神話殺しの虚幻騎士


角川書店 スニーカー文庫
神話殺しの虚幻騎士 /八薙玉造

ラグナロクを回避した北欧神話の神々との闘いという話か。会話の面白さは八薙玉造らしいのだけど、いまのところ、ヒロイン・マナとの絡みが少ないせいか、いまいち物足りないかなー。神との絶望的な実力差ゆえの詐術中心にならざるを得ない戦いも、いまひとつ爽快さに欠けるような……。

そゆわけで、八薙玉造の初スニーカー文庫の新作は、オーディンやら北欧神話の神々と、神に嘘と幻術で闘う人間・クラウスの物語。何故、滅ぶはずの神々が生き残っているのか? 何故、クラウスの姉・リンデは神に狙われるのか? という辺りが物語の骨格なんだけど、今のところ、どう転がるかわからんなー。正直、神が強すぎて、明るい未来がなかなか思い浮かべられない、というか物語作りが大変そう。口八丁な主人公は、八薙玉造らしいのだけど、キャラの造詣はあざとい割りに、いまいちこなれてなくて、まだまだこれからかなー。マナのもっとデレてからが本番かしらん。

[ 2014.09.17 ]


角川書店 スニーカー文庫
神話殺しの虚幻騎士II /八薙玉造

八薙玉造の作品は好みなのが多いのだけど、これは、やっぱりツマランなぁ……。

北欧神話の神々に虚言を弄して戦う人間・クラウスの物語の第二弾で、今回は、雷神トールとの戦い。うーん、一巻でも思ったのだけど、やっぱ、肝心の神との戦いが面白くないんだよなー。神との力量差がありすぎて、戦いに無理があってハラハラドキドキも感じないし、結局最後はマナ頼りかーという感じで、勝っても爽快さがないのよなー。戦闘以外では、八薙玉造はキャラの掛け合いが楽しい作者なのだけど、このシリーズは、そこも弱い。運命を変えて、ラグナロクを生き延びたオーディーンとの戦いというと、興味引かれる設定だったのだけど、今回明かされたそこら辺の謎も、正直、がっかり。ぶっちゃけ、この作品、これといった魅力がなさすぎる……。

[ 2015.07.07 ]