好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2015年3月


2015 3 1

昔書いた「ライトノベルの起源とその後の流れ」も、もう7年前になるので、ちょっと纏め直してみたり。ざっくりいうと、SFの影響を受けて1970年代にライトノベルが誕生、その後、アニメやRPG、美少女ゲームなどの影響を受けて、今のライトノベルになっているという話です。

ライトノベル以前 ~1960年代

少年向けの娯楽小説は、戦前から『少年世界(1895~)』『少年倶楽部(1914~)』といった雑誌で人気を博していたようです。でも、手塚治虫に代表される漫画に置き換わるように1950年代には衰退。なので、これら戦前/戦後の小説は、ライトノベルの源流のひとつではあるけれど、直接の祖先かというと、それはちょっと違いそう。

  • 1895年 少年世界創刊
  • 1914年 少年倶楽部創刊
  • 1936年 少年探偵団シリーズスタート ← 1962年まで続く戦前戦後の人気シリーズ
  • 1951年 『少年ケニヤ』連載開始
  • 1952年 漫画『鉄腕アトム』連載開始
  • 1959年 週刊少年マガジン、週刊少年サンデー創刊 ← 創刊当時は小説も掲載していたがやがて漫画中心に
  • 1963年 『鉄腕アトム』アニメ化

むしろ、ライトノベルの直接の祖先は、1960年代以降にブームを形成したSFと言えそうです。日本のSFは、1960年はじめに、小松左京、筒井康隆、眉村卓、平井和正、光瀬龍といったSF作家が相次いで登場して、1960年代後半にかけて、大きなブームとなるそうなんですが、この1960年はじめに登場するSF作家が、そのまんま、1970年代にライトノベルを支えた作家として出てきます。

ライトノベルの誕生前夜に大きな存在感を示すのが筒井康隆の『時をかける少女』で、1965年に中三コースに連載され、1972年にNHK少年ドラマシリーズでドラマ化されます。また、同じ1965年には、眉村卓の『なぞの転校生』も、中二コースに連載されていますね。これも1975年にNHK少年ドラマシリーズでドラマ化されて、さらにその後、秋元文庫、角川スニーカー文庫に収録されます。掲載紙を見ても少年/少女向けで、まさに、ライトノベルの先駆け的な作品です。

  • 1959年 SFマガジン創刊
  • 1961年 第一回「空想科学小説コンテスト」で、眉村卓、豊田有恒、小松左京、平井和正、光瀬龍らが入選
  • 1962年 第二回「空想科学小説コンテスト」で、半村良、筒井康隆らが入選
  • 1963年 日本SF作家クラブ発足
  • 1965年 『時をかける少女』『なぞの転校生』連載開始
  • 1973年 『時をかける少女』ドラマ化
  • 1975年 『なぞの転校生』ドラマ化

ライトノベルの誕生 1970年代

1970年代になると、さらに少年/少女向けの小説が増え、ついに、少年/少女向けの文庫レーベルが登場します。これら秋元文庫、コバルト文庫、ソノラマ文庫の創刊、もしくは、その少し前辺りをライトノベルの誕生とする場合が多いです。

初期には平井和正、眉村卓、光瀬龍らが活躍、やがて、新井素子、氷室冴子、高千穂遙、夢枕獏、菊地秀行、笹本祐一が登場し、これらの作家が、続く1980年代のライトノベルを牽引していくことになります。

  • 1969年 サンヤング・シリーズ創刊 ← ソノラマ文庫の前身
  • 1970年 ハヤカワ文庫創刊
  • 1971年 『超革命的中学生集団』発売 ← 『ライトノベル☆めった斬り!(大森望/三村美衣)』のいう起源
  • 1973年 秋元文庫創刊 ← 早見裕司のいう起源 (早見裕司 ジュニアの系譜)
  • 1973年 『ねらわれた学園』発売
  • 1975年 ソノラマ文庫創刊
  • 1976年 集英社文庫・コバルトシリーズ(後のコバルト文庫)創刊
  • 1977年 新井素子、氷室冴子デビュー ← コバルト文庫の方向性を確立
  • 1982年 『魔界都市』『キマイラ・吼』スタート ← ソノラマ文庫の方向性を確立

アニメーション文化の流入 1970年代後半~1980年代前半

ソノラマ文庫創刊当時から、アニメのノベライズはありましたが、今のようにライトノベルがオタクの読み物になったのは、この時代があったから。

1978年の『宇宙戦艦ヤマト』の映画化は、大量のアニメファンを生み出し、そのアニメファンをターゲットに、アニメのノベライズやライトノベルのアニメ化が盛んに行われることになります。ただ、アニメブームは、1980年代後半には急速にしぼんでいきます。

  • 1977年 アニメ『宇宙戦艦ヤマト』映画化
  • 1977年 『クラッシャージョウ』スタート
  • 1978年 アニメ雑誌『アニメージュ』『アニメック』創刊
  • 1979年 アニメ『機動戦士ガンダム』放送
  • 1979年 『機動戦士ガンダム』ノベライズ
  • 1979年 『ダーティペア』スタート
  • 1982年 徳間アニメージュ文庫創刊
  • 1982年 『銀河英雄伝説』スタート
  • 1982年 アニメ『超時空要塞マクロス』放送
  • 1983年 『超時空要塞マクロス』ノベライズ
  • 1983年 『クラッシャージョウ』アニメ化
  • 1984年 『宇宙皇子』スタート
  • 1985年 『ダーティペア』アニメ化

異世界ファンタジーの時代 1980年代後半~1990年代

1980年後半、RPGの文化がライトノベルを席巻していきます。『ロードス島戦記』と『スレイヤーズ』の登場です。それまではエロスとバイオレンスといわれていたライトノベルが、いっきに異世界ファンタジーばかりになるわけ。

