』のキャラ同士のズレた会話も、以前は、1言 1言、きちんと練っていたハズなのに、いつのまにか、表面的な雰囲気でごまかそうとしてるし。……ダメじゃん。
っていうか、『グラスハート』って、ざくざく鋭いような、危ういところが良かったのだけど、これじゃ、ただの青い青春ドラマじゃないですか。言葉にしなくても、わかってたことを、わざわざ、ラストで言葉にしますか。そういう方向に、持っていきますか。やぱし、新マネージャー参入辺りから、路線変更狙ってます、というのはあったけど、『グラスハート』では、直球でそゆとこ攻めないと思ったので、うーむ。
[ 2002.06.05 ]
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集英社 コバルト文庫
GLASS HEART LOVE WAY /若木未生 -
最近低迷してる若木未生の作品では、久々に、満足できる内容。って、各話ごとに、わりと出来の差が大きいんだけど。<まあ、5年前の作品とかも、混ざってるみたいだしなー。
そゆわけで、若木未生の作品の中では、私のいちばん好きなシリーズ『GLASS HEART』の最新刊。といっても、今回は、テン・ブランクの話ではなく、オーヴァークロームの話で、いわば、番外編みたいな内容。で、「LOVE WAY」と「アンダーエデン」辺りが、痛くて、ゾクゾクくるね。やっぱ、若木は、こういうギリギリで、張り詰めた内容のほうが、面白いと思う。……まあ、オーヴァークロームの二人も、そのファンたちも、ちと壊しすぎ、という気はするけど。ミュージシャンって、ああいうもんなのか(^^;。
あと、昔書いた「LOVE WAY」と、今の若木が書いた「II」を比較するという話だと、文章のキレや表現なんかも、やっぱし、昔の方が、ダンゼン良いという感想しか出てこないのが、悲しいというか、切ないよな。
[ 2003.01.07 ]
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幻冬舎 バーズノベルス
GLASS HEART イデアマスター /若木未生 -
最高傑作級。前巻から6年。『GLASS HEART』にしては、文体も内容もかなり丸くなってて、そこは読んでて気になったのだけど、いや、それも含めて、非常に素晴らしい、最高のラストでしたっ!! とにかく、感無量。
今で言うと、『さよならピアノソナタ』(→感想) を彷彿とさせるような、青春音楽小説。若木未生の作品では、いちばん好きなシリーズなのだけど、まさか、今になって最終巻が出るとはなぁ。若木未生の文体にも変化が見られるし、藤谷視点とかムチャすぎて、前半は違和感を覚えずにはいられなかったのだけど、やっぱり、読んでよかった。いや、原点の『AGE』に回帰するような「ラッシュ」も良かったし、そして、登場人物たちが、ぼろぼろに悩みながら辿りついたラストシーンには、ほんと泣きそうになったよ。や、主に、藤谷頑張ったっ!! 素晴らしいっ!!
シリーズがスタートして、『グラスハート』から数えて15年、さらに、短編『AGE』から数えると20年。コバルト文庫からは打ち切られたにもかかわらず、幻冬舎コミックスに移籍してまで最終巻を出していただけたことは、ほんとに感謝の言葉もありません。って、『オーラバ』辺りも似たような状況になってるのかしらん(^^;。
[ 2009.03.02 ]