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キルタイムコミュニケーション ビギニングノベルズ
極地恋愛1 /七色春日

出版社の方から献本いただきました。先月創刊された新レーベルのビギニングノベルズ、なろう系の18禁レーベルの一冊ですな。で、えっと、創刊したばかりで試行錯誤中のせいだと思うのだけど、この作品、明らかにカテゴリーエラー。ぜんぜん18禁ではないし、ライトノベルらしい要素もないのんね。ふつうに、一般文芸の単行本で出すべきだろ。これを、イラストが表紙の18禁レーベルから出すとか信じられない。

と、それはともかく、いやぁ、とにかく歪んだ人間たちのドラマが素晴らしい。内容は、無人島に流れ着いた男女のサバイバルもので、その無人島物語があまりに新味がなく、また、文章も上手いとは言えず、はじめは、良いところが皆無の駄作だと思って読み進めていたのだけど、それが中盤以降、各登場人物を、その過去の出来事を織り交ぜながら描写していく段になって、まったく印象が変わるのよ。どこか歪みつつも中身のある人々の生き様を描いた作品として、これが凄くおもしろい。特に、主人公・ヒロトの人付き合いに関する壊れっぷりが、やっぱ良いですな。そして、ヒロインたちの、それまでの人生を踏まえた上で、それぞれの生き様の描いているのも素晴らしい。ただ、この作者の作風は、ライトノベルや美少女ゲームの影響をあまり受けていない感じなのに、それにもかかわらず、ハーレム的な展開に進むのは、どういう冗談だ(笑)。

ほんと人間ドラマは素晴らしいのだけど、無人島物語としては展開がありきたりで微妙なので、今後、ストーリーが盛り上がってくると、逆に欠点が目立ってくるんじゃないかと、ちと不安。そもそも、安易な無人島設定なんて使わずに、日常社会の中での人間ドラマに仕立てたほうが、この作者の作風にはあってたんじゃないかしらん。まあ、無人島物語のほうが、キャッチーではあるんだろうけどさー。

[ 2015.03.18 ]

七色春日作品の感想