2015年 7月 4日
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KADOKAWA スニーカー文庫
◆ 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #03 /枯野瑛 -
せつない(T-T)。相変わらず、あざといぐらい泣かせにくるなぁ。
<六番目の獣>との戦いで死ぬはずだったクトリ。奇跡的に生き延びたものの、しかし……。と、どこまでも切ないストーリーと設定すぎる。号泣させるように盛り上げるような演出ではなく、静かに淡々と幸せを噛み締めるような微笑がせつなすぎるなー。その後のヴィレムがいかにも挫けそうで怖いのだけど、ラストがまた、わけがわからない展開だ。<十七種の獣>の設定は、なるほど、そういうことかって感じだけど、ラストの展開といい、このあと、どうなるんだ? そして、クトリとえるくは、どうなってくんだろうか? 続きが非常に気になるのだけど、売り上げ的に打ち切りギリギリらしいので、続きがちゃんと出るのか、そこが一番の心配だ(笑)。
2015年 7月 5日
半期毎に行っているライトノベルの人気投票「好きなライトノベルを投票しよう!」の 2015年上半期分の投票受付 を開始しました。
で、この人気投票、「ラノリン杯」「ラノサイ杯」の時代から数えると、今回で、ちょうど10年、20回目に当たります。せっかくなので、過去10年分の投票数の多かった上位5番目辺りまでをまとめてみました。開票時にはいつも偏っているようにみえてたんですが、その後、人気が出てアニメ化した作品も多いので、振り返ってみると、そんなに偏ってはないような(さすがに、ここ数回分は、まだ、偏っているようにみえますが)。もちろん、その後、打ち切りになった作品もありますけどね。『クロノ×セクス×コンプレックス』の続きは出ないのー?<をい
布教的な意味合いで投票する人も多いので、まだ人気が出てない一巻二巻の頃だけ投票を集めてる作品が多いのですが、“文学少女”シリーズや『ベン・トー』『六花の勇者』『俺ガイル』は、アニメ化が決まったり広く人気が出ても引き続き投票を集めているのが面白いです。それだけ信者が多かったということかっ。『俺ガイル』は最近の上位常連ですが少し変わっていて、上位に入るようになったのって、アニメ化してからなんですよね。
一巻二巻だけ投票の多かった作品も、最終巻や特に評判だった巻だけ、ひょっこり上位に戻ってくるのも面白い。『SAO』は1巻のぞくと、7巻「マザーズ・ロザリオ」が上位に顔を出してるんですが、例の《絶剣》ユウキのエピソードが収録されてる巻です。
ちなみに、歴代最多投票数を獲得した作品は、2009年上半期の『紫色のクオリア /うえお久光』の49票になります。
2005年ラノリン杯
- ある日、爆弾がおちてきて /古橋秀之
- わたしたちの田村くん /竹宮ゆゆこ
- 戦う司書と恋する爆弾 /山形石雄
- 円環少女 /長谷敏司
- 荒野の恋<第1部> catch the tail /桜庭一樹
2006年上半期ライトノベルサイト杯
- 狼と香辛料II /支倉凍砂
- 夏期限定トロピカルパフェ事件 /米澤穂信
- “文学少女”と死にたがりの道化 /野村美月
- とらドラ! /竹宮ゆゆこ
- 荒野の恋<第二部> bump of love /桜庭一樹
2006年下半期ライトノベルサイト杯
- “文学少女”と繋がれた愚者 /野村美月
- ラジオガール・ウィズ・ジャミング /深山森
- 化物語(下) /西尾維新
- 銀盤カレイドスコープvol.9 シンデレラ・プログラム:Say it ain't so /海原零
- 空とタマ Autumn Sky,Spring Fly /鈴木大輔
2007年上半期ライトノベルサイト杯
- 人類は衰退しました /田中ロミオ
- ミミズクと夜の王 /紅玉いづき
- 声で魅せてよベイビー /木本雅彦
- 冬の巨人 /古橋秀之
- 黄昏色の詠使いII 奏でる少女の道行きは /細音啓
- バカとテストと召喚獣(2) /井上堅二
- DDD(1) /奈須きのこ
