殺×愛


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― /風見 周

はははっ、狙いすぎだっ。滅び行く世界、典型的に斜に構えた主人公、ベタな恋愛イベントの数々。ちょっと主人公は嫌な奴だし、狙いすぎた内容は露骨過ぎる気もするんだけど、基本的には面白かったっ!! ……まあ、もうちっと自然に描写されてたら良かったんだけど(^^;。

そゆわけで、最新刊の表紙が眼鏡っ娘で気になったので、まずは、1巻から買ってみたり。突然現れた「天使」の攻撃により、滅びに向かいつつある世界で、それでも未来を夢見て日常を生きようとする少年少女の話。とにかく、あざとく狙いまくった設定&イベントの連続。狙いまくった上に、描写の問題もあって、いろいろとかなり不自然にみえるのだけど、まあ、基本的には面白いので、これはこれで善し。とりあえず、続刊にも期待だっ!!

[ 2005.12.09 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 1 ―きるらぶ ONE― /風見 周

だははははははっ。なんですか、このあざとすぎる展開の数々はっ!! そうかっ、これって、「シリアスも度を越えるとギャグになる」というのを狙った作品だと思うのだけど、とにかく爆笑、大爆笑。ほんとに面白い~~。

そゆわけで、表紙が眼鏡。<をい。や、「自分が生きているせいで滅んでゆく世界」という、一見するとシリアスっぽくも見えるのだけど、ネタの仕込み方や演出手法をきちんと読むと、どうみてもギャグ作品なのよね。なかなかニクイ作りでほんとに楽しい。狙いまくった展開の数々がとにかく爆笑で、その笑いの中に、きちんと切なさも演出しているところがナイスっ!! ほんとにもう、残り322日って、どうするつもりだよっ(笑)。

[ 2006.02.07 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 2 ―きるらぶ TWO― /風見 周

超絶敏腕眼鏡っ娘編集者って、なんだよ(爆笑)。……それはともかく、お約束を重ねてギャグにまで昇華させる内容で、非常におもしろい。いやぁもう、このままストーリーを展開させずに、おバカな展開に終始して欲しいよなぁ。

そゆわけで、お約束であざといイベントを繰り返すラブコメ、というよりギャグ小説。今回は、なんと言っても、サクヤの交換日記&プリン。さすがにそこまでやったら、あんまりにサクヤのキャラをいじりすぎだろ~~(笑)。ただ、こういう話では、ラブバトルが基本だと思うのだけど、サクヤの扱いに比べて、来夏の扱いがちと弱いのが残念。って、そもそも、ラブバトルとしては、“あの人”の影が薄すぎるのが問題なわけだけど(^^;。

[ 2006.03.04 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 3 ―きるらぶ THREE― /風見 周

来夏も微の出番も少なく、そもそもラブ分も少ないのは、いまいちとしか言いようがないっ。いや、冒頭のネタは良かったんだけどなぁ~~。

そゆわけで、滅び行く世界を舞台に、あざといシーンのやりすぎで、むしろギャグになってるのが魅力的なシリーズ4冊目。ただ今回は、ラブ分少なめでアクションシーンが多く、また、全体にあざとさが弱いために、普通のシリアスっぽい作品に近づいてしまっていて、そこは正直、残念無念。この作品の基本ラインはギャグだと思ってるんで、ただのシリアスな終末モノでは、ちょっと物足りないよなー。せめて、もちょっと、ラブ分は多くして、ラブコメとして頑張ってもらいたいところ。あと、あの人ネタは、もうちょっと引っ張るべきだったと思うぞ。まー、バレバレではあったわけだけど(^^;。

[ 2006.05.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 4 ―きるらぶ FOUR― /風見 周

いきなり普通に学園祭編。や、それでは単なる普通の学園恋愛モノだろ~~。密、サクヤ、来夏の三角関係もそれはそれで面白いのだけど、もっと極限状態のあざとさが売りじゃなかったのカーーーっ!!

そゆわけで、天使による攻撃が一時的に落ち着いた今、学園祭を開催するっ!! という話。謎の妨害があったり、クラス対抗の集客合戦があったり、その他もろもろ、どこかで見たような王道的なイベントの数々。密の気持ちの変化を露骨気味に描いてたりして、それはそれで面白いのだけど、ただやっぱり、既刊のようなギャグになるほどのあざとさがないのは、物足りないなー。まあ、ペアのダンスからクリスマスイベントにかけてのラストの描写はなかなか面白かったので、善しとするか。や、いよいよ急展開を予感させるラストだったので、次巻が非常に楽しみです。

[ 2006.06.24 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 5 ―きるらぶ FIVE― /風見 周

うわぁ~~、うわぁ~~~~。いよいよきました急展開っ!! ただでさえ、あざといイベント盛りだくさんのこのシリーズだけど、さらに、あざとさ大爆発っ!! 想いも世界も崩壊が加速する。鬱々した展開の連続で素晴らしい~~。や、これだけ一気に佳境になると、もはやなにも書けません。とにかく次巻が待ち遠しいぃ~。

[ 2006.10.22 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 6 ―きるらぶ SIX― /風見 周

うわぁ~、うわぁ~、うわぁ~~。これでもかこれでもかと痛すぎる展開の数々。めちゃくちゃえげつないぃぃぃ~~(誉め言葉)。

巻頭カラーのあのイラストに加え、“本作品の演出上318~319ページが黒く塗りつぶされております。印刷ミスではございませんのでご承知おきください”という文言から、もうもう、哀しい悲劇へ一直線なのは見え見えな上で、痛いシーンのオンパレード。それ以前に、本当はサクヤと両思いなのに恋人は来夏、という恋愛モノとしてこれ以上なく痛くどろどろな設定。とにかく痛い痛い、痛すぎるぅ~。ここまで徹底して痛く切ないシーンを連ねるのは、マジ素晴らしすぎますっ!!

ただ、あの黒く塗りつぶされたページの演出は、断りまで入れたわりには、正直、いまいちだと思うんだけど、アレは、作者の人と編集の人のどっちの発案なんだろ? トリッキーなことは、もっと考えてやるべきだと思うぞ。

[ 2007.02.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
殺×愛 7 ―きるらぶ SEVEN― /風見周

最終巻。いやぁ、満足、満足。エンドロールを含め、非常に良いエンディングでした。

絶望に打ちひしがれ運命を受け入れる決心をするヒソカ、そんなヒソカを必死に想うサクヤ。そして今、世界の終焉、カーテンコールがはじまる……。各々の滅びの日を間に挟みながら、サクヤとヒソカの最期の二ヶ月をじっくりと描くという構成。内容そのものだけでなく、この構成の巧さもあって、いやもう、涙なしには読めません。素晴らしい、素晴らしい。そして、それまでがあったからこそ映えるエンドロールが、これまた素晴らしい。シリーズのラストを飾るに相応しい、ホントにいいラストでした。ただ、途中のメタ部分はいらないと思うけど(^^;。

[ 2007.06.22 ]