復活の地


早川書房 ハヤカワ文庫JA
復活の地 I /小川一水

いやぁ、さすが、ストーリーへの吸引力が素晴らしいわ~~。良くも悪くも小川一水という印象で、今回は、地震再興シミュレーション。全三巻らしいので、作品としての評価は今後次第、という感じではあるんだけど。

そゆわけで、強引に惑星を統一し終えたばかりの帝国で、謀ったように普通でない地震が発生。帝都壊滅っ!! 政府崩壊っ!! 軍隊は勝手しはじめるは、他星系の人は暗躍はじめるは、そんな中、皇族で唯一生き延びたお姫様スミルと若手官僚セイオが国家再興を頑張る、という話。いや、ほんとすげ~おもしろい~~。……まあ、小川一水のシミュレーションって、いまいち精度が粗く作者に都合が良くて、私的にはちと微妙だと思ってるのだけど、そゆ部分で今作は、「そゆことになってます」という要素の使い方が、なかなか上手い感じ。あとは、今後、スミルとネリのラブラブ話がどうなるかが期待ですなぁん。<小川一水はドラマが弱いので、ちと厳しいか(^^;

[ 2004.06.17 ]


早川書房 ハヤカワ文庫JA
復活の地 II /小川一水

うーーん、小川一水は元々人間ドラマはダメなんだけど、それにしても、セイオとスミルの描写には、非常にがっくり。いくらなんでも、おざなりすぎると思うんですけど~~。

そゆわけで、大地震からの復興を描いたシリーズ第2弾。ストーリーはほんとにすげー面白い。ただまあ、小川一水らしく、やっぱり人間ドラマはいまいちで、シミュレーションとしては底が浅い感じ。あと、震災の原因やそのストーリー上の位置付けも、説得力が弱く単純だったので、ちとがっくり。……って、感想を書いてると、なんだか不満だらけになってしまう感じだけど、基本的には、非常に面白かったり。とにかくはやく、続きが読みたい~~。

[ 2004.08.14 ]


早川書房 ハヤカワ文庫JA
復活の地 III /小川一水

ラストは綺麗な大団円なんだけど、結局、セイオとスミルはアレだけかいっ!! ……はじめから全3巻で企画されていたわりには、説明も伏線も足りず、降り返って既刊を思い起こしても、この3巻を描くなら、イベントの置き方や演出が間違ってると思える部分が散見される予感。小川一水らしい面白さはあるんだけど、構成や演出を考えると、正直、出来は良くないと思うんですが。

そゆわけで、大震災からの復興を描いたシリーズ最終巻。畳み掛けるようなイベントの連続は面白くはあるんだけど、小川一水は、やっぱりイベントを並べただけ、という感じがするのと、私的には、もちっと政府内や国家間の権謀術数を期待してたのに、そこら辺が単なる予定調和な内容しか描かれず、がっくし。こういう方向なら、もっと、ハードでリアルで重い内容が読みたいんだけど、そこら辺が全くどうにも期待ハズレなんだよなー。

[ 2004.10.26 ]