2007年下半期ライトノベルサイト杯
- “文学少女”と月花を孕く水妖 /野村美月
- 時載りリンネ!(2) 時のゆりかご /清野静
- とらドラ6! /竹宮ゆゆこ
- さよならピアノソナタ /杉井光
- 暴風ガールズファイト(2) /佐々原史緒
2008年上半期ライトノベルサイト杯
- ベン・トー(2) ザンギ弁当295円 /アサウラ
- とある飛空士への追憶 /犬村小六
- 生徒会の二心 碧陽学園生徒会議事録(2) /葵せきな
- SH@PPLE―しゃっぷる―(2) /竹岡葉月
- バカとテストと召喚獣(4) /井上堅二
2008年下半期ライトノベルサイト杯
- さよならピアノソナタ(4) /杉井光
- AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ /田中ロミオ
- “文学少女”と恋する挿話集(1) /野村美月
- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) /伏見つかさ
- GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン(1)<下> /川上稔
2009年上半期ライトノベルサイト杯
- ソードアート・オンライン(1) アインクラッド /川原礫
- ロウきゅーぶ!(2) /蒼山サグ
- とらドラ10! /竹宮ゆゆこ
- 秋期限定栗きんとん事件(下) /米澤穂信
- ベン・トー(3) 国産うなぎ弁当300円 /アサウラ
2009年下半期ライトノベルサイト杯
- 紫色のクオリア /うえお久光
- 僕は友達が少ない(2) /平坂読
- さよならピアノソナタ encore pieces /杉井光
- クロノ×セクス×コンプレックス(1) /壁井ユカコ
- 龍盤七朝 ケルベロス 壱 /古橋秀之
2010年上半期ライトノベルサイト杯
- ベン・トー(5.5) 箸休め~燃えよ狼~ /アサウラ
- 空色パンデミック(2) /本田誠
- ココロコネクト キズランダム /庵田定夏
- さくら荘のペットな彼女(2) /鴨志田一
- 東京レイヴンズ(1) SHAMAN*CLAN /あざの耕平
2010年下期好きなライトノベルを投票しよう!
- フルメタル・パニック!(12) ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) /賀東招二
- 変態王子と笑わない猫。 /さがら総
- 月光 /間宮夏生
- テルミー きみがやろうとしている事は /滝川廉治
- 空色パンデミック(3) /本田誠
2011年上期好きなライトノベルを投票しよう!
- はたらく魔王さま! /和ヶ原聡司
- 花咲けるエリアルフォース /杉井光
- 神明解ろーどぐらす(5) /比嘉智康
- 雨の日のアイリス /松山剛
- ソードアート・オンライン(7) マザーズ・ロザリオ /川原礫
2011年下期好きなライトノベルを投票しよう!
- 東雲侑子は短編小説をあいしている /森橋ビンゴ
- 六花の勇者 /山形石雄
- クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 /石川博品
- のうりん /白鳥士郎
- 脱兎リベンジ /秀章
- 僕の妹は漢字が読める /かじいたかし
2012年上期好きなライトノベルを投票しよう!
- 六花の勇者(2) /山形石雄
- 魔法少女育成計画 /遠藤浅蜊
- 龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02 /秋山瑞人
- 楽聖少女 /杉井光
- も女会の不適切な日常(1) /海冬レイジ
2012年下期好きなライトノベルを投票しよう!
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(6) /渡航
- アニソンの神様 /大泉貴
- 六花の勇者(3) /山形石雄
- のうりん(5) /白鳥士郎
- 魔法少女育成計画 restart(前) /遠藤浅蜊
2013年上期好きなライトノベルを投票しよう!
- ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIII /宇野朴人
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか /大森藤ノ
- ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(3) /野村美月
- 氷の国のアマリリス /松山剛
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(7) /渡航
- 覇剣の皇姫アルティーナIII /むらさきゆきや
- 東京レイヴンズ(9) to The DarkSky /あざの耕平
2013年下期好きなライトノベルを投票しよう!
- きんいろ・カルテット!(1) /遊歩新夢
- ヴァンパイア・サマータイム/石川博品
- 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール /石川博品
- MONSTER DAYS /扇友太
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(8) /渡航
- バカとテストと召喚獣(12) /井上堅二
- 魔王殺しと偽りの勇者(2) /田代裕彦
2014年上期好きなライトノベルを投票しよう!
- この恋と、その未来。 ―一年目 春― /森橋ビンゴ
- 絶深海のソラリス /らきるち
- ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンV /宇野朴人
- 王手桂香取り!(2) /青葉優一
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(5) /大森藤ノ
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(9) /渡航
2014年下期好きなライトノベルを投票しよう!
- ロクでなし魔術講師と禁忌教典 /羊太郎
- きんいろカルテット!(3) /遊歩新夢
- ひとりで生きるもん! ~粋がるぼっちと高嶺の花 /暁雪
- 六花の勇者(5) /山形石雄
- 冴えない彼女の育てかた(7) /丸戸史明
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(10) /渡航
- ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVI /宇野朴人
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(6) /大森藤ノ
2015年 7月 7日
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角川書店 スニーカー文庫
◆ 神話殺しの虚幻騎士II /八薙玉造 -
八薙玉造の作品は好みなのが多いのだけど、これは、やっぱりツマランなぁ……。
北欧神話の神々に虚言を弄して戦う人間・クラウスの物語の第二弾で、今回は、雷神トールとの戦い。うーん、一巻でも思ったのだけど、やっぱ、肝心の神との戦いが面白くないんだよなー。神との力量差がありすぎて、戦いに無理があってハラハラドキドキも感じないし、結局最後はマナ頼りかーという感じで、勝っても爽快さがないのよなー。戦闘以外では、八薙玉造はキャラの掛け合いが楽しい作者なのだけど、このシリーズは、そこも弱い。運命を変えて、ラグナロクを生き延びたオーディーンとの戦いというと、興味引かれる設定だったのだけど、今回明かされたそこら辺の謎も、正直、がっかり。ぶっちゃけ、この作品、これといった魅力がなさすぎる……。
[ 神話殺しの虚幻騎士 ]
2015年 7月 14日
ちなみに、「好きラノ 2015年上期」の投票受付は、7月19日(日)までなので、まだの方は投票よろしくお願いいたします。
魔法科高校の劣等生(16) 四葉継承編 /佐島勤 (→感想)
すでに誰もが知ってるような作品をいまさら薦めるか?という話はあるんですが、この16巻のはっちゃけぶりが素晴らしいです。強すぎるお兄様をはじめとして、むちゃくちゃな設定や展開に、つっこみながら読むのが楽しい作品ですが、この14巻はよくここまで開き直ったな、という感じ。もし、途中で読むのを中断されてる方がいれば、ぜひともこの14巻まで読み進めていただければと思います。
絶深海のソラリスII /らきるち (→感想)
