サイト開設30周年
1995年12月にはじめたうちのサイトとブログも今月で30年です。個人勢ではたぶん世界で4番目ぐらいに古いです。
日記主体のサイトなので、生きている間は続けられると思っているのだけど、ここ数年の更新頻度の低下はやばいね。まあ、だいたいは、ネット小説とかスマホゲーム、YouTubeのせいで、こういうコンテンツは感想が書きづらい上に、無限に時間が溶けるのよね。マジやばい。
で、30年前というと、『新世紀エヴァンゲリオン』が放送され、『Microsoft Windows 95』が発売された年で、ちょうど振り返り的な記事をみかけたりするので、せっかくだから自分も当時を振り返る的なことをだらだらと書いてみるよ〜。
エヴァと当時のアニメとか
「文脈を十分に伝えるのは難しい」という話があったけれど、リアルタイムでTV版『エヴァ』をみていた人と、再放送やレンタルビデオでみた人との最大の違いは、リアルタイム勢は、最後までちゃんと作られるか本気で心配していた、ということ。先の展開を楽しみに待つというのは、あくまで、全26話完成したことを知っている人の特権なんですよ。
当時は、『美少女戦士セーラームーン』をはじめ、『魔法騎士レイアース』『りりかSOS』『ふしぎ遊戯』『怪盗セイントテール』など少女向けアニメの全盛期、さらに、2クール26話とか4クール52話が基本。いまのように1クール12話の深夜枠なんてなく、オタク向けにスポンサーを募って、制作を破綻させずに完成させるハードルが高かったんですね。
しかも、『エヴァ』の制作は一度やらかしているガイナックス。ガイナックスといえば、ちょうど先日、破産整理の完了 が話題になっていたけど、当時は、TVアニメの『ふしぎの海のナディア』とパソコンゲームの『電脳学園』が話題で、特に、『ナディア』は、序盤数話で予算とスケジュールを食い潰し、その結果、まともな作画すらできなくなり酷い内容のまま放送したことで有名だったのね。
で、はじまる前から心配されてた『エヴァ』は、『ナディア』の序盤以上に予算を突っ込んでるように見えるわけ。どこかのタイミングで制作費が尽きることは明らかで、当時のインターネットでは「制作費は大丈夫なのか?」という心配の声ばかりですよ。
そして案の定、あんな感じの25話26話になっちゃったんだけど、放送直後の反応は「制作費がなくなったのに完結しただけで素晴らしい」か「制作費がなくなったなら素直にリスケして資金調達しろよ」というのが大半。内容については、論評に値しないというか、せいぜい学園パートはよかったね、というのがほとんどだった気がするだけどなぁ。
あ、大半とは言ったけれど、当時のインターネットもパソコン通信もユーザーは20代にむちゃくちゃ偏っていたので、シンジくんと同じくらいの中学生とかだと、もちろん受け止め方は違ったと思います。
そいえば、ラノベ読み的には、1995年は『スレイヤーズ』がTVアニメ化した年で、ラノベの読者層も今と違って中学生メイン。その後、ラノベの年齢層が少しづつ上がっていったのは有名な話なのだけど、『スレイヤーズ』のアニメにはまってラノベを読み出した中学生が、20代に『涼宮ハルヒの憂鬱』、30代に「小説家になろう」のブームを作っていったと考えると、ちょっと感慨深いよね。
Windows95と当時のインターネットとか
当時使っていたメインパソコンはX68000、サブでPC98noteとEPSON互換機。OSはHuman68KとSX-WINDOW、あとはMS-DOSか。
「Windows95の深夜発売イベントで盛り上がった」というのは、まあ、そうなんだろうけど、パソコンユーザーが盛り上がっていたというより、マイクロソフトのプロモーションがめちゃくちゃ上手くハマったというのが正しい。当時は、「GUI環境なんて他の機種では標準だし、そもそもWindows95自体が新製品ではなく単なるバージョンアップだろ」と思ってた人が多かったと思うんですよね。
Windows95が発売される直前って、NECのPC98が出荷台数でも市場占有率でもピークを迎えていた時代。パソコンゲームだとアリスソフトの『闘神都市II』とelfの『同級生2』が人気を二分していて、まさにPC98エロゲー文化の最盛期。パソコン通信も順調に会員数を伸ばし、最大手の富士通系NIFTY-ServeとNEC系PC-VANがそれぞれ100万人を突破。この時期のNECって、ほんとすげー。
で、そのたった2年後の1997年には、そのNECがPC98のアーキテクチャを捨てて、DOS/V機を作り始めるわけだけど。
今にして思うと、Windows95が新しかったのはGUIの操作性ではなく、PC98でも、TOWNSでも、DOS/Vでも、ハードウェアに関係なく同じソフトウェアを使えるようにしたことだったんだよなぁ。しかも、大々的に宣伝して、Windows95が搭載されてないパソコンは売れない、という状況を作ったのが凄い。
PC98が強かったのは、その豊富なソフトウェア資産だったんだけど、Windows95の登場で、それが、過去のものにされちゃったわけよ。ゲームも、アリスソフト/elfの時代からLeaf/Keyの時代へ(といっても『痕』まではPC98版が先に出たんだっけ?)、パソコン通信もインターネットへ。Windows95の発売で、それまでのパソコン文化は一度リセットされた気がする。
で、当時のインターネットは、大学か企業の研究者が主なユーザー。自由に使えるのは情報系の研究室ぐらいだったので、入り浸っているのは、だいたい情報系の大学院生。個人向けの接続サービスはすでにあったけれど、趣味でやるには高額な上にパソコン通信のほうが主流だったので、個人向けの接続サービスといっても、研究者が家でも使うとかそんな感じだったんじゃなかろうか。
そんな状況を大きく変えたのが、やっぱりWindows95。昔は高いMacとかが必要だったんだけど、安いDOS/V機を買えば簡単にインターネット接続できるようになったのがデカい。それに応じて、続々とインターネット接続業者も参入して、あとは、テレホーダイも1995年か。1996年にはかなり個人向けのインターネット環境は整ってきていて、あっという間にパソコン通信からインターネットに移行したよなぁ。
まあ、自分が長くやってるのは、たまたまインターネットの初期に大学院生だっただけで、そのまま続けてるってのが大きい。基本、独り言を呟いてるだけだしなー。とはいえ、昔、ブログに苦情のメールを毎日のようにいただいていたような時期もあったのだけど、最近は、ちょっと枯れすぎてる気はするなー。
[ 2025.12.17 ]