ベン・トー


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー サバの味噌煮290円 /アサウラ

バカだっ。愛すべきバカ小説。や、バカ小説としての組み立て方は、わりと王道なんだけど、キャラクターの使い方が巧く、非常にクオリティの高いバカ小説に仕上がってるのんな。……ただ、ちと好みじゃなかったりはするけど(^^;。

そゆわけで、夜のスーパーで繰り広げられる半額弁当を巡るバトルを描いたお話。ネットの各地で評判が良かったので買ってみたのだけど、いやぁ、期待を裏切らない、良い意味で想像通りの内容で、非常に面白かったです。とにかく、基本に忠実なバカ小説。王道的なストーリーの組み立て方もいいんだけど、なんといっても、キャラの造形と、そのキャラを巧く使った演出が、非常に出来が良いのよ。ほんと、白粉の妄想や白梅の性格がアクセントとして絶妙で、そして、各所に挿入された主人公の妙な独白が、笑える笑える。内本君とか石岡君って、なんだよ(笑)。まあネタ小説だし、正直、好みの線ではなかったのだけど、とにかく面白かったです。

しかしそいえば、主要登場人物をみると、なんで「著莪あやめ」が載っているだろ。ほとんど出番はなかったし印象的なキャラでもないと思うのだけど、もしかして、あとがきの削除されたネタって、「著莪あやめ」絡みなのかしらん?

[ 2008.03.21 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー2 ザンギ弁当295円 /アサウラ

ぐはっ、なんと素晴らしき眼鏡っ!! 表紙のイラストも素晴らしいのだけど、この新ヒロインが眼鏡っ娘ですよっ!! つまりこれで、3ヒロイン中、2人が眼鏡っ!! ビバ眼鏡っ!! 眼鏡っ娘ぉぉっ!! ……いや、萌え的な要素はほとんどないけどな(^^;。

スーパーで毎夜繰り広げられる、半額弁当を巡る狼たちの闘いを描いたシリーズ第二段。今回は、前回も名前は出てきた佐藤の幼なじみ、著莪あやめが登場。東区を率いる《帝王》が、佐藤らの なわばり である西区へと侵攻を開始する……。と、いやぁ、描写といい、演出といい、構成といい、とにかく巧いよなぁ。争奪戦の躍動感も、いかにも美味そうな弁当も描写も、ほんとに秀逸。随所に散りばめられた小ネタも面白く、読後感も文句なく素晴らしい。そして、なんといっても、新ヒロインの著莪が、マジに、くぅ~~~~。男勝りでサバサバした性格の、巨乳眼鏡。そして、佐藤に対する素直になれない想い。まあ、萌えも恋愛色も弱いのだけど、争奪戦の熱い展開に、上手くアクセントになってるのよ。ほんとにマジに素晴らしい作品ですっ!!

[ 2008.07.01 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円 /アサウラ

眼鏡分が足りねぇ(号泣)。白粉が、白粉の出番が減りまくり。もはや、巻頭カラーからも姿を消してますよ(T-T)。そして、何故か眼鏡をかけてない、著莪の巻頭カラーに絶望したっ!!

というわけで、半額弁当の争奪戦を描いた『ベン・トー』。今回は、槍水先輩のターンかしらん。著莪はともかく、白粉の出番が減りまくりなんですが(T-T)。まあ、キャラ的には、槍水先輩も、著莪も、そして、不幸少女のあやめも、なかなか美味しくはあるのだけど(^^;。……それにしても、キャラが魅力的なのは当然、とことん地力の高い文章で、描写といい、構成といい、相変わらずクオリティ高いよなぁ。ツボをついた小ネタも満載で、文句なく、もう笑える笑える。マジに素晴らしすぎるよっ!!

