スペースプローブ


早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション
スペースプローブ /機本伸司

ゴミ。ラストは好みだったのでその点は良かったけれど、妄想エンジン搭載で思考がワープしまくる登場人物たちと、飛躍が激しすぎる超ロジック。加えて、読者に提示される情報も、本筋に関係のない枝葉の部分ばかりにページを割く始末。つまり、近未来SF風な体裁を取りながら、物語としては筋が通ってなくロジックの積み重ねもむちゃくちゃで、結果、説得力が欠片もないのよね。……致命的に酷いと思う

地球の近距離を通過する周期4,000年の彗星と、彗星の軌道上に見つかったニュートリノ信号の発生源。その彗星や信号の発生源と、古代インドの聖典「リグ・ベーダ」が示す数字との奇妙な一致。そして、そこに見え隠れする人類を超越する存在とは? という感じの着想は面白いんだけど、やはり、ここまで説得力がないと致命的だよなぁ。そもそも、新人でもないのに、説得力を出すための手法がてんで話にならないぐらい下手なのは、いったいどういうこと?

[ 2007.07.29 ]