プリズムの瞳


東京創元社
プリズムの瞳 /菅浩江

綺麗だけれど、嫌な話だなぁ。好きじゃない。

かつて、専門分野での活躍を期待された人型ロボット<ピイ・シリーズ>。優秀な人型だったがゆえに、人間社会から拒絶されるようになったピイの瞳に映るのは、ありのままの人間の心だった……。という感じで、感情のない人型ロボットを通して描かれる、人間の醜さとわずかな温かさを描いた作品。ピイの設定は先日読んだ『そばかすのフィギュア(→感想)』に収録されていた「カーマイン・レッド」そのままだけど、フィーも「雨の檻」のフィーと一緒なのかしらん? 綺麗ではあるんだけど、人間の醜さを強調しメッセージ性の強い作品の方向性は、まったくもって好みじゃないんだよなぁ。がっくし。

[ 2007.11.21 ]