当時、アニメブームが終了して空白となっていたオタクコンテンツの領域を狙って、まだ目新しかったテーブルトークRPGやコンピュータRPGを猛プッシュして、角川や富士見がブームを作り上げていったという感じです。それまでのソノラマ文庫やコバルト文庫が、文庫の方向性を確立するのに創刊から数年かけていたのに対して、特に、富士見ファンタジア文庫は、はじめからオタク向けファンタジーを狙い撃ちですからね。

『スレイヤーズ!』の売り上げのピークが1996年、異世界ファンタジーのもうひとつの代表作『魔術士オーフェン』のアニメ化が1999年なので、少なくとも1990年代後半まではライトノベル=異世界ファンタジーと言っていいような状況だったと思います。また、『スレイヤーズ!』や あかほりさとる作品の影響で、ライトノベルが“軽い”イメージになったのも、この頃のせいといってもいいんじゃないかしらん。

  • 1972年 『指輪物語』日本語版が発売
  • 1974年 アメリカでTRPG『D&D』発売
  • 1983年 ファミリーコンピュータ発売
  • 1983年 パソコンゲーム雑誌『コンプティーク』創刊 ← のちに『ロードス』『聖エルザ』を掲載
  • 1986年 『D&D』のリプレイとして『ロードス島戦記』掲載
  • 1987年 ゲーム『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』発売
  • 1988年 富士見ファンタジア文庫、角川スニーカー文庫創刊
  • 1988年 小説版『ロードス島戦記』スタート
  • 1988年 『聖エルザクルセイダーズ』スタート
  • 1988年 『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』スタート
  • 1988年 前田珠子、1989年 若木未生デビュー ← コバルト文庫がファンタジー路線へ
  • 1989年 『無責任艦長タイラー』『フォーチュン・クエスト』スタート
  • 1990年 『スレイヤーズ!』スタート
  • 1992年 『十二国記』スタート
  • 1992年 『<卵王子>カイルロッドの苦難』スタート
  • 1993年 電撃文庫創刊
  • 1993年 『爆れつハンター』『MAZE☆爆熱時空』スタート
  • 1993年 『ヤマモト・ヨーコ』スタート
  • 1994年 『魔術士オーフェン』スタート
  • 1995年 『スレイヤーズ!』アニメ化
  • 1999年 『魔術士オーフェン』アニメ化

異世界ファンタジーから学園が舞台の萌え小説へ 1990年代後半~2000年代前半

1998年に、『ブギポ』『フルメタ』『マリみて』と、次の時代をリードする作品が出てきます。異世界ファンタジーの時代にも『聖エルザ』とか『タイラー』とか『ヤマモト・ヨーコ』とか非異世界ファンタジーの名作はあったんですが、ライトノベル=異世界ファンタジーのイメージが変わるには、これらの作品の登場し人気を獲得するのを待つ必要がありました。

また、2000年以降、Leaf、Keyの作品を中心とした美少女ゲームの影響もでてくるようになります。「萌え」をネタにした『天国に涙はいらない』が2001年、Keyの影響が見て取れる『インフィニティ・ゼロ』が出たのが2002年。2004年には、美少女ゲーム出身のヤマグチノボルの『ゼロの使い魔』が登場。同じく美少女ゲーム出身の竹宮ゆゆこの『わたしたちの田村くん』も2004年か。この『ゼロの使い魔』以降、美少女ゲーム出身の作家も増え、ライトノベルの萌え化が顕著になります。

  • 1996年 ゲーム『雫』『痕』発売
  • 1997年 ゲーム『To Heart』発売
  • 1998年 『ブギーポップは笑わない』『マリア様がみてる』『フルメタル・パニック!』スタート
  • 2000年 『ブギーポップは笑わない』アニメ化
  • 1999年 ゲーム『Kanon』発売
  • 2000年 ゲーム『AIR』発売
  • 2000年 『キノの旅』スタート
  • 2001年 『天国に涙はいらない』『イリヤの空、UFOの夏』スタート ← この頃から美少女ゲームの影響が出てくる
  • 2002年 『インフィニティ・ゼロ』『灼眼のシャナ』『戯言シリーズ』スタート
  • 2002年 『フルメタル・パニック!』アニメ化
  • 2004年 『ゼロの使い魔』『わたしたちの田村くん』スタート ← 美少女ゲーム出身の作家もラノベに参入してくる
  • 2004年 『マリア様がみてる』アニメ化

バブル化していくライトノベル人気 2000年代

1990年代までは、実は、そんなに話題になることのなかったライトノベルが、2000年代中ごろの評論本ブームで一般にも注目されるようになり、その結果、ライトノベルバブルのようなアニメ化ラッシュが起きて今もそのまま続いています。

や、うちのブログは1995年からやってますが、1990年代、インターネット上にライトノベルのコミュニティなんてのはなかったんですよ。そもそも、「ライトノベル」という呼び方も定着していなくて、それでも困らなかったぐらいに誰もライトノベルなんかに注目してなかったのよね。

それが変わってくるのが2000年ぐらい。『ブギポ』をはじめとして電撃文庫周辺で語られる作品が増えてきて、で、ここら辺の小説に名前がないと語りづらいということで、元々パソコン通信のニフティサーブローカルで使われていた「ライトノベル」という呼び名で呼ぶようになったという流れです。たぶん、そんな感じだった。

で、「ライトノベル」という名前がつくことで注目が集まり、2004年になると相次いでライトノベル評論本が発売され、さらに、2005年辺りから大量にアニメ化されていきます。「ラノベのTVアニメ化 - Matsuの日記」を見ると、二期を除いて、2004年が2本 → 2005年が6本 → 2006年が17本。劇的にアニメ化の本数が増えています。この大量にアニメ化された中に、2005年の『シャナ』、2006年の『ハルヒ』『ゼロ魔』があり、こられの成功によって、今でもライトノベルが大量にアニメ化される状況が続いています。ほんと、『ハルヒ』はヒットは凄まじかった。

