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新潮社 新潮文庫
蒼路の旅人 /上橋菜穂子 -
すげー、とにかくすげー。北の大陸への侵略を画策する大国タルシュ帝国。そのタルシュ帝国に面する隣国サンガルからの救援を求められた新ヨゴ皇国では、帝とチャグム皇太子の間の亀裂が致命的になりつつあった……。という感じで、圧倒的すぎるよ、タルシュ帝国。前半、チャグムのあまりに青臭い聖人君子ぶりに反吐が出ると思いつつ読んでいたら、その青臭いとかどうという議論を一瞬で薙ぎ倒す圧倒的な暴力っ!! もう、ただただ蹂躙される一方のチャグム皇太子という展開の凄いこと凄いこと。そして、ラストに至るチャグム皇太子の決断っ!! これを引き継いで守り人シリーズの最終話『天と地の守り人』に続くのか。いやぁ、はじめは単なるファンタジーだったはずなのに、いつのまにか国家間のパワーバランスを描く壮大なストーリーになっているわけですがっ。うわぁ、スゲェ続きが読みたい。むちゃ楽しみすぎるっ!!
[ 2010.08.01 ]