鷹見一幸の新作『会長の切り札』は面白い?
鷹見一幸の新作『会長の切り札 一芸クラブに勝機あり!』の感想を読んでいると(→感想リンク)、比較的高評価なモノを見かけるのですが、……もっ、もしかして、デビュー当時のように、大人が読んでも楽しめるような作品に回帰したのでしょうか?
- “これは素晴らしいっ! タイトルが格好悪いのが非常に惜しいところではありますが、ニヤニヤの止まらない凄い作品でした”( ぶNOG )
- “荒唐無稽なメルヘンだからといって現実の重みを無視せず、かといって現実に縛られて窮屈な物語にもなっていないということに感心した”( 一本足の蛸 )
や、鷹見一幸といえば、今では、ライトノベルの中でもガチに中高生向けなため、そこそこの売上のわりにネット上では作品が話題になることはほとんどなくて、むしろ、チャット や ブログ で、妄言を繰り返すイタい作家として認識されてる人も多いと思います。でも、デビュー当時は、王道的なジョブナイルの書き手として、特に30歳代以上の古いライトノベル読みには非常に人気があったんですよっ!!
デビュー作の『時空のクロス・ロード』(→感想) は、とにかくお勧め(新・時空は除く)。王道的なストーリーを書かせたら、ほんと、これ以上なく巧いんです。それなのに、いつの頃からか、取って付けたような展開で、わざと王道をハズすような作品ばかりを書くようになってしまい、高年齢層のライトノベル読者から段々と見捨てられて今に至るわけです。それが、ココに来て、多少なりとも高評価が聞こえてくる作品が出てきたことには、正直ビックリ。や、ほんとうにデビュー当時の頃のように、大人が読んでも楽しめる作品を出してくれるようになっていたら、嬉しいんだけどなー。
[ 2008.11.07 ]