2017年 3月 4日
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KADOKAWA NOVEL0
◆ 皿の上の聖騎士(3) ―A Tale of Armour― /三浦勇雄 -
バラバラになった姉の身体を取り戻す異世界ファンタジーの第三弾。今回は、股間部。股間部って……。
って、今回は、姉の身体探しというよりも、イザドラのパワーアップ回か。イザドラとアイザックのまだまだ淡い恋愛模様は悪くないのだけど、ただ、圧倒的に強い霊獣との戦いもいまいち緊迫感がなくなってる中で、さらにイザドラをパワーアップさせて、いったいどういう。いや、姉の身体探しよりも、皿の秘密を巡る物語が中心になりつつあるような感じで、霊獣とのバトル的な要素はだんだん減じていくのかな?
物語の裏では陰謀や策謀が渦巻いていそうで、それらが明らかになってくると俄然面白くなってきそうなんだけど、今のところは、いまいちこれといった売りがわからん作品になってしまってるような。股間を見つけた今となっては、あとは、おっぱいに期待するしかない……。
[ 皿の上の聖騎士 ]
2017年 3月 7日
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朝日新聞出版 ソノラマノベルス
◆ キマイラ12 曼荼羅変 /夢枕獏 -
いつの時代のヤンキー高校だよっっっ!!(笑)
いや、『キマイラ』の時代設定的に正しいのか? 高校に入学した久鬼麗一は、九十九三蔵と出会い、やがて学園を支配する「もののふかい」との対決に巻き込まれていく。と、学園にボスがいる時代、すごく昭和の匂いを感じさせる展開すぎるっ!! 1980年代に始まったシリーズで過去を振り返る内容なので、まあ、時代錯誤的な展開も正しいか。これはこれで、めちゃくちゃ面白いんだけど、いやー、今の時代にこの展開を描いてしまうのは、とにかくすげーな。
しかし、残り数冊で完結予定という状況で、またしも過去話とか、いったい……。内容的にも、『キマイラ』の名前を冠しなくても、これだけで読み切り短編として成立しそうな物語で、どうにもおかしい。えっと、どういう経緯で過去話になったんだっけか? キマイラの秘密は関係なく、ふつうに久鬼麗一と阿久津元の青春ストーリーになっているんですが。あとがきによると、次巻で現在に戻るらしいのだけど、ほんとかよ?
[ キマイラ ]
2017年 3月 12日
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集英社 ダッシュエックス文庫
◆ メロディ・リリック・アイドル・マジック /石川博品 -
石川博品はその独特すぎる筆致のために、正直、苦手意識があったのだけど、なんだ、あのパンツの詳しすぎる描写は(笑)。冗長に感じる文章も、これはこれでいいものだなぁん。
熱心なファンが多い石川博品、その石川博品のアイドルもの。高校入学に合わせて学生寮に入ったナズマ。その学生寮は、国民的アイドルグループLEDに叛旗を翻す女子高生アイドルたちの根城だった……、と。石川博品作品は、やっぱり人を選ぶと思うのだけど、耳刈ネルリシリーズと比べるとかなり読みやすくなってる印象。物語は、体質のため音楽を楽しめないナズマが、アイドルをはじめたアコとアーシャのマネージャーとして手助けしていく、というもの。文章の癖は強いものの、ストーリーは、わりと綺麗にオーソドックスな青春モノにしたててあるのんね。アイドルを目指す女子高生を軸に、親との確執や友情や恋愛も織り交ぜた、いい話だなぁ。ナズマ視点とアコ視点を切り替えながら進むのも好みなんだけど、アコに比べて、ナズマの掘り下げが弱いのが、ちとバランスが悪いか。や、ナズマは形式的には主人公なんだけど、基本的にはアコの物語なんだよなぁ。……キャラは非常に魅力的で、アコだけでなく、アーシャや なちゅり の物語も読んでみたいのだけど、これ、続きの予定あるんでしたっけ?
2017年 3月 16日
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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
◆ 天と地と姫と3 川中島 龍虎の邂逅 織田信奈の野望 全国版 /春日みかげ -
武田晴信と長尾景虎、いよいよ川中島で相見える。
なるほど、「しんけん」と「けんしん」か。互いに惹かれあい愛し合う二人の戦いっ!! わかってたけど、ベタだっ、ベタベタだっ!! ……えっと、相見えるところまで書いちゃったら、あとは書く必要ない気がするのだけど、この番外編、まだ続くの?