  • 1990年 ニフティ上で“ライトノベル”という言葉が生まれる (神北情報局: 名付け親だぞ)
  • 2000年 2ちゃんねるに「ライトノベル・雑誌・エンターティメント板」が開設
  • 2001年 第一回ティーンズノベル・フェスティバル開催 ← 今でも続いているライトノベルファンイベント
  • 2002年 「ティーンズノベル・フェスティバル」が「ライトノベル・フェスティバル」に名称変更
  • 2003年 『涼宮ハルヒの憂鬱』スタート
  • 2004年 『とある魔術の禁書目録』スタート
  • 2004年 ネット有志によるWebイベント『このライトノベルがすごい!(のちにライトノベル・ファンパーティに改名)』開催
  • 2004年 『ライトノベル完全読本』『ライトノベル☆めった斬り!』『このライトノベルがすごい!』発売 ←ライトノベル評論本ブーム
  • 2005年 『灼眼のシャナ』アニメ化
  • 2006年 『とらドラ!』『狼と香辛料』『“文学少女”シリーズ』スタート
  • 2006年 『涼宮ハルヒの憂鬱』『ゼロの使い魔』アニメ化 ← この年から多量にラノベのアニメ化が行われる
  • 2008年 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』スタート
  • 2008年 『とある魔術の禁書目録』『狼と香辛料』『とらドラ!』アニメ化
  • 2009年 『ロウきゅーぶ!』『僕は友達が少ない』『這いよれ! ニャル子さん』『織田信奈の野望』スタート
  • 2010年 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』“文学少女”シリーズ、アニメ化
  • 2011年 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『のうりん』スタート
  • 2011年 『僕は友達が少ない』『ロウきゅーぶ!』アニメ化
  • 2012年 『ノーゲーム・ノーライフ』スタート
  • 2012年 『這いよれ! ニャル子さん』『織田信奈の野望』アニメ化
  • 2013年 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『ノーゲーム・ノーライフ』アニメ化
  • 2014年 『のうりん』アニメ化

そして、今。ネット小説の流入とライトノベルの浸透と拡散

そして、ライトノベルに関する最近の大きな流行は、大きく二つ。なろう系に代表されるネット小説の流入と、メディアワークス文庫や新潮文庫Nexに代表されるライトノベルの浸透と拡散でしょう。

ネット小説の書籍化は、古くは『福音の少年』とかがありますが、注目されるようになったのは、『ソードアート・オンライン』『まおゆう魔王勇者』『魔法科高校の劣等生』が出てくる2010年ぐらいからでしょうか。2012年のヒーロー文庫創刊から、いわゆる“なろう系レーベル”も増えて、最近では、かなり目立つようになった印象です。あと、なろう系の影響があるのかないのか、2000年代に比べると、多少、ファンタジーが復権して、「萌え」も控えめになっているような、なってないような。

ライトノベルの拡散については、先の評論本ブームなどでライトノベルが一般に認知された結果、2005年ぐらいから桜庭一樹、米澤穂信、有川浩といった作家がライトノベルを越境して行き、そして、2008年の桜庭一樹の直木賞受賞がかなり大きな事件でした。ただ、翌2009年にメディアワークス文庫が創刊されたものの、その後に続くレーベルはすぐには現れず、『ビブリア古書堂の事件手帖』『珈琲店タレーランの事件簿』がヒットして、やっと、富士見L文庫、新潮文庫Nexが昨年2014年に追随してきます。

  • 2002年 『ソードアート・オンライン』ネット連載スタート
  • 2003年 『福音の少年』発売 ← 元は『エヴァ』二次創作のネット小説
  • 2003年 『失はれる物語』発売 ← 乙一のライトノベル作品を一般向けに再収録
  • 2004年 小説投稿サイト「小説家になろう」開設
  • 2004年 『さよなら妖精』発売 ← 米澤穂信の一般向け作品
  • 2005年 『少女には向かない職業』発売 ← 桜庭一樹の一般向け作品
  • 2006年 『図書館戦争』発売 ← 有川浩の一般向け小説
  • 2008年 『魔法科高校の劣等生』ネット連載スタート
  • 2008年 桜庭一樹が『私の男』で直木賞受賞
  • 2008年 『迷宮街クロニクル』発売
  • 2009年 『ソードアート・オンライン』電撃文庫化
  • 2009年 メディアワークス文庫創刊 ← ライトノベル的な高年齢向けレーベルの創刊
  • 2009年 『まおゆう魔王勇者』2ちゃんねるで発表
  • 2010年 『まおゆう魔王勇者』書籍発売
  • 2011年 『魔法科高校の劣等生』電撃文庫化スタート
  • 2011年 『ビブリア古書堂の事件手帖』スタート
  • 2012年 『珈琲店タレーランの事件簿』スタート
  • 2012年 ヒーロー文庫創刊 ← なろう系レーベルの創刊
  • 2012年 『ソードアート・オンライン』アニメ化
  • 2013年 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』GA文庫化スタート
  • 2013年 MFブックス創刊
  • 2014年 富士見L文庫、新潮文庫Nex、モンスター文庫創刊
  • 2014年 『魔法科高校の劣等生』アニメ化

[ ライトノベルの起源とその後の流れ(2015年版) ]


2015 3 3

メディアファクトリー MF文庫J
キャットテイル・アウトプット! 3 /神野オキナ

やっぱ、こっちのほうが犠牲者というか、被害が半端ないな。割と無残に血が流れる印象。そして、うわぁぁぁ、ラストのメルウィンの決意が痺れるぅぅぅ~~。

そゆわけで、『あそびにいくヨ!』の番外編で、副長メルウィンがお嬢様学校に身分を隠して留学するシリーズの第三巻。ジャン・ジャック・マーやデルヴァンガーもなかなか手を出してこないし、今回は、のん気に温泉回か? 温泉回か? と思ったら、やっぱり違って、後半がすげぇ。今回は、ジャン・ジャック・マー側の攻撃回という感じなんだろうけど、人が虫けらのように倒れまくりで、容赦ない。……そして、いよいよ次回は、最終回らしく、本気のメルウィン、キャーティア側の手番で、本編『あそびにいくヨ!』でも、こういう本気のキャーティアの闘いはなかったと思うので、続きがすげー楽しみだっ!! いやぁ、メルウィンの決意がホント凄いっ!!

