天国に涙はいらない


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない /佐藤ケイ

電撃ゲーム小説大賞では、この前絶賛した [文庫]『ウィザーズ・ブレイン』が銀賞で、こっちが、金賞、……なるほど!! いや、表紙見て、「あぁ、これは、典型的な絵にだまされてしまうパターンか?(<つまり、絵は好みだけど、話は好みっぽくなさそうなパターン)」かと思ったら、この作者、その手のゲームのなにをきちんと把握してるらしく、読んでて、ひたすらにやにやしまくり。正直、ストーリーは好みではないのだけど、ここまで、楽しませてくれるのであれば、文句ありません(^^;。

内容は、半人前の霊能力者な主人公が、呪われた教室の謎を追うというコメディ。ストーリー的には、なきに等しく、ラストも気に入らないのだけど、神の愛ですべて許す。っていうか、たまちゃん、かわいいのでグッド。というより、たまちゃんだけの小説、という気もしなくもない(^^;。いや、これを金賞にしてしまう電撃文庫にブラボー。あたし的には、これはこれで良いのだけど、ふつーの感性だと、こゆの金賞とかしない気が。

↑しかし、せっかくキャラ的においしいのに、あのラストでは、続編書けないのでわ。

[ 2001.02.15 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(2) 畜生道五十三次 /佐藤ケイ

ちょっとだけのつもりが、いつのまにか読みふけって、読み終わってしまった(汗;。いや、やっぱ、めちゃくちゃおもしろい~~。それ系のネタに精通&使いまくる作者で、しかも、センスも秀逸&きちっと巧くて、ほんとおもしろい。今回は、ヒロインが猫耳娘ということで、我らがたまちゃんの出番が少ない&らぶらぶ多角関係の恋愛模様が描かれなかったのは残念だけど、それはそれ。……って、しかし、これ、まだ続くのか(^^;。

……しかし、やっぱ、神の僕、失格だよな。期待してたのに。<をい(^^;

[ 2001.04.08 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(3) あだ討ちヶ原の鬼女 /佐藤ケイ

今度は巫女、いや、巫女というより、ですかー。
といっても、萌えがまったくないのが、この作者、このシリーズにしては残念。いや、今までも、神の愛の教えが素晴らしいのであって、萌え的には、そんなに強力ではなかった気もするけど。<あ、でも、たまちゃんは好きだけどさ。

そういうわけで、ストーリーは、基本的に予想通りなので、なにもいうことはないのだけど、相変わらず、ここまで、その手のネタをきちんと理解し、使いまくる作者に、脱帽。めちゃ読者は限定していると思うけど、限定された側にいれば、めちゃくちゃ笑える。傑作。

でも、3巻は、さすがに、ちとキャラの勢いも、ストーリーの勢いもかなり弱い予感。もはや、ネタで楽しむのみで、ストーリーは、駄作レベルまで、堕ちてるかも。……まだ、ネタが素晴らしいから、良いけれど、これ以上、巻を進めて、果たして、大丈夫なのでしょうか?

[ 2001.07.10 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(4) 男色一代男 /佐藤ケイ

まさか、眼鏡っ娘ネタで、あたしを唸らせる作品が出てくるとはっ!! ……そろそろ、ネタ的にも限界か?、とも思っていた本シリーズだけど、ぜんぜんそんなことありません。素晴らしいです。さすが、佐藤ケイ、ビバっ!!

基本的に、このシリーズは、ネタ満載だけど、けっして、萌え系の話ではないので、今回ヒロインの真理子@眼鏡っ娘も、萌え的に強力なキャラというわけではないのが、残念といえば残念。<というか、キャラ的には、やぱし、たまちゃんだし(^^;。でも、ホント、的確に眼鏡っ娘の何たるかが描かれていて、すばらし~。

[ 2001.10.07 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(5) 逝き女五枚羽子板 /佐藤ケイ

『天国に涙はいらない』で、泣きそうになっている あたしはいったい。まあ、ベースとなるストーリー展開は、今まで出てる話も、けっこう良い話系な気もしますが。

とりあえず、この巻は、たまちゃんの出番も多いし、各キャラのバランスも良く、シナリオも良い感じだし、その手のネタに頼らなくても、十分おもしろいじゃないですか。<って、今回、その手のネタが弱かったわけだけど(^^;。

[ 2002.01.11 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(6) 狐の夜滅入り /佐藤ケイ

“所詮外見的な属性は、あくまで外見的なものでしかない”、うむ、眼鏡っ娘にしても、しかり。や、佐藤ケイ、やぱし、萌えに関する造詣の深さは、素晴らしいモノがあるよ~。ほんと、萌えネタは、納得しまくることばかり。ほんとほんと、凄すぎる~~。<内容的には、ネタとして使ってるだけで、相変わらず、萌えが強力なわけでは ないのだけど。

