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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
オカルトリック /大間九郎 -
素晴らしい素晴らしい。もともとエッジが利いて癖の強い大間九郎の新シリーズは、オカルト専門の安楽椅子探偵と女装が似合う助手の物語。ただ、探偵と助手といっても、ミステリというより個性的なキャラが魅せる西尾維新的な方向性なのよ。いやぁ、大間九郎の前作『ファンダ・メンダ・マウス』と比べて、エッジを利かせた作風のまま、格段に読みやすくなり、いい意味で流行のライトノベルっぽく間口の広い作品になったとの印象です。すっげーおもしろかったっ!!
そゆわけで、元狐憑きで1年以上前の記憶がない探偵助手の少年・玉藻と、そんな玉藻を愛しすぎてる、探偵でひきこもりな残念系美女のねえさん・葛乃葉を中心とした物語。葛乃葉といい、イソラといい、狂気に満ちてヤンデレ気味に壊れたキャラが非常に愉快。背景の設定もなかなかに病んでいて、それも素晴らしいのよ。『ファンダ・メンダ・マウス』の大間九郎としては、かなり普通に寄せてきたので、もとのコアなファンの意見は気になるけれど、個人的には、こっちのほうが、すげーおもしろかった。次回も、ラストで見せたようなイソラたんの活躍に期待していますっ!!
[ 2012.05.11 ]