[ キャットテイル・アウトプット! ]


ぽかいもの。月末月初のファミ通文庫、スニーカー文庫。
  • [文庫] 覇剣の皇姫アルティーナVIII /むらさきゆきや (→Amazon)
  • [文庫] 俺の教室にハルヒはいない(4) /新井輝 (→Amazon)
ぐごごごご、『俺の教室にハルヒはいない』は特に終わるような感じではなかったと思うのだけど、4巻で完結なのか……。

2015 3 5

メディアファクトリー MF文庫J
キャットテイル・アウトプット! 4 /神野オキナ

「売られた喧嘩を、買います」ということで、本気になったキャーティアが見られるかと思ったのだけど、期待と比べて、うーん、物足りなかったかなぁん

そゆわけで、『あそびにいくヨ!』番外編の本シリーズも、いよいよ最終巻。や、俺THUEEEEEEE的な爽快感を期待していたのだけど、それほどキャーティアが圧倒するわけでなく、また、大ピンチからの大逆転劇というには、そこまでジャン・ジャック・マーが強いわけではなく、正直、微妙。パワーアップしてからの最終決戦というのはオーソドックスではあるのだけど、そもそも、勝利が確定しているのに、中途半端にキャーティア側に制限かけて接戦に見せかけるような展開は面白くないよなー。もうちょっとなんとかならなかったのかしらん。……メルウィンと綴の恋愛方面でのオチのつけ方は、悪くないのだけど。

[ キャットテイル・アウトプット! ]


9刷25万部突破!帯を変えて売れ行きが10倍に!ラノベ作家から生まれた「新進気鋭の恋愛小説家」|株式会社 宝島社のプレスリリース
売り上げ推移のグラフが、口コミスパイラルの成功の典型みたいに伸びていて凄いな。売り上げ増には帯以外の要素もありそうだけど、もっと詳細分析の結果を見てみたい。

『ビブリア古書堂の事件手帖』に続く大ヒット作は出るか? いま「キャラクター文芸」がアツい | ダ・ヴィンチニュース
「キャラクター文芸」「ライト文芸」「キャラノベ」「ライトノベル」。どう呼べばいいか、迷うんだよなぁ。定義らしい定義がないので、結局、定着しないような気がするけど。

しかし、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする 』といい『珈琲店タレーランの事件簿』といい、宝島文庫は、わりとこの分野で頑張ってる感じなのだけど、宝島社のライトノベルレーベルであるこのラノ文庫のほうは、いまいちパッとしてないような(^^;。

【新文化】 - 連載 第24回 - 衝撃ネット小説のいま
“表紙だけ見るとライトノベル文庫と読者が近いように見えるかもしれませんが、一緒に買われている本はむしろ国内文芸などの一般書でした”だと……。“男性向けネット小説は20代~40代前半、アルファポリスなどが刊行する女性向けは20代~40代の女性に支持されている”というのも、ライトノベルや上のキャラクター文芸と比べるとどう違うんだろ。


2015 3 8

メディアファクトリー MF文庫J
あそびにいくヨ! 18 ~こねこたちのびっぐ・じゃーにぃ~ /神野オキナ

がっかりだよっ!!<をい ……いや、発情期を迎えたエリスといよいよ、という話で、そういうシーンはないんだろうなとは思っていたけれどっ、やっぱり、がっかり感が否めないなぁ(^^;。

キャーティアと各国政府との調整はほぼ山を越え、あとは、宇宙に戻るエリスとの関係をどうするか、という話にフォーカスが移っていたのだけど、残り二冊を残したこのタイミングで、そこまで事が進むとは、ちょっとビックリ。やっぱり、騎央、エリス、アオイ、真奈美、あの四人の関係性はいいよなぁ。そして、時系列的に、そういう形で、『キャットテイル・アウトプット』と絡んでくるのか。終盤の展開は、いよいよラストエピソードへの序章なんだろうけれど、今になってどうするんだろ。とにもかくにも、残り二巻か。

[ あそびにいくヨ! ]


[Game]『艦これ』。やっと、ろーちゃんに改造したのだけど、なんだこれ、変わりすぎだろ(爆笑)。そして、菱餅は、まだ8コ。

Colorful Pieces of Game::PCエンジンの倫理規定
おもしろい。もともとNECらしくパソコン準拠で倫理規定はなかったのが、1989年に出た脱衣麻雀『麻雀学園 東間宗四郎登場』の登場であわてて緩い規定を作った、ということか。……しかし、PCエンジンって、1980年代、そんなに古いゲーム機だっったっけ(汗;。

「活字離れ」論に最終決着?--電子書籍を含めれば「不読率」は激減している - CNET Japan
データをちゃんと見ると、電子書籍に移っているだけで、読書している全体の比率は、むしろ上昇しているという話。電車乗っていても、まわりみんなスマホいじっているし、そりゃそうか。


2015 3 9

メディアファクトリー MF文庫J
あそびにいくヨ! 19 ~とりのひとふたたび~ /神野オキナ

いよいよラストエピソードなのだけど、うーん、いまいちだ。

ここで、とりのひとが再登場。敵味方、オールキャスト登場&キャーティア最大のピンチという、いかにもオーソドックスなラストエピソードなのだけど、うーん、『あそびにいくヨ!』で、いまさらこの展開をするか? や、途中から、さほどストーリーのない、まったりした展開で進めていた作品なんだから、無理にラストで盛り上げなくてもなー。美陸先輩のエピソードも、決着させたかったのはわかるのだけど、なんだか中途半端で、それなら描かなかったほうがよかったような。

素直に、騎央、エリス、アオイ、真奈美の四人に焦点を当ててストーリーを描いてくれればよかったものの、『あそびにいくヨ!』のラストとしては、この展開は失敗じゃないか? なにはともあれ、次で最終巻なんだけど……。

[ あそびにいくヨ! ]