で、今回は、幼なじみのボク少女でポニテ娘。しかも、恋のトライアングル。や、感動系のストーリーをベースに、素晴らしいネタの数々、やっぱり、ひたすらおもしろい~~。ほんと、めちゃくちゃ凄いよ。……でも、そろそろ、記号的な女の子キャラって、ネタが苦しくなってくるのでは(^^;。

[ 2002.05.10 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(8) 姉振り会うも他生の縁 /佐藤ケイ

やはり、佐藤ケイ、素晴らしい~~

今度は、お姉さんネタ。や、お姉さんは、私の対象外なのだけど、それでも、この理論は、素晴らしく説得力がある。さすがだ、ここまでの、萌え理論を構築する 佐藤ケイ は、さすがすぎる。最近は、「萌え」を全く理解してないくせに、萌え小説を書こうとするバカも多いのだけど、せめて、佐藤ケイの10分の1程度の知識を得てから書きやがれ。や、佐藤ケイは、萌え小説を書いてるわけではなく、「萌え」をネタに小説を書いてるだけなんだけど(^^;。

で、ストーリー自体も、オーソドックスで、こういうのは、わりと好き。

[ 2003.05.12 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(9) ふんどし汁繁盛記 /佐藤ケイ

本のタイトルは、「肉人形恥辱の体育倉庫」にした方が良かったのでは。<をい

短編 4篇からなる外伝。それぞれの短編は、賀茂メインの「肉人形恥辱の体育倉庫」、菜間父娘とゲストキャラ華夢理をメインとした「ふんどし汁繁盛記」、律子メインの「誇りの代償」、葉子メインの「五十年恋歌念仏~お梅狂乱」。

『天国~』シリーズは、アブデルの萌え薀蓄がすべてという説もあるのだけど、外伝という性格上、そのアブデルがほとんど出ないという時点で、やっぱり、いまいちとしか言えない。いやまあ、どれもそこそこ面白いし、特に、「きれいな話」を狙って書かれた「五十年恋歌念仏~お梅狂乱」は、わりと良いのだけど、やっぱし、物足りないよねぇ~。

[ 2003.08.15 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(10) 妹兄山腐女子庭訓 /佐藤ケイ

なんで、全身タイツなんじゃーーーーーーーっ!! や、『天国に涙はいらない』の気に入らないところは、「萌え」をギャグのネタには使うのに、内容的には、「萌え」から遠いところを、わざわざ狙って進むような部分なのですよ。今回も、萌え的な要素を回避しまくったあげく、全身タイツですか。状況的に、いくらでも転がれるイベントを要れるスキがあるのに、さすがにそりはもったいないだろ……。

そゆわけで今回のネタは、「やおい」。アブデルとぺディ、律子の舌戦は面白かったけれど、全体的に、ネタは低調。使徒ター・プリンセスも、もうちょっと工夫が欲しいところ。<アブデルの鑑賞風景もネット的に“らしい”んだけど、実際に萌えを体験している立場から言えば、まったく盛りあがりとしては弱すぎてお話にならない。そんな描写しか書けないなんて、萌えを理解してるとしても、実際、萌え転がったことがあるのか?<佐藤ケイ

や、さすがにもうそろそろ萌えネタもツライと思うんですけど、あとどれだけ続けるつもりなんだろ。っていうか、萌えネタに拘らず、今回も、もっと感動系な方向性を強化したシナリオにすれば良かったのになぁ~。

[ 2004.06.15 ]


メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない(11) メイドの途の一里塚 /佐藤ケイ

あぁ、佐藤ケイらしい泣ける話だ。<ただ、ちょっと物足りない感じも

そゆわけで、今回のネタはメイドさんなロボ娘。佐藤ケイらしく感動的なストーリーラインに萌えネタを絡めてコミカルに仕上げた内容。欠点らしい欠点はなく、無難に普通に出来は良いのだけど、ただ、ネタ的にも突き抜けた部分がないので、ちと物足りなく感じるのは、仕方ないかしらん。見所は、ドリルとアタッチメント(笑)。

[ 2005.08.15 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
天国に涙はいらない 終 /佐藤ケイ

いよいよ完結。5年半ぶりの新刊だけど、泣けるストーリーに、変態的なギャグを散りばめた、いつも通りの『天国に涙はいらない』でした。悪魔っ娘たまの残留妖気が引き起こしたマッチョ化現象。マッチョ化による世界の危機に、たまと賀茂に縁のある人々が立ち上がる……。という感じで、オールキャスト勢ぞろいな最終巻らしい最終巻。それぞれのキャラが、もう懐かしすぎるっ!! そしてやっぱり、佐藤ケイのきちんと計算して組み立てられたストーリーは素晴らしいの一言。なんでこんなに変態的なのに感動的なストーリーになってるんだ? ほんと、いい作品でした。

[ 2011.03.27 ]