パニックホラーとして話題を集めた『絶深海のソラリス』が、まさかの続編を刊行。インパクト重視だった前巻と比べ、熱くスリリングな展開は、ライトノベルらしいストーリーになっていて、これがまた、おもしろいっ!! 作者の器用さが際立ってる作品だと思います。
エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ /東龍乃助 (→感想)
荒削りながらも新人らしい熱く破天荒な作品。アニメのキャラが現実世界へというコミカルな設定にもかかわらず、非常にシリアスで熱い物語に仕立ててくるのは、これぞライトノベルという感じでしょうか。すでにライトノベル以外の展開も進んでいて、早くアニメ化にでもなって欲しいです。
とある飛空士への誓約(7) /犬村小六 (→感想)
『飛空士』シリーズのラストを飾る『誓約』の第三部がスタート。いやぁ、大団円に向かって、『恋歌』のクレアとカルエルが合流してくる展開がほんとに感無量。って、『追憶』『恋歌』『夜想曲』『誓約』とシリーズすべてを読まないと楽しめないので、今からこれを薦めるのは無茶ですね。ごめんなさい。
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #02 /枯野瑛 (→感想)
売れ行きが悪く打ち切りが噂されていましたが、この2巻に続いて無事に3巻も刊行。滅びに瀕した世界で、生命を燃やして戦う少女の物語が、とにかくあざとくて泣けます。散りばめられた世界を彩る謎も興味深く続きも非常に気になるので、ぜひとも売れに売れて売れ続けて、続きがちゃんと出て欲しいです。
下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。 /野村美月
下読み経験者だけでなく一般の読者にとっても、いろいろと考えさせられます。野村美月が送る読み切り新作。あとがきで“文学少女”シリーズとの対比で語られているけれど、なるほど、“文学少女”シリーズが好きだったならぜひ読むべき。
螺旋時空のラビリンス /辻村七子 (→感想)
読後感のよいSF作品。近未来SFなのに19世紀のパリが舞台。つまり、タイムトラベルものなんですが。たぶん、集英社オレンジ文庫というせいもあるんでしょうけど、ロマンチックな雰囲気が素晴らしいです。
2015年 7月 15日
『魔法科高校の劣等生』は、もっとも好きなライトノベルのひとつなのですが、その『魔法科高校の劣等生』が、最近、話題になってました。
- 『魔法科高校の劣等生』への批判とライトノベルにおける女性キャラの扱いについて - Togetterまとめ
- 『魔法科高校』へ観光に来られる皆様へ - WINDBIRD
- 読みづらくても売れるライトノベルの話と繰り返されるイベント - ミグストラノート
- 作品世界と作者と読者を同一視する作品の読み方について : 魔法科信者として思うこと - ぐ~たらオタクの似非考察日記
- 攻撃的な魔法科高校ファンたち - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト
発端となる小天狗さんのツイートですが、『魔法科高校の劣等生』に対する批判はかなり的確なような。『魔法科高校の劣等生』の補足説明を入れまくるようなスタイルは、無駄に冗長で文章を読みにくくしてるだけでなく、突っ込みどころを増やしてるケースも多々あり、さらに作者の想いも透けて見えやすくしているため、結果、作品は叩かれやすく作者批判にもつながりやすくなってるんですよね。“さも「頭が良さそう」に見せたい、その実頭悪い文体”という表現は、『魔法科高校の劣等生』の特徴の一面を正確に捉えてると思います。
そういう癖の強い『魔法科高校の劣等生』なので、ライトノベルの入門書に選ぶのは間違いという話になるんですが、そもそも、『魔法科高校の劣等生』って、むちゃくちゃ売れてるわりに、具体的なファンがどこら辺にいるのか、いまいちわからないんですよ。各種人気投票の結果を見てると、少なくとも、ラノベファンに受けているようには見えない。例えば、『このライトノベルがすごい!』の2015年版の結果は以下。ちょうどアニメを放映してたときのランキングなので、普段よりブーストかかってるハズの結果です。
- 総合: 13位
- HP票: 5位
- 協力者票: 圏外(11位以下)
- モニター票: 7位