[ 2009.01.30 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー4 花火ちらし寿司305円 /アサウラ

めがねぇぇぇぇぇっっっ!! もともと眼鏡っ娘率の高いこの眼鏡っ娘小説でカバーイラストに見覚えのない眼鏡っ娘がいると思ったら、新キャラが眼鏡っ娘だとぅ。夏祭りの開放的な空気の中で、肌も露に眼鏡も吹き飛ぶ少女たちの熱いバトルが素晴らしい素晴らしい。

夏。全国の強敵たちが集うある田舎のスーパーに遠征した佐藤らHP同好会は、悩みを抱えた二人の少女―淡雪えりかと禊萩真希に出会う……。という感じで、やたらと挿入される佐藤の独白も、さらに磨きがかかり、もはや芸術の域へ。「かめはめ波」をはじめとした親父の武勇伝、そして、セガへのコダワリが、とにかく読んでて大笑い。そして、今回は、ゲストの二人の少女の友情ストーリーなわけだけど、対比される著莪と佐藤の関係も、過去の想いを含めて、いい話に仕上がっていて、ホント素晴らしいなぁ。大人しい眼鏡っ娘と気の強いポニテ娘の友情ストーリーが、もうもう、うひぃ~~~~~~~。

[ 2009.07.30 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 /アサウラ

もともと半額弁当争奪戦というネタ系の作品にもかかわらず、うわぁ、恋愛増量で、とても綺麗な青春物語になってるぅ~。それにしても、佐藤はリア充すぎるなぁ。

今までも名前だけはなにかと出てきた、みんなのアイドル広部さんが登場。自分を失いかけた広部さんは、昔と変わらぬ佐藤と再会し……。と、今までも、佐藤の著莪や槍水との関係は絶妙のバランスで描かれてたけれど、ここに来て、正面から恋愛と青春の悩みがテーマに。今回の中心は広部さんなんだけど、やっぱ、著莪の立ち位置がいいなぁ。惚れる。佐藤の選択も素晴らしい。……ただ、個人的には、もちっとギャグを前面に出してくれたほうが好みだなぁん。てか、白粉の出番が少なすぎるだろっ!!

[ 2010.02.12 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー5.5 箸休め ~燃えよ狼~ /アサウラ

タイトルどおり、箸休め的な番外的短編集。特に面白かったのが、著莪の高校の文化祭を舞台とした「鳥になった男たち」。相変わらずの白粉はいいねぇ。「キターーーーーーーーーーーー!!」はねぇだろ(爆笑)。そして、あせびちゃんあせびちゃん、愛されてるなぁ~。……「鳥になった男たち」以外では、「著莪あやめのお見舞い」と「白粉花の夏休み」が印象的。佐藤を中心とする人間関係は、なんやかんやで綺麗で雰囲気が抜群なんだよなぁ。

[ 2010.05.05 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー6 和栗おこわ弁当310円 /アサウラ

うわぁ、白粉がせつない。や、楽しい文化祭を強調するためか、所々で淋しい描写を入れてくるのが憎らしいよな。……それにしても、茉莉花、怖ろしい娘っ!!

文化祭の準備の最中に見かけた高級志向のスーパー。そこは、<スルーア>の跋扈する槍水仙も勝利したことがない特殊なスーパーだった……。という感じで、仙の妹・茉莉花、登場&文化祭。茉莉花が中心な分、白粉が一歩引いてる印象だったのだけど、そもそも筋肉刑事がないのかっ!! とにかく、可愛さ炸裂な茉莉花と茉莉花をとられてヤキモチ妬きまくりな仙がとっても美味しゅうございました。相変わらずのセガ愛も素晴らしく、ほんと高レベルで安定した面白さだよな。いやぁ、良かった、良かったっ!!

[ 2010.09.02 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー7 真・和風ロールキャベツ弁当280円 /アサウラ

新キャラとして、HP部OG鳥頭登場っ!! 眼鏡っ!! 眼鏡っ!! や、ホント、『ベン・トー』は眼鏡っ娘が多いな。作者のアサウラは、マジ、尊敬に値するっっっ!!!