[Game]『艦これ』。菱餅は9コ。あとひとつ……。

ライトノベル業界のお約束/流れの早さについて - Togetterまとめ
榊一郎はじめとしたラノベ作家によるラノベ語りなのだけど、興味深い。ラノベ特有のお約束を押さえないとまともなラノベ作品にならず、しかも、そのお約束は移り変わりが早い。Web小説は、さらにその流れが早い、という感じか。ネット時代になってから、オタク特有の「お約束」は、特に、進化が早くなった印象だなぁん。

ゲームのオッパイはどう作られ、なぜ非現実的な揺れ方をするのか? | コタク・ジャパン
確かに、すべては不知火舞からはじまったか。当時、よくゲーセンに行って、『餓狼伝説2』は不知火舞を使っていたなぁ。なにもかも懐かしい。


2015 3 10

メディアファクトリー MF文庫J
あそびにいくヨ! 20 ~そしてこねこはあそびにいくよ?~ /神野オキナ

えっと、ラストは『ドラえもん』だっけ!?<をい や、なにはともあれ、大団円。

バルンムウ艦隊の地球強襲、そして、キャーティアシップ轟沈!? という感じで、キャーティアが最大の危機を迎えた最終巻。うーん、もっと危機的状況に陥ってからの逆転劇になるかと思ったよ(^^;。なんだか、ニルメアを出し抜いた方法もすっきりせず、マーの攻撃も間が抜けていて、正直、中途半端な感じが否めないかなぁ。いや、確かに、最終巻らしく、手に汗握る燃える展開ではあるのだけど……。19巻20巻はいかにも定番のラストといった展開ではあるのだけど、だからこそ、無理矢理とって付けたような感じがしてしまうのが。やっぱり、18巻までで、一通り、物語上の決着を付けてしまって、そこから、エンディングのために、そこまでの流れを変えて燃える展開に突入するというのは、ストーリー構成としては、失敗だったんじゃないかなー。少なくても、ちょっと不満が残っちゃうよね。

そういえば、ラストのほうで、「イコライザー」が出ていた気がするのだけど、やっぱり、ダッシュエックス文庫の新シリーズがらみかしらん。

[ あそびにいくヨ! ]


新サービス「大チェッカー」をはてラボにリリースしました - Hatelabo Developer Blog
はてなブックマークは「RSSリーダー」の開発に取り組んでいきます - はてなブックマーク開発ブログ
RSSは滅び行く文化かと思っていたのだけど、将来性あるのかしらん。「ライトノベルあんてな」でリンクをはるのに見て回っていると、RSSを用意していないorメンテナンスしていないブログが増えている印象なんだけどなー。……mizunotoriさんがさっそく、「ライトノベルブログのアンテナのタイムライン - 大チェッカー」を作られているけど、みんなでブログを追加したりしてメンテしていけば幸せになるのかしらんかしらん。


2015 3 12

エンターブレイン ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナVIII /むらさきゆきや

アルティーナの、恋に気づいていない初心な恋心がたまらないっすな。今回は、レジスが王都に召還されて浮気していく展開なのだけど<をい、浮気を知った姫様の反応が、今から楽しみで楽しみでしかたないですよっ!!

前回の急な皇帝崩御で、まだ支持を固められていないアルティーナは、目指していた皇帝即位がほぼ不可能に……、という展開。落ち込むアルティーナと、それを励ますレジスのやり取りが、たまらないですなっ。ただ、新皇帝が即位するとそれまでの皇帝候補は皇位継承権を失う、という設定はさすがに無理があると思うぞ(^^;。まだラトレイユには跡継ぎがいないのだけど、もし、ラトレイユが死んでしまったら、ラトレイユの弟妹が皇帝にならずに、誰が皇帝になるの?という話ですよ。その設定をやるんだったら、長子相続を基本とするのでなく、星界シリーズのように複数の王家が競い合っているとか、もうちょっと相続の設定を作りこんでいないとツライ。落ち込むアルティーナは素晴らしいのだけど、かなり無理があるよねー。

それはともかく、レジスの浮気がどれだけ続くか、アルティーナの反応を想像すると楽しみで仕方ないのだけど、それに加えて、バスティアンとエリーゼも、いよいよストーリーに絡んできそうな展開なので、ほんと、続きが楽しみすぎる。あとは、侵攻を止められてしまったハイブリタニアは、どう逆襲してくるのかしら。ほんと楽しみすぎるっ!!

[ 覇剣の皇姫アルティーナ ]


[Game]『艦これ』は、菱餅をどうにか10コ回収完了。

ぽかいもの。電撃文庫新刊。
  • [文庫] 新約 とある魔術の禁書目録(12) /鎌池和馬 (→Amazon)
  • [文庫] ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVII /宇野朴人 (→Amazon)
『天鏡のアルデラミン』は第一部完なのか。打ち切りではなく、ちゃんと第二部もあるみたいだけど。

ヨドバシ、電子書籍ストアに参入 自主出版サービスも - ITmedia ニュース
電子書籍も林立してくると、フォーマット統一してそれぞれのアプリで相互に乗り換えられるようにして欲しいなぁん。

落第騎士の英雄譚 アニメプロジェクト進行中!!
「落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)」アニメプロジェクト進行中!! (GA文庫ブログ)
『落第騎士の英雄譚』がアニメ化。読んでない……。


2015 3 16

アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVII /宇野朴人

うわぁ、初っ端からあからさまなフラグで、マジか? 本当か? と思っていたら、マジそうきたかー。そこは凄く思い切ったと思うけれど、でも、このストーリー展開、出来が酷すぎじゃね?

