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朝日新聞出版 ソノラマノベルス
キマイラ10 鬼骨変 /夢枕獏 -
菊地ぃぃぃぃぃぃぃっっっ!! うわぁ、そこでそういう絡み方をするかぁ~。もともと、チンピラAにすぎなかった菊地が、ここまで魅力的なキャラになるとはなぁ。素晴らしい。そして、深雪は、相変わらず、そういう役どころなのか(^^;。で、あの九十九が、役立たずになりはててて、情けなさすぎる……。
やっと、物語の舞台は現代へ。南アルプスでの久鬼麗一との鮮烈な遭遇。そして、それから一か月半……。という感じで、麗一の変貌を目の当たりにし、九十九、菊地、龍王院弘は、それぞれに想い、そして、玄造とは別にキマイラの秘密を追うフリードリッヒ・ボックの一味が動き始めるという展開なのだけど、やっぱ、この巻は、菊地だよなぁ。人間の負の感情を煮詰めたようなキャラで今までも強烈な印象を与えてきた菊地だけど、ここで、こういう風に魅せてくるとは思わなかった。ほんと凄い。それと対照的に、あの魅力に満ち満ちていた九十九の情けなさたるや。まあ、その情けなさがあるからこそ、ラストのページが生きてくるのだけどなっ!! なんやかんやで、九十九もまだ高校生だもんなぁ。
そして、深雪はそういう役どころとはいえ、不憫で仕方ない(笑)。……そういえば、主人公の大鳳はさっぱり出番もなく、まったく存在感もないのだけど、そろそろ次巻で出てきますかね?
[ 2015.12.01 ]