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KADOKAWA 電撃文庫
とある科学の超電磁砲 /鎌池和馬

『とある科学の超電磁砲』コミック連載15周年を記念した、鎌池和馬によるノベライズ。原作者の鎌池和馬が美琴たちの日常を描くと言うコンセプトなんだけど、鎌池和馬って、絶望的に日常が描けないんだなぁ……。

まあ、記念の番外編にいろいろ言うのも野暮なんだけど、なんかイメージ違うのよ。いやー、『超電磁砲』って、美琴、黒子、佐天、初春が楽しくわいわいやってるイメージで、このノベライズの構成もこの四人ひとりづつに焦点を当てた構成なんだけど、うわー、鎌池和馬って、事件なりバトルさせないと話作れないんだな。特に、一番ページを割いている御坂美琴メインの中編「御坂美琴とお嬢の終わり」なんて、味方陣営に、美琴、黒子、操祈が揃っているにもかかわらず、格下の悪役を登場させてのピンチからの逆転劇って、プロット時点でこんなん、おもしろくなるわけないだろー。

まあ、鎌池和馬の視点はやっぱり新鮮で、メガネで巨乳なムサシノ牛乳の先輩や初春の新しい魅力を見せたりしてる辺りはおもしろかったけれど、うーん、鎌池和馬の作風だと、やっぱ、『超電磁砲』はシンドイなー。特に、佐天さんはバトルに参加させらないせいで、佐天さんの良さが全然活かせてない気がする。

[ 2022.06.21 ]