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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
暴走少女と妄想少年7 恋する暴走少女 /木野裕喜 -
うわ~、すんげぇ恥ずかしい。なにこのピュアで直球な恋愛描写。いまの時代、下手するとギャグになっちゃうと思うんだけど、それを真っ当にシリアスにやってきちんと成立するんだから凄いよな。素晴らしい。……それにしても、善一、武瑠、杏子の三角関係に、きちんと決着付けるとは思わなかったので、ちとビックリした。<をい
小学生のような、おままごとのような恋愛感が特徴な作品だったけれど、ラストも恥ずかしくなるぐらいピュアで綺麗でした。展開としては、物凄くオーソドックスなんだけど、それを、ここまで直球に描くとは、今の時代では、むしろ凄いよな。まあ、年齢設定は、高校生でなく、せめて中学生にしとけよ、と思わないわけではないけど、いや、高校生だからこそ、素晴らしいのか。ここ数巻は、いい意味で化けた作品だと思うのだけど、この最終巻も綺麗な恋愛モノとしてまとまっていて、ほんと、素晴らしかったです。……結局、“妄想”はどこかにいってしまったけれど、暴走少女こと武瑠の小学生然とした行動様式が、作者の恋愛感ともマッチして、いまどき稀有な恋愛ストーリーに仕上がったんだと思う。このセンスを上手く伸ばしたら、凄い作品が出てくると思うんだけど、次回作はどうするんだろ。
[ 2012.07.28 ]