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KADOKAWA MF文庫J
変態王子と笑わない猫。12 /さがら総 -
シリーズ最終巻。エピローグ的な一冊ということだけど、それをこう仕上げてくるとは、やっぱり、さがら総の筆力は凄いわ。……月子ちゃんに関する不穏な雰囲気は、もう少し抑え目でもよかった気はするけど(^^;。
“もう一度、みんなと笑うために”。いやー、前回で月子と再会して綺麗に終わったと思っていたのだけど、さらに、あーちゃんをはじめとした他のキャラとも、再び出会いからやり直すとかね。なるほど、完璧なハッピーエンドにするには、確かに、ここまでやらねばならぬ。11巻までの物語を振り返りつつ、幸せになったみんなを描きながら、さらにその幸せの先を感じさせるハッピーエンド。うん、素晴らしい。
そいえば、さがら総の文章回しも相変わらず上手いと思うのだけど、ただ、いつもよりも時事ネタが少ないような気がするのは気のせい? や、内容自体は前巻から決まっていたハズなのに、この最終巻の刊行までに時間がかかってるし、時事ネタとか入れにくかったのかもしれないけれど。
[ 2018.04.09 ]