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KADOKAWA
悪役貴族として必要なそれ(1) /まさこりん -
カクヨム発、悪役転生モノの書籍化!! 悪役転生もたくさんあるけど、カクヨムで読んでてすげー好きだったんですよね。
悪役転生はなろう系の定番の一つで個人的にも好みでよく読むんだけど、この作品が特徴的なのは、転生先の悪役貴族が視点を変えると悲劇の人物というところ。元の物語では悪の中の悪として討伐された悪役貴族が、実際は、国のために汚れ仕事を担い、最後はヘイトを集め国に殉じて死んだ悲劇の人物だったというね。そんな貴族に転生しても、現代の視点では悪そのものの汚れ仕事を止めるわけにはいかず、むしろ悪であることを矜持とし、討伐されないように手を打っていくのがおもしろい。悪役転生でありながら、悲劇のうちに殺された不器用な善人による「ざまぁ」系の物語にもなっているのが良いのよね。
元の物語では直情的で単純な勇者が主人公であったために見えなかったと思われる、様々な陰謀やそれぞれの登場人物の事情や思惑を見せているのもおもしろい。いや、聖女があからさまな黒幕扱いになってるのだけど、元の物語では、一体どういう描かれ方されてたんだ、これ?(笑)。
たぶん、カクヨム版と書籍版で内容はほとんど変わらないと思うのだけど、ただ、カクヨムで一年ぐらい更新が止まってたのが書籍化で新規に更新されたのが良い。って、カクヨムで今から続きが掲載されるとして、書籍の続きが出るの一年以上後になっちゃいそうなんですが。
[ 2023.05.07 ]