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一二三書房 サーガフォレスト
オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~ (1) /樽見京一郎

えっと、オークは野蛮に書かれてないし、エルフも平和に暮らしているわけではないんだか(笑)。

物語は、エルフの国の民族浄化、大量虐殺から逃れたダークエルフが、逃れた先のオークの国の軍隊に組み込まれ、エルフの国に復讐を図る、という感じかな? いや、1巻では、オークの国「オルクセン王国」の説明、特に、軍事組織の説明がメインで、エルフの国との開戦までにはまだまだイベントがありそう。あとがきによると、「兵站」が大きなテーマの一つということで、いかにも細かな軍事設定好きのミリタリー小説という感じ。ファンタジーでよくある剣と魔法の物語ではなく、ほとんど「銃」だけだしなぁ。

「兵站」が大きなテーマというだけあって、全国に鉄道網が整備された近代が舞台。鉄道はあるのに航空機や戦車はない文明レベルみたいで、銃火器と騎兵がメインの軍隊っぽいのがおもしろい。ダークエルフが騎兵してるとかすごく映えるもんな。アメリカ南北戦争あたりの時代感なんだろか? 銃火器メインなのに塹壕戦前という時代設定にロマンを感じる。いや、今後の展開によっては、塹壕線や爆撃機とかも登場するのかもしれんけど。

ミリタリー系のファンタジー小説かな?と思って読んでみたのだけど、期待通りの内容で、ディネルースとグスタフの関係も楽しく、非常におもしろかった。ただ、まだ開戦まで至ってないので、戦争をどういう風に描くんだろうかなー。

[ 2025.01.20 ]