HP票はWebで受け付けた一般票、協力者票はライトノベルを年間100冊以上読む業界関係者とブロガーを中心としたラノベファンで年齢層高め、モニター票が中高生へのアンケート。『魔法科高校の劣等生』の場合、モニター票の7位もアニメ化作品にしては高くなく(モニター票ではアニメ化作品はとりあえず上位に入るので)、つまり、中高生に特に人気があるというわけでもなく、業界関係者やラノベファンにもほとんど受けてないことがわかります。HP票は5位なので、そこそこ高めですが。
さらに、同じく『このライトノベルがすごい!』2015年版から各書店の売り上げランキングを見ると、
- とらのあな: 12巻->19位
- 紀伊国屋: 12巻->2位、13巻->3位、14巻->5位
- TSUTAYA: 13巻->5位、12巻->6位、14巻->8位
- Amazon: 13巻->10位、14巻->13位、12巻->16位
オタク向けに特化している とらのあな での売り上げの低さが目立ちます。つまり、オタク層よりも一般層に売れていると。紀伊国屋やTSUTAYAのランキングを見ると、もっとも売れているライトノベルのひとつであることは間違いなく、普通に考えれば、人気投票でトップ争いを演じても不思議ではないと思うんですよね。
一応、電撃文庫で出版された当初は、以下の記事のようにWeb版時代からのファンが絶賛してる姿はよく見られました。10代だけでなく30代も含めた幅広い世代で受け入れられると語られています。Web版のファンが、いまでも熱心に買い支えているのでしょうか。
2015年 7月 18日
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エンターブレイン ファミ通文庫
◆ 下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。 /野村美月 -
うわぁ、普通の下読みの人は投稿者に対して辛辣なんだなぁ。<をい
“文学少女”シリーズの野村美月が送る、ライトノベル新人賞に隠れて投稿を繰り返していた少女と下読みのバイトをしてる少年の物語。一冊完結かしら? 作品と普段のギャップが激しいお嬢様の氷ノ宮氷雪がとにかく可愛く魅力的で、その氷雪と青の青春まっしぐらな恋模様が初々しくて眩しいわっ!! 水族館のデートとか読んでて恥ずかしすぎるわ~。ただ、印象に残るのは、氷雪と青よりも、その二人を見守り、時にアドバイスをする大人世代の朔とあえか。作者が狙ってるんだろうけれど、氷雪や青に感情移入すよりも、むしろ、朔の視点で読んでください、という構成だよね。
どんな物語も純粋に楽しむ青と、そんな青を羨みながらも、もう大人になり純粋に物語を楽しむことができない朔というのは、青の講評を書く際の姿勢も含めて いろいろと考えさせられるけれど、考えてみたら、私は、子供の頃もそんなに目を輝かせて本を読んでいたわけではないし、今も、わりと駄作でも楽しんで読んでるほうなので、そんなに青が羨ましいというわけでもないんだよなー。や、そもそも、駄作も楽しめるようでないと、ラノベ読みとして続かない。<をい。……ただ、氷雪の原稿は、なかなか読むのキツイと思うのだけど(^^;。
[ 下読み男子と投稿女子 ]
2015年 7月 19日
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メディアファクトリー MF文庫J
◆ たまらん! メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった。 /比嘉智康 -
愉快すぎるラブコメだろっ!! おもしろくっておもしろくって、まさに たまらんっ!!
余命一週間の誤診を受けた「たまらん」こと玉木走太が、その余命一週間の宣告をきっかけに、メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれていく話。いやぁ、余命一週間の宣告といったら泣ける感動的な話にも持っていけそうなのに、どうみても恋愛が似合わないようなぶっ飛んだキャラばかりの青春ラブコメになってて楽しい楽しい。こういうキャラたちに恋愛させようと思ったら、なるほど、生命の問題のような大きなきっかけが必要か。複雑な恋愛モノでわりとシリアスな要素もあるはずなのだけど、とことんコミカルに仕立ててるのが、ほんと、楽しいよね。
この一巻は、次々起こる愉快な展開が続いて一気に読ませる内容で楽しかったけれど、二巻以降もこのペースで続けられるのかという辺りはすこし心配。いや、ここまで複雑な多角関係恋愛モノはわりと珍しいしなんやかんやでシリアスな展開になりそうな気もするのだけど、この雰囲気のまま、最後まで続けられてた かなり凄いよね。楽しみっ!!