修学旅行で槍水不在の折に、HP同好会にOGを名乗る鳥頭登場っ!! と、とりあえず、いつも以上に脇道に逸れてる印象(^^;。佐藤の交友関係のバカさ加減といったらっ!! ……まあ、新キャラ登場といいつつ、今回輝いていたのは、白粉と沢桔姉妹か。白粉のクリーチャーぶりはともかく肉壺って(爆笑)。いやもう、読んでてひたすらニヤニヤしまくりですよっ!! いやぁ、笑ったっ!! 笑ったっ!!

しかし、HP部崩壊の経緯も見え隠れしはじめたけど、今後はHP部の過去に話が向かうのかしらん?

[ 2011.03.06 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー7.5 箸休め ~Wolves,be ambitious!~ /アサウラ

最高傑作級っ!! いや、所詮、短編集かと思って読み進めてたのだけど、そのうちの一編「ある日の著莪あやめ」が素晴らしいっ!! てか、秘めた想いを明示してしまうのは卑怯だろっ!! 卑怯すぎるだろっ!! そして、将来的には、一緒にならないだろうというのが見え隠れしてるのが、なおさら素晴らしいねっ!!

というわけで、短編の中では、「ある日の著莪あやめ」がとにかく素晴らしかったけれど、それ以外にも、「3.5倍」がマジやばい。うわっ、茉莉花っ!! なんだよその温泉シーンはっ!! あとは、「天使の贈り物」。あせび……。

いや、相変わらずのセガへの愛も素晴らしく、いい短編集でした~。

[ 2011.08.07 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円 /アサウラ

アソビン教授というと、セガのオリジナルの方ではなく、『ヤマモト・ヨーコ』を思い浮かべてしまう私です。

それにしても、なんだろう、この佐藤のモテぶりはっ。や、佐藤と著莪の関係が、相変わらず、すっごく憧れるのだけど、さらに、槍水先輩のせつなさ炸裂な展開は、ホントたまらないなぁ。最も最強に近い狼・サラマンダーとの対決も手に汗握る内容で、いやぁ、素晴らしい素晴らしい。

クリスマス近づく12月。槍水はHP同好会伝統のクリスマスパーティーを楽しみに待っていたが、それを知らない白粉、佐藤ともに、すでに別の予定を入れており……。というわけで、対サラマンダー戦も、一人蚊帳の外に置かれた槍水先輩が、とにかくせつないの巻。一方、佐藤は、オルトロスに、著莪に先輩と、何気にモテモテで羨ましい限りだっ、畜生っ!! いよいよ二つ名も付きそうな展開で、今後、どうなっていくんだろ。

[ 2012.01.09 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 /アサウラ

ぐはっ、ロリ、やべぇ。茉莉花、やべぇ。マジにそれはやりすぎだろぉぉぉ~~~っ!!

そゆわけで、『ベン・トー』最新9巻は、冬の合宿編。昨年の冬合宿を最後に HP部が崩壊したという曰くつきの合宿で、いよいよHP部崩壊の謎もなんとなくわかってきたわけだけど、それはともかく、茉莉花の破壊力が半端ないな。ロリすげぇ……。《ギリー・ドゥー》こと中学生で眼鏡っ娘・禊萩真希乃といい、年下さいこー。いや、私の『ベン・トー』で一押しは、著莪なんだけど(^^;。……それにしても、佐藤の生存能力は、ほんと凄い。そして、佐藤の正月の家族での思い出話がさいこーなんですが。ネネちゃん(爆笑)。

HP部崩壊の真相も、いや、これだけ変な話なのに、《ウルヴァー》秋鹿といい、気持ちのいい奴らのせつない話になりそうで、ほんと素晴らしいなぁ。

[ 2012.07.17 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー9.5 箸休め ~濃厚味わいベン・トー~ /アサウラ

佐藤、爆発しろっ!! いや、佐藤と著莪の二人の関係は、ほんと理想だわ。長年連れ添った幼なじみ特有の空気感と、きちんと互いを異性として意識している様子が、素晴らしい素晴らしすぎる。素直に羨ましいわぁ~。