いや、イグセム派、レミオン派、旭日連隊の三つ巴の戦いの中、いよいよ、他に先んじたイクタが、皇帝の身柄を確保し、佞臣トリスナイに対峙するという展開だったわけですが、今まで大活躍していたイクタが、トリスナイと会ってからいきなり無能になり下がるんですが、どういうことなんですかね? トリスナイの策略になんも手も打たず、しかも、何故かイグセム派とガチの戦闘に突き進むとか、今までのイクタだったら、この采配は、ありえないと思うんですが。うーん、トリスナイが優秀でイクタの打つ手をことごとく上回った結果、ああいう結末に至るならわかるんですが、トリスナイもちょっとした切り札を持ってるだけの小物にすぎず、しかも、トリスナイだけでなく、イグセム派に対しても、いくつも打つ手があるような状況なのに、イクタってば、場当たり的な対応以外、不自然なほどに、何もしないのよな。ありえないわー。もとから想定の展開だったのかもしれないけれど、正直、プロットの作り込みが、ぜんぜん足りてないんじゃないですかね?

ええっと、ここで、第二部に続くわけなんですけど、今回、無駄に使ったヤトリのイベント以上のことを、第二部でできるとは思えないのだけど、どうするんですかね。ここで、終わっといたほうがよかったんじゃない? かなり好きだったシリーズの、本来であれば、とっておきのイベントだったのに、こんなに出来の悪い展開の中で消化されてしまって、もう、がっかり感が半端ないですわ。

[ 天鏡のアルデラミン ]


【新レーベル創刊決定!】オーバーラップ×小説家になろうのタッグでおくる3大プロジェクト、ついに解禁です! | オーバーラップ文庫|広報室
オーバーラップ文庫|オーバーラップ文庫×小説家になろう
オーバーラップ文庫が、なろう系の「オーバーラップノベルス」を創刊。文庫でなくてノベルス? 他のなろう系同様、対象年齢高め=購買力高めなので、値段を高めに設定可能なノベルスで出版ということなのかしらん。


2015 3 18

キルタイムコミュニケーション ビギニングノベルズ
極地恋愛1 /七色春日

出版社の方から献本いただきました。先月創刊された新レーベルのビギニングノベルズ、なろう系の18禁レーベルの一冊ですな。で、えっと、創刊したばかりで試行錯誤中のせいだと思うのだけど、この作品、明らかにカテゴリーエラー。ぜんぜん18禁ではないし、ライトノベルらしい要素もないのんね。ふつうに、一般文芸の単行本で出すべきだろ。これを、イラストが表紙の18禁レーベルから出すとか信じられない。

と、それはともかく、いやぁ、とにかく歪んだ人間たちのドラマが素晴らしい。内容は、無人島に流れ着いた男女のサバイバルもので、その無人島物語があまりに新味がなく、また、文章も上手いとは言えず、はじめは、良いところが皆無の駄作だと思って読み進めていたのだけど、それが中盤以降、各登場人物を、その過去の出来事を織り交ぜながら描写していく段になって、まったく印象が変わるのよ。どこか歪みつつも中身のある人々の生き様を描いた作品として、これが凄くおもしろい。特に、主人公・ヒロトの人付き合いに関する壊れっぷりが、やっぱ良いですな。そして、ヒロインたちの、それまでの人生を踏まえた上で、それぞれの生き様の描いているのも素晴らしい。ただ、この作者の作風は、ライトノベルや美少女ゲームの影響をあまり受けていない感じなのに、それにもかかわらず、ハーレム的な展開に進むのは、どういう冗談だ(笑)。

ほんと人間ドラマは素晴らしいのだけど、無人島物語としては展開がありきたりで微妙なので、今後、ストーリーが盛り上がってくると、逆に欠点が目立ってくるんじゃないかと、ちと不安。そもそも、安易な無人島設定なんて使わずに、日常社会の中での人間ドラマに仕立てたほうが、この作者の作風にはあってたんじゃないかしらん。まあ、無人島物語のほうが、キャッチーではあるんだろうけどさー。

[ 極地恋愛 ]


2015 3 22

角川書店 スニーカー文庫
俺の教室にハルヒはいない4 /新井輝

シリーズ完結。満点のラストだと思うけれど、いまひとつ物足りなさを感じるのは、やっぱ終わるのが早かったせいかしらん。もう少し続いてほしかったなぁ……。

声優デビューしたカスガと行き違いを起こしてしまうユウ。そんな中、ユウは、学級委員の麻布さんから放課後の教室に呼び出され……。と、タイトルだけでなく、ちゃんと『涼宮ハルヒ』が、物語のキーとして絡んできた(笑)。いや、『涼宮ハルヒ』の内容を踏まえてエンディングへ向かう道程は綺麗でうまいなぁ。ユウが変わるきっかけとしての『涼宮ハルヒ』の物語。やっぱそこは、もうちょっと時間をかけて変わっていくユウと周囲の人間関係を描いてほしかったとは思うけれど。……やはり、新井輝のどこか冷めたようで雰囲気のある筆致と恋愛模様は好きで、ここで終わってしまうのは、ほんとにもったいない。はやく次回作も読めるようになるといいなぁ。

[ 俺の教室にハルヒはいない ]


[TVA]『四月は君の嘘』の最終話。ひたすら繰り返して見直してるけど、ほんと泣ける(T-T)。そういうラストを描くのもありだとは思ったけれど、まさかマジにそうくるか。綺麗で感動的なんだけどね。ラストシーンの公生と椿も悲しいまま終わらないのところがいいよなぁ。一話から見ると、所々に幼いかをりがいて、それがまた泣ける。素晴らしい作品でした……。

2,000冊のラノベを無料配布するイベントが21日に実施 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!
『長編SF小説「FEATHER ~世界は、ひとつじゃない。~ 第一巻」の無料配布イベント』の様子とその反応 - Togetterまとめ
私も貰ってきました。基本的にはワナビの自費出版の無料配布なのかしらん。でも、本を出すために、仲間を巻き込んで会社を設立して大きなイベントを開催するというのは、その行動力だけで凄いよなぁ。自分の考えた物語を世に出すのはオタクの憧れのひとつだと思うけれど、手段はともかくそれを形にしているわけで、眩しい。……ビジネスとして成立させるんだったら、自身はプロデュースに専念して、執筆は有名作家を連れてくるべきだと思うのだけど、それほど自信があるのかしらん。アラフォーだったら今まで多くの作品に触れてきているわけで、普通だったら、そこまで夢見ないと思うのだけど。

りぼん付録の歴史が1冊に!60周年記念した「りぼんの付録 全部カタログ」 - コミックナタリー
りぼんの付録が全部載ってるカタログ……。マジかっ!!