[ たまらん! ]
▽ 「好きなライトノベルを投票しよう!! - 2015年上期」、投票受付は本日までなので、まだの方は、ご投票お願いいたしますm(__)m。
▽ [漫画]『修羅の門 第弐門(17) /川原正敏』(→Amazon)、購入&読了。うわぁ、マジに海堂晃と片山右京が出てきたっ!! 残り一冊で最終巻、凄く待ち遠しいっ!!
▽ 「iPad mini」が充電できなくなったので、アップルストアへ。最初は修理しようと思っていたのだけど、修理費と新品の価格を比較した結果、結局、「iPad mini2」を買ったった。うーん、「mini2」は液晶がRetinaなので綺麗になると聞いていたのだけど、まったく違いがわからん(^^;。……しかし、壊れた「mini」は、ケーブルの純正/非純正のチェックで引っかかるようになり充電できなくなったのだけど、昔、不正コピーチェックが厳しすぎて起動しなくなったPC98のゲームとかを思い出した。メーカーの海賊版対策で不利益をこうむるのは、微妙に釈然としないよな。
2015年 7月 20日
ライトノベル系サイト恒例の「好きなライトノベルを投票しよう!! 2015年上期」、ここ数回は 30票強ぐらいの投票数だったのですが、久々に50票近くの投票をいただきました。ありがとうございますm(__)m。今期は新作が粒ぞろいで、上位は軒並み新作かシリーズ二作目ぐらいの作品が多いのですが、その中で、『天鏡のアルデラミン』が、二年ぶりに1位に返り咲いています。
総合
1位(10票) ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVII /宇野朴人
『天鏡のアルデラミン』が二年ぶりの1位。アニメ化していないライトノベルの中では特段の人気を誇る『天鏡のアルデラミン』ですが、物語も佳境を迎え衝撃的な展開だった7巻は特に話題を集めました。1位も当然というところでしょうか。
2位( 9票) ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー /葵せきな
『生徒会の一存』シリーズ、葵せきなの新作が2位。ゲーム好きの地味な少年を主人公とする学園ラブコメ。共感しやすい設定の主人公と、ゆるい日常の中でのすれ違い系のラブコメが受けているようです。
3位( 8票) 戦うパン屋と機械じかけの看板娘 /SOW
ファンタジー世界のパン屋を舞台とした元軍人と恋するオートマタの物語。元人型強襲兵器のAIがヒロインになるような設定と、なによりそのヒロイン・スヴェンの魅力が人気の元になっているようです。
3位( 8票) 絶深海のソラリスII /らきるち
パニックホラーとして話題を集めた『絶深海のソラリス』が、まさかの続編。1巻に変わらず、人気を集めています。
3位( 8票) たまらん! メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった。 /比嘉智康
余命一週間から生還?した主人公と、その主人公をとりまくひと癖もふた癖もあるキャラたちによる“メチャクチャな青春ラブコメ”がとにかく楽しく人気となっているようです。
3位( 8票) 下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。 /野村美月
“文学少女”シリーズの野村美月が、ライトノベルの投稿をネタにした新作を出してきました。人気が出るのも当然の内容です。
□
続いて、新規/既存でシリーズ毎に再集計してみました。
新規
- 9票: ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー /葵せきな
- 8票: 戦うパン屋と機械じかけの看板娘 /SOW
- 8票: たまらん! メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった。 /比嘉智康
- 8票: 下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。 /野村美月
