-
早川書房 ハヤカワ文庫JA
星界の戦旗V 宿命の調べ /森岡浩之 -
なっ、なんだってーーーーっっっ!! 星界軍がヤバイ、ヤバすぎる。なにこの帝国大ピンチっっっ!! そして、アブリアル、層薄すぎだろ……。
そゆわけで、『断章II』から6年、『戦旗IV』から8年ぶりの新刊。<三ヵ国連合>との星間戦争の最中、帝都に攻め込まれるリスクをとって、中立のハニア連邦の併呑を進める決断をした皇帝ラマージュ。しかし、賭けに負け、敵艦隊が帝都に……、というのが、前巻のラスト。前巻までは、帝国有利の展開だったのに、一手の読み間違いでここまで崩れるのか? や、帝都陥落はやむなしとはいえ、未だ帝国艦隊は健在、という展開かと思ってたのだけど、うわぁ、ラストで寒気したわ。帝都陥落で帝国内の連絡が分断されるといったって、ここまで星界軍が疲弊していたとは、さすがにやばすぎだろ……。
それにしても、時間稼ぎのために戦う近衛艦隊や帝都防衛団が胸アツ。宿命遺伝子、大活躍だな。しかし、作者もムチャするなぁ。さすがにこの展開だと、ジントの立ち位置がすごく微妙で、今まで以上に物語に絡み続けるのは難しくなると思うんだけど。あっ、だからこその第一部完結か。今後は、ラフィール、ドゥヒール視点で、帝国そのものの戦いを中心に話が進んでくのかしらん? まあ、それ以前に、ちゃんと第二部が出るのかが問題だけど……。
[ 2013.03.30 ]