2015 3 23

ブループレス
FEATHER 世界は、ひとつじゃない。(1) /七村謙

週末に秋葉原で配っていた SF小説だけど、これは凄いな。えっと、どういう経営判断で、あそこまで金をかけてイベントをすることにしたんだろ?

完全に素人の文章で、小説としての価値はないかなー。えっと、一文一文が冗長で意味がとりにくい。文章レベルで整合性が取れてない。ろくにキャラの描写が出来てなくて誰が誰だか判別つかないくせに、人数だけは無駄に多い。登場人物たちは天才なのだけど、どのぐらい頭がいいのかわからない。というより、困ったときは親頼りで、せっかくの天才設定が生かせてないし、それじゃストーリー的にもダメダメだろ。あと、シーンの取捨選択やシーン毎の描写の密度もコントロールできてない。情報の提示のタイミングや、ストーリー構成そのものも雑すぎる。なんとなく書いたようなシーンばかり続いていて、まともにプロットも作ってないんじゃない? 効果的なシーンの配置とか、まったく考えてないんだろ。いや、そもそも、書きたいことと書くべきものの整理が、まったくできていないんだ。

とりあえず、役割分担見直して、キャラを削るべきだよねぇ。ストーリーも、企業経営、タイムマシンの研究と、時警察のあれこれが平行して進むのだけど、この1巻で全部書く必要あるの? というより、企業経営の話とか必要なの? きちんとシーンを取捨選択した上で、効果的にわかりやすく並べ直して、って、これ、ふつうに全ボツでプロットからやり直すべきだよね。それでなくても、文章そのものも駄目なので、すべて書き直すべきだと思う。あとがきにある通り「6人から7人の視点を時系列に沿って切り替えながら」ストーリーが進行するのだけど、キャラが誰かもわからないレベルの文章で、まったく考えなく無意味にシーンを並べているだけなんですよ。もうそれだけで、どんだけ酷いことになっているか、わかっていただけると思う。

そもそも、ジョン・タイター をベースにしてるんだけど、ベースが借り物って、処女作ですでにアイデアが枯渇しているのか!? アニメ化検討中といいつつ見栄えのするようなシーンもないし、これ全9巻ってマジですか? いやー、タレントも所属してるようなプロジェクトチームで作っているのに、何故、読み手をスタッフに入れなかったんだ? 誰が読んだって、この小説が駄目なことはわかるだろうに。次も出すなら、せめて本を読める人、できれば編集者とライターは雇うべきだと思う。

[ FEATHER ]


アニメ シンデレラガールズ10話の移動経路を地図に落としてみる試み:たぶんab.のブロマガという名の何か - ブロマガ
10話背景を詳細に特定していて凄い。や、今期のアニメでは『デレマス』の出来がダントツだと思うのだけど、ほんと、細かいところまで丁寧に作っている風で凄いな。

TVアニメ『六花の勇者』公式サイト
アニメ版『六花の勇者』の公式サイト。放送は今夏か。


2015 3 24

ソフトバンククリエイティブ GA文庫
のうりん10 /白鳥士郎

とにかく、久保田さんがカッコよすぎるっっっっ!! あと、金上が、やっぱり、いちばん可愛いんじゃないですかねっ!!

というわけで、ベッキーの結婚ネタはともかく、今回は、農業高校の就職がテーマ。なんか『ボトムズ』ネタが目立つのだけど、『ボトムズ』って、TV放送が1983年だよね。ちゃんとネタについて来れるのって、ベッキーより上の世代だと思うのだけど、その『ボトムズ』ネタをかました上で、ベッキー世代に各職場の事情を語らせるとか、どーゆー世代をターゲットにしてるんだ!? いや、40代になって、就職に悩む10代の話を読まされるのは、わりとツライと思うぞ(^^;。

それはともかく、いきなりシリアスな農業問題を織り交ぜてくるのは、相変わらずさすがだ。研修生制度なー。外国人研修生だけでなく、日本人の研修生でも、いろいろ黒い報道があったと思うのだけど、そこまでは拾ってないか、さすがに生々しいし。どちらにしても、農業研修は闇すぎるよな。まあ、農業関連の就職先ということで言えば、大学の農学部だったら、わりと農業分野の求人があったと思うのだけど、そちらの選択肢はないのかしらん。や、企業や国の研究機関が主だったと思うので、マジもんの農家にはなれないけれどなー。

[ のうりん ]


電撃 - 『艦これ改』は2015年8月27日に抜錨! 豪華特典を同梱した限定版も同時発売
今春発売と言われていたVita版の『艦これ』は、8月27日発売に決定か。

「小説家になろう」の異世界ファンタジーの源流は『ゼロの使い魔』? - Togetterまとめ
『ゼロ魔』の二次創作SSの書き手から、なろう系の異世界ファンタジーに流れた人が多いのか。てか、『ゼロ魔』の二次創作SSが盛んだったこと自体知らなかった。<をい。……学生時代にスレイヤーズを読んでいた世代がなろう系を支えているという言説もよく見かけるような気がするのだけど、その話にもなにか根拠があるのかしらん。


2015 3 26

小学館 ガガガ文庫
妹さえいればいい。 /平坂読

『このライトノベルがすごい!』ネタがあったので、思わず、過去のランキングを見直してみたけど、一応、2012年に『僕は友達が少ない』は6位になってるのんね。……てっきり、ベスト10内に入っていないのかと思ったよ。<をい

