麒麟は一途に恋をする


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする /志村一矢

とりあえず、特別編「清廉なる乙女の勇気」はさいこー。安曇さいこー。……というか、とうぜん、この続編はあるんですよねっ!! がんばれ、佐和山!!

そゆわけで、志村一矢の新シリーズ。といっても、前シリーズ『月と貴女に花束を』と舞台は同じだし、一部のキャラはそのまま出てたりする。で、新主人公は、未亡人。この主人公、麻由を始め、柚子や華音も、キャラは美味しいし、なかなか志村一矢らしい作品に仕上がっているのだけど、ただ、ちょっと設定に無理が多くて、今後不安だなー。例えば、作者は、やたら未亡人に拘ってるみたいだけど、正直、必然性がないし、未亡人的な美味しさが、まったく出てない。それどころか、未亡人にしたいが為に、不釣合いに年齢が高く設定されてて、不自然なんですがー。

それにしても、まあ、私は『月花』が大好きだし、この作品自体、大好きな志村一矢らしい作品に仕上がってるので、ファンとしては、不満はないのだけど、けど、一歩距離を置いてみると、やっぱ、ダメなんじゃないかなぁ。素直に続編として書いてるならまだいいけど、新シリーズにもかかわらず、中途半端に引きずってるので尚更。あとがきには、“『月花』を読んでいなくてもなんら問題はありません”と書いてあるけど、この構成、どー見ても、知ってる人が前提だよなー。もし、これでほんとに問題ないと思っているなら、作者の国語力を疑わざるを得ないのだけど。

[ 2004.02.14 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする2 /志村一矢

はう~、いまいち~~。佐和山もどこかに行っちゃってるし~~。や、恋愛モノとしては、もうひとつ盛り上がりきれてないし、ストーリー的にはちょっと粗が目立つ感じ。もっと、べたべたでシンプルな内容で良いと思うんですけど~~。

そもそも、志村一矢は、オーソドックスでありきたりなシナリオでこそ真価を発揮するのであって、このシリーズみたいに、微妙に展開に工夫が必要な作品は、難しいんじゃないかなー。作者の作風やテンションに、ちょっと、シナリオが追いついてない感じ。志村一矢の作風には、シナリオや設定上の工夫は、むしろ邪魔だと思うんですけど(^^;。『月花』の続編ということで、設定的に、無理が多くなっちゃってるのも、マイナスだよなー。

[ 2004.08.18 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする3 /志村一矢

やっぱりダメダメ、酷すぎる(T-T)。大好きだった『月花』の続編だから買ってるのだけど、やっぱり、志村一矢の悪いところばかりが目立つ内容になっちゃってるよ(号泣)。でも、やっと、ストーリーは転がり出してきたし、志村一矢は信じるに足る作家だと思うので、まだ、当分は買い続けるつもり。なんとか、壁を突破してくれると嬉しいんだけどなぁ。

そゆわけで、本格的に『月花』のキャラを投入しだしたこの巻。ただ、『月花』のファン受けのサービスとしては使いどころがいまひとつだし、『月花』に接木した設定が志村一矢の良さを殺してる側面があるので、『月花』のキャラの本格投入は、いろいろ複雑。はう~~。

あっ、本編はぐだぐだでダメだけど、書き下ろしの短編は、なかなか良い味出してておもしろい。なんやかんやで、志村一矢は、すげ~好きなんだよ~~。

[ 2005.02.26 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする4 /志村一矢

まだか、まだなのか? まだ、ストーリーは転がり始めないのですか(T-T)。

そゆわけで、『月と貴女に花束を』のファンなので、面白くなることを信じて、我慢して買ってますよっ!! ううぅ、展開が遅くてまどろっこしい~~。ここまで来ても、なかなか盛りあがらないのでは、そろそろ切ることも考えるべきかなぁ。いや、志村一矢の作風は好きなんだけど、やっぱし、『月と貴女に花束を』の世界設定で続けるのは、無理があると思うのですよ。設定が気にならない程度にストーリーが盛りあがってくれれば良いのだけど、うううううぅぅぅぅ~~~。

[ 2005.08.30 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする5 /志村一矢

華音も麻由も変わりすぎだろ(笑)。……ラストに向けて、やっとストーリーも大きく進展をみせ、非常に面白くなってきてますっ!! ただ、描写不足が目立つために、展開が不自然で作者の都合にしか見えなかったりする部分が多いのは、ちとどうしたものかと思うけれど。

そゆわけで、いやもう、買ってから1年近く放置してたよ(汗;。正直、ほとんどもう読むつもりはなくなってたのだけど、どうやら、きちんと7巻でシリーズが完結したという話を聞いたので。……いままで、ぜんぜん進まなかったストーリーが、やっと大きく動き始めてますよっ!! いやぁ、ストーリーが動き出すと、さすがきちんと面白いですっ!! やっぱり志村一矢の作風は好みなんだよなぁ~~。

まあ、動き出したのはいいけれど、描写が足りずイベントに唐突な部分が多い&作者の都合が見えすぎる、ってのが、ちょっとどうかと思うんだけど。あとはやっぱり、『月と貴女に花束を』と同じ世界というのは、かなり無理があるよなー。

[ 2007.01.12 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする6 /志村一矢

それぞれに想いを抱きつつ、絶望的な戦力差のまま最終決戦へ。もう、ラスト直前ということで、容赦なくえげつないイベントの数々っ!! 素晴らしいっ!! ……でも、全体的には、ダメダメ(^^;。

いや、もはや継ぎ接ぎなだらけで説得力のない設定なのと、ぜんぜん描写が足りず、展開が作者の都合のように見えてしまって、加えて、肝心の“想い”がさっぱり感じられないのがなー。志村一矢らしくストーリーの要求に従ってきちんとえげつないイベントを入れることができるのは凄いし、たまに良いシーンもあるんだけど、でも、ストーリーが最低限理解できる程度のプロット然とした描写なのはなー。まー、とにもかくにも、残り一冊ということで、次回、最終巻に期待です。

[ 2007.01.17 ]


メディアワークス 電撃文庫
麒麟は一途に恋をする7 /志村一矢

結局、ゴミ。いや、好き嫌いで言えば、好きなタイプの話なんだけど、そもそも、小説になってないのんな。各シーンの繋がりがほとんど考えられてなくて、単なる名場面集になっちゃってるのよ。……新人さんでも、もちっとまともなモノを書くと思うんですけど。

そゆわけで、シリーズ最終巻。まー、小説としては、酷くてお話になってないのだけど、各シーンごとに見れば、見どころも多く面白かったです。まさに、名場面集。特に、最終話「明けない夜」は、ベタでお約束で非常に Good。めちゃ綺麗っ!! やっぱ、志村一矢はベタな話がホントに上手いよなぁ~~。

このシリーズを読んで、志村一矢は、設定を考えたりストーリーを作ったりするのが、ひたすら下手なのがわかったので、次回作は、とにかくベタベタで王道一直線な内容にして欲しいなー。や、作風に関して言えば、ほんとにほんとに好きなので。

[ 2007.02.08 ]