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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
スレイヤーズ(14) セレンティアの憎悪 /神坂一 -
おー、『スレイヤーズ』で、いきなりこんな重い話をやるとは思わなかった。凄いな。ただ、本来、番外編でやるべきネタじゃね? この物語単体はいいと思うし、これをやりたかったからゼルやアメリアを出さずに、ルークとミリーナをレギュラーに持ってきたという意図は理解できるけれど、でも、第二部を丸々使って、『スレイヤーズ』でやるようなネタじゃないよなー。
『スレイヤーズ』って、そこそこ重いネタは突っ込んでくるのだけど、それって、軽いノリがベースにあるから許容されるのであって、そこを忘れて、重いネタをメインのコンセプトに持ってきても、他のシリアスなファンタジーに勝てないと思うんだけどな。そもそも、そこまで描写に凝ってるわけでもなく、ストーリー構成も工夫を凝らしたわけでもなくて、所詮、ワンアイデアを形にしただけの習作のレベルにしかなってないんだよなー。短編ならありだけど、これを何冊もかけてやっちゃうのかー。……ダメだろ。
で、次の一冊でシリーズ完結のはずなんだけど、まったくそういう気配がないのは、えっと、どういうこと?
[ 2015.11.17 ]