いや、やっぱ最近の春日みかげというか『織田信奈の野望』は、シーンの取捨選択をせず、なんでもかんでもだらだら書いてるだけなので、ちょっとクオリティが低すぎるんだよなぁ。本作なんかも、ここからガンガン削ってもっとメリハリつけるべきで、どう読んでも、まだ、商品として売るレベルになってないと思うんですよ。年表をなぞって書いただけの初稿を、そのまんま売るなという話。特に、上杉サイドはつまらなくって、ただ、なんでもいいから書けばいいというものではなく、最低限、読めるレベルの作品に仕上げてから売ってほしいところだよなー。
[ 織田信奈の野望 ]
2017年 3月 19日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 86―エイティシックス― /安里アサト -
うわぁ、ゾクゾクと引き込まれるなぁ。……もの凄く危ういバランスのピーキーな設定で、その割りに、ストーリーの構成や設定の組み立て方は雑だと思うんだけど、でも、特に、シンの“死神”の異名の理由が語られてからは圧巻される。凄かった。
第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作。有色人種だけが人権を奪われ戦場の最前線で死んでいく世界。安全な後方で部隊を指揮する白人のレーナは、いわくつきの古参兵を集めた精鋭部隊を任せられる……。と、第二次世界大戦下のナチスとユダヤを思わせるような差別と、人間を“プロセッサー”と呼び兵器のコンピュータの代わり扱うという発想の設定が凄まじい。いやぁ、『疾走れ、撃て!』のハッチフェイスを思い出させるような設定なんだけど、やっぱ、エゲツないわ。このエグい設定と、差別する側とされる側の人間ドラマが重く、面白いとかつまらないとか、出来不出来とか関係なく、胸に迫るものがある。いや、本当にすごい作品だった。
[ 86 ]
2017年 3月 29日
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SBクリエイティブ GA文庫
◆ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー /大森藤ノ -
借金の形に売られた美人というとエロエロな展開しかないと思うのだけど、なんだろう、このガッカリな展開はっ。……それにしても、こんなに謎すぎる人でしたっけ? シルさんって??
そゆわけで、『ダンまち』シリーズ番外編。『ダンまち』シリーズの外伝には、すでに 『ソード・オラトリア』があるわけだけど、『ソード・オラトリア』が実質本編と似たような内容な一方、この『クロニクル』のほうは、ふつうによくある番外編ですな。今回は、リューというか、リューの働く酒場「豊穣の女主人」の面々を描いた短編だけど、うわっ、あの酒場って、こんなに凄いキャラの集まりだったのか。とくに、シルさんがいったいどういう。怖い……。
▽ 先の連休中に、約1,200円と大幅値引きをしていた『Civilization V』(東山奈央出演のVIではなく、一世代前のバージョン)を買ったのだけど、なるほど、聞きしに勝る時間泥棒ぶりだわ。酷いことになってる。とりあえず、序盤でやめたのを除くと4回ほどプレイしていて、
- 初回: デフォルトの設定ではじめたところ難易度が低かったらしく、てきとーにやっても勝てるのはどうよ?と途中で中断
- 二回目: 2050年でいきなり終了。ターン制限があったのかー。一応、時間勝利という勝利条件は満たしてたみたいだけど、バッドエンドにしか見えん(^^;
- 三回目: 気がつけば、飢餓で赤字で不満も爆発。スコアもダダ下がりになってて断念。パラメータなんてちゃんと見てなかったので、いつの間に、なんでこんなひどい状況になってたかマジわからん……
- 四回目: またも時間勝利。外交や宗教や文化はわけわからんし、科学はぜんぜんターン制限に間に合わないし、制覇も敵が遠かったり軍事大国だったりすると難しいし、なかなかシンドイなぁ
ちなみに設定は、指導者/文明:ランダム、難易度:皇子(ノーマル)、マップ:大陸/小さい、文明:10、とかそんな感じでやってます。指導者の属性を生かせるほどのスキルはぜんぜんないのだけど、なんだたランダムで引く指導者は文明人っぽくない人ばかりな気がする……。
▽ [TVA]『けものフレンズ』#終。ラストまで期待を裏切らない、いい最終話でした。や、シリーズ通して、丁寧に計算して組み立てられたシナリオはいいねっ!! 丁寧なシナリオなので設定がないわけないと思うのだけど、散りばめた謎はそのままにしつつ、