そいうわけで、この9.5巻は、番外編的短編集。佐藤と著莪の二人を描いた「だいたいいつもこんな感じ」「やっぱりいつもこんな感じ」「波の音」や、オルトロスこと沢桔姉妹を描いた「簡単な質問」などが収録されているのだけど、白梅、こんなガチだったのか。怖いわ(^^;。白梅と白粉の出会いを描いた「白梅梅」が、ホント怖い。何気に、白粉も、子供の頃からたいがいな性癖だけどな(笑)。そして、白粉先生の『獣道』がいった、どんくらいの厚さなのか、わたし、気になりますっ!! いや、読書会を読む限り、どうみても、長編小説だろっ!!

[ 2012.11.03 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円 /アサウラ

佐藤、爆発しろっ!! ……や、なんやかんやで、実質的には、佐藤ハーレム状態なんだよなぁん。そして、いろいろと酷いバレンタインデーすぎる(爆笑)。特に、白粉と白梅様がうわぁ(^^;。ただ、個人的には、著莪押しなので、バレンタインネタもちと物足りないかしらん。

というわけで、節分&バレンタインデー。バレンタインデーは大笑いだったけれど、うーん、無理して、イベント二つを入れ込まなくても、バレンタインデーだけでよかったような……。構成が、半分短編集みたいな感じで、いまいちな予感。小ネタにしても、ちょっとキレが悪かった感じがするなー。

そして、ノー天気な展開で、まさかのラストだけど、えっと、そろそろ物語もクライマックスなのかしらん?

[ 2013.05.29 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 /アサウラ

そろそろとは思っていたけど、ここで一気にクライマックスかっ!! まさか、ここで本編を終わらせにかかるとは思わなかったよ。HP部崩壊の謎、そして、魔導師超え。少年漫画的な王道展開で、すげぇ熱いなっ!! いやぁ、おもしろかったっっっ!!

バレンタインデーを境にギクシャクする佐藤と槍水だが……。という感じで、一年前のHP部崩壊の謎と、再び訪れるHP同好会崩壊の危機。

 「立ち向かうことを忘れたらセガファンじゃないよな」

うあぁ~、『咲 -Saki- 千里山編』を彷彿とさせる白粉の大活躍から、最強の<魔導師>超えを目指す展開っ。セガファン、オールドゲーマーだからこその攻略っ。もともとスパーでの半額弁当争奪戦というバカ小説だったにもかかわらず、熱く綺麗なラストがほんと素晴らしいっ!!

個人的には、著莪押しだったので、いろいろ残念な部分もあるけれど、というか、少年漫画の熱血主人公的に、佐藤の恋愛は直接描かないと思ってたのだけど、そうか、そうくるかー。いや、そこはちょっと違うだろー。違うだろー的なっ、そこはぼかすんじゃないのかー。

まあ、本編はこの巻で終わってるけど、次巻最終巻、もう一冊あるのか。著莪の活躍に期待したいなー。

[ 2013.12.13 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー12 デザートバイキングプライスレス /アサウラ

最高傑作級っ!! うわぁ、期待を遥かに超えた、理想すぎる最終巻ですよっ。や、本編は前巻で終わっていたので、単なるおまけ的な短編集かと思っていたら、余韻溢れる素晴らしいエピローグですよ、これはっ!!

内容的には、槍水先輩、著莪、オルトロス、広部さん、茉莉花といった各ヒロイン毎にその後の佐藤洋との関係を描いたモノなのだけど、そりゃぁ、槍水先輩とは簡単に恋人同士になるわけなく、そういう関係が"らしい"よな(笑)。そして、著莪と……、うひゃぁ~~~~~~~~。ああ、著莪が10-b章、槍水先輩が10-a章というのは、そういうことか(笑)。や、マルチエンド的な演出を超えた、理想的なその後が描かれていて、ほんと、素晴らしい素晴らしい。ある意味のハーレムエンドというか、各ヒロインたちの魅力が見事に描かれていて、最高の最終巻でしたっ!!

[ 2014.03.17 ]