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KADOKAWA 電撃文庫
ソードアート・オンライン23 ユナイタル・リングII /川原礫

ユナイタル・リング編の舞台となっている新ゲーム「ユナイタル・リング」は、バトルロイヤル、かつ、クラフト系の自由度の高いゲームで、今までの「SAO」「ALO」「GGO」と比べても、舞台として非常におもしろい。リアルの生命の危険みたいなこともなくて、今までと違って凄くゲームをプレイしてる感が強いのも、めちゃくちゃ楽しくて、や、これはいいな!!

ただ、ちょっとキリトのゲーム内での強さがどの程度なのかわかりづらいんだよなぁ。まだレベルが低くて変にモンスターに苦戦したりする一方で、やっぱり無双しないキリトもありえないわけで、作者の描き方も、場面によって都合よく調整してるのが見え見えで、すごくもやもやする。レベル1からスキルツリーで少しづつ成長するのが描きたいなら、そもそもキリトを主人公にするのは無理があると思う。

ま、それはともかく、ユナイタル・リング編の二冊目。「ALO」プレイ中に強制的に謎のゲームにコンバートされたキリトたち。一方、「GGO」をプレイしていたシノンも同様にコンバートされ、という導入から、一人離れてコンバートされたシノンがキリトたちと合流しようとするのが今回の物語。いや、シノンは銃を持たないと話にならないのはわかるんだけど、今回はほんと、ご都合主義が目立つよな。正直、もっといろいろ苦戦するものかと思ったよ。まあ、苦労する話を書いて面白いかというとそうとは限らず、さくさくと都合よく進む展開も、それはそれで面白かったけれど。

[ 2020.10.06 ]