そゆわけで、平坂読の新シリーズ。平坂読の人気作『ラノベ部』『はがない』とやってることは一緒で、キャラを入れ替えただけ。平坂読って、わりと斬新なことが好きだし、初のガガガ文庫だし、この新作では新境地を目指すのかと思ったのだけど、結局、同じ作風で行くのか。主人公は大学を中退したラノベ作家なので、『ラノベ部』や『はがない』に比べて、多少、キャラの年齢は高め。ラノベ作家だけでなく編集や絵師も登場して、ラノベに関する業界ネタを盛り込んでる部分は楽しいけれど、『はがない』に比べるとインパクトは弱めかなぁん。ただ、この1巻はキャラ紹介的な部分も強いので、実際、どういう風に話を転がしていくかは、まだまだ見えないところが多いけど。……まあ、平坂読の手馴れた作風なのでおもしろいのは確実で、カントクのイラストも素晴らしい。特に、千尋をどう扱っていくのか、続きが楽しみだ。

[ 妹さえいればいい。 ]


[TVA]『艦これ』最終話。結局、シリーズ通して、シリーズ構成と演出が酷かったいう理解でよろしいでしょうか。お気に入りの艦娘が動いているだけで楽しめる部分はあるのだけど、よかったのは本当にそれだけで、シナリオも演出もキャラの扱いも雑なんだよなぁ。そして、続編決定がわけわからんっ!!

なろうに対する所感(一部修正)|鷹山誠一の活動報告
修正前の魚拓は こちら。“なろうにあらずんばラノベにあらず”“なろうを経由しないと売れない時代”。分析の妥当性はともかく、プロの作家の肌感覚として、編集部の選考には価値がなく、「なろう」のランキングで上位に入ったほうが売れる、という指摘は、興味深い。「なろう」の人気がすべてだったら、編集部はいらなくなるなっ。

「なろう小説」らしくない「なろう小説」、遂に書籍化した「リーングラードの学び舎より」を全力でオススメする - 平和の温故知新@はてな
帰ってきた平和さん ~『リーングラードの学び舎より』を全力でオススメする、の巻~ #OVL文庫 - Togetterまとめ
そして、「なろう」での人気がいまひとつでも、書籍化する編集あらわる。

「小説家になろう」に投稿している商業作家さん一覧 - 敷居の先住民
商業作家として活躍しているのに、「なろう」に投稿している作家はわりと多い、という話。

静かにそして徐々に紙の雑誌の「死」が近づいている(山田順) - 個人 - Yahoo!ニュース
近年売り上げが落ちていた雑誌をコミックスの売り上げで穴を埋めていたのに、そのコミックスの売り上げも失速。電子書籍は増えているけど、出版社はうまく金にできていないので、そのうち出版社は消えてなくなるという話。だから、角川はドワンゴと合併したり、書店や出版社は連合して電子書籍をはじめたりしてるわけで、まあ、いまだになんの手も打っていないようなところがあれば、消えるのは当然じゃないかな。


2015 3 30

小学館 ガガガ文庫
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5 /渡航

いろはすこと一色いろは回。いろはすも、雪乃、結衣、八幡の三角関係に入ってきそうな雰囲気だったけれど、さすがにそれはないのかしらん。なんやかんやで、いろはすは可愛くて憎めないし、そして、八幡はホント優秀だなぁ。そして、相変わらず、材木座の扱いが酷い(笑)。考えてみたら、主要メンバで今回の最初の短編のメインなのに、巻頭の登場人物紹介にも名前がないんだよなぁ。

一応、短編集的な作りだけど、一冊で、綺麗に纏まった構成になっていて、にくい。ラストの小町との短編もまた、冬の夜らしいどこか寂しげな雰囲気が出ていていいですな。

[ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 ]


[TVA]『アルドノア・ゼロ』最終話。ラストのいなほとスレインのシーンでは泣いたけど、この二期は、なにをやりたいのかわからない内容だったなー。[TVA]『艦これ』同様、シリーズ構成が駄目で、視聴者と共有できるテーマをきちんと設定できなかった予感。予算は潤沢に見える作品だっただけに残念だなー。

一方、[TVA]『新妹魔王の契約者』や [TVA]『クロスアンジェ』とかは、どう見てもB級なんだけど、うまく視聴者をノせて、欠点すらも魅力的な作品に仕立てた感じ。いやぁ、正直、何度か切ろうと思ったこともあったのだけど、再度まで付き合って、ほんと良かった。おもしろかったっ!!

そいえば、今期のラノベ原作のアニメでは、『ファフニール』『アブドリュート・デュオ』『禁呪詠唱』とかもあったけれど、どれも最後まで楽しかった。ただ、やっぱ、原作が継続中だと、終盤の構成が難しいのかしらん。どれも、いかにも苦労して無理やり終わらせた感が(^^;。ああ、そうそう、『ファフニール』は、イリス役の日高里菜がすごく耳に心地よくって、良かったなー(*^^*)。

株式会社ブループレス、全国書店との直接取引による出版事業を本格展開開始|株式会社ブループレスのプレスリリース
『FEATHER』の出来は酷かったけれど(→感想)、秋葉原でのイベントといい、ビジネスとしてはなかなか面白いことをやってるんだよな。参加してる作家がどこから連れてきているのか、さっぱりわからないのだけど、『FEATHER』の作者・七村謙同様、元外資系コンサルタント繋がりなのかしらん。

ヨドバシカメラが電子書籍ストアをオープン、17万点をラインナップ -INTERNET Watch
ヨドバシカメラが、電子書籍専門ストアを開始。いまさらさらに電子書籍ストアが増えてもなー、とは思うけれど、国内ではヨドバシカメラがAmazonに対抗しうる最右翼だと思うので、ヨドバシカメラには頑張ってほしいなぁ。


2015 3 31

来月の新刊チェック。ラノベの杜 から。
  • 04/01 [文庫] 問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です! /竜ノ湖太郎
  • 04/02 [文庫] 彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ /竹井10日
  • 04/15 [文庫] ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(7) /大森藤ノ
  • 04/17 [文庫] さびしがりやのロリフェラトゥ /さがら総
さがら総もガガガ文庫で出すのか。今月も平坂読がガガガ文庫から出してるし、ガガガ文庫がMF文庫J化してる。<をい