- 7票: エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ /東龍乃助
- 7票: ひとつ海のパラスアテナ /鳩見すた
今期は新作が豊作で、各作品に分散して票が入ったように思います。内容も、学園ラブコメ、ファンタジー、ロボットモノにSFと、バラエティありますね。
既存
- 10票: ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン /宇野朴人
- 8票: 絶深海のソラリス /らきるち
- 8票: ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか /大森藤ノ
- 6票: 薬屋のひとりごと /日向夏
- 6票: 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? /枯野瑛
- 6票: 独創短編シリーズ 野崎まど劇場 /野崎まど
既存部門も、はじまったばかりのシリーズが多いです。その中で、常連の『アルデラミン』『ダンまち』は、相変わらずの強さを見せました。ただ、同じく、最近上位常連だった『俺ガイル』が、今回、あまり票を集めていなかったのも印象的です。
2015年 7月 21日
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ホビージャパン HJ文庫
◆ 戦うパン屋と機械じかけの看板娘 /SOW -
好きラノ3位 ということで、読んでみました。
なるほど、ヒロインのロボ娘・スヴェンが、とにかく可愛すぎるっ!! や、大戦の英雄が退役後、パン屋を開店する話で、そのパン屋に人型兵器の試作機がウェイトレスとしてやってくると。うわぁ、そのウェイトレス・スヴェンが、むちゃくちゃ魅力的で可愛い。この手の設定だと、ロボ娘は無口系にするのがパターンだと思うのだけど、このスヴェンは、むしろ表情豊かで、主人公のルートを好き好き大好きなオーラがあふれまくっているのが素晴らしいね。そのスヴェンが巻き起こす騒動が、また楽しい。
スヴェンが可愛いだけでなく、かつて滅んだ超文明帝国の謎や、秘密兵器であるスヴェンの逃亡を放置している軍部の思惑も興味深い。まあ、ここら辺の謎がどうストーリーに絡んでいくかは、まだまだわからないけれど。とにかく、スヴェンが可愛くて、一冊いっきに読ませるほど、おもしろかったです。
[ 戦うパン屋と機械じかけの看板娘 ]
2015年 7月 24日
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富士見書房 富士見ファンタジア文庫
◆ ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー /葵せきな -
ゲラゲラゲラゲラ(爆笑)。や、作者の悪意を感じるぐらい、キャラたちの良かれと思って取った行動がすべてマイナスに作用しているのが凄い凄い。どんだけすれ違い祭りなラブコメだっ!!
好きラノ2位 だったので読んでみました。設定やヒロインの名前も似せているし、はじめは、電撃文庫の『僕と彼女のゲーム戦争』をあからさまにパクったのかと思って読み進めていたのですが、まさかまさかの展開に大笑い。いや、そこはふつーにゲーム部に入って全国を目指そうよ(笑)。気がついたら、もの凄くカオスすぎる状況になっていて、なんだこれ。作者の人、登場人物の運命をもて遊びすぎだろっ。
地味な主人公のわりにろくな行動をしない主人公の雨野をはじめ、単なる友人役かと思ったら、もはや悲劇か喜劇かわからない立場になってる友人の上原、後半でいきなりヒロイン役に昇格したっぽい星ノ守に、展開的なヒロインかと思っていたらギャグ担当なのか良くわからない立場の天道。本来、雨野を巡る三角関係がせいぜいで、そんなに複雑な関係ではないはずなのに、なんだろう、このカオス感。や、むりやり多角関係に組み込まれた上原と亜玖璃のカップルが可哀相すぎて笑える。いやー、単なるゲーム好きのボッチの話が、なんでこんなカオスなラブコメになってるんだ? とにかく愉快すぎて、続きも楽しみすぎるっ!!
[ ゲーマーズ! ]
▽ 今期のアニメでは、『干物妹! うまるちゃん』が いちばんのお気に入りです。
▽ アニメ『GATE』の描写は「正しい」か? - Togetterまとめ
▽ 『GATE』は2chまとめサイトを鵜呑みにしたような世界観&政治観がきつい - Togetterまとめ
『GATE』は虚構とリアルのバランスが悪い上にいろんな面で浅いのは確かで、出来不出来でいえば、決して出来がいいとはいえないと思うのだけど、でも、そういう部分をツッコミながら見るのが楽しい作品だよね。ただ、この作品に、自衛隊が協力しているのは、どうかと思うけれど。
▽ 講談社タイガ|講談社BOOK倶楽部
▽ 【新文化】 - 講談社、10月20日に新レーベル「講談社タイガ」創刊
講談社の新レーベル。講談社ノベルスと同じ方向性のレーベルとしか思えないのだけど、文庫なところが新しいのかしらん。
2015年 7月 27日
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富士見書房 富士見ファンタジア文庫
◆ ゲーマーズ! 2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド /葵せきな -
ラスト(笑)。天道さんはもはやギャグ担当なのかと思ったら、すごい展開仕込んでくるな。この後どうなるのか、さっぱり読めねぇ~。
勘違いだらけですれ違いまくりなラブコメ第二弾。作者の采配が悪意しかない、マジに酷すぎる。よくぞここまでカオスな状況に仕立ててるよなぁ。いやもう、カオスな多角関係のラブコメとして、これ以上なく愉快で楽しいっ!! ……ただ、ラストはともかく、この二巻は、日常系のような構成で、密度の薄い感のする日常シーンも多いので、一巻の凄いカオスな展開からすると、ちょっと物足りないかなぁ。まあ、なにはともあれ、さっぱり先が読めない展開で、続きはいったい、どうするんだこれ??
[ ゲーマーズ! ]
▽ [漫画]『咲-Saki-(14) /小林立』(→Amazon)、購入&読了。準決勝副将戦、ダヴァン(^^;。や、あれだけ強そうな雰囲気を出していて、実際、特殊能力持ちで強いことは強いのだけど、この残念な感じはなんだろう(笑)。和、絹恵と非能力者の卓で、互角の戦いを演じてるのが不幸だよな。次はいよいよ大勝戦ですげー楽しみ。発売まで、また待ちそうだけどなー。
2015年 7月 29日
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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
◆ ひとつ海のパラスアテナ /鳩見すた -
陸地のほとんどが海に沈んだ世界というと、[TVA]『未来少年コナン』を思い出します。そのせいもあってか、昔の宮崎駿アニメのテイストを感じる作品だなぁん。
今年の電撃小説大賞、<大賞>受賞作。陸地が消えて海だけになり文明が後退した近未来の地球を舞台に、点在する浮き島を巡って荷物を運ぶ少女アキの物語。うわぁ、明るい女の子を主人公にしたおおらかな雰囲気の作品にもかかわらず、生と死が紙一重で過酷すぎる展開が凄い。アキの視点を通して童話のように純朴に描かれているけれど、タカちゃんの職業なんかも、わりとエゲつないよなぁ。ストーリーの根幹を成していくキーちゃんのエピソードが卑怯すぎて、これだけで、読むに値する作品だよね。
過酷な世界と能天気な雰囲気のギャップがいい味だしていて、百合っぽいエッセンスも美味しい。ラストは超展開すぎる気もするけど、宮崎駿っぽいイメージの作品ということでいえば、これはこれでありかな。……しかし、次巻予告を見ると、また、遭難するみたいだけど、どんなだ(^^;。
[ ひとつ海のパラスアテナ ]
2015年 7月 31日
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▽ B6判書籍『アルティーナ』9/30発売予定! | FBにゅーぶろ
改稿されてるものの、話の内容は文庫版と一緒なのか。各レーベルとも文庫本より大きい判に力を入れはじめてるように思えるのだけど、やっぱ、そっちのほうが儲かるのかしらん? 既存のラノベも少しずつ移行するのかねー。
▽ 秋葉原で配布されて話題になった『FEATHER』の第2巻は発売予定日の7月25日に出ませんでした - Togetterまとめ
ラノベでは延期も珍しくないけど会社自体が解散してるっぽいとか、コンサルタント集団なのに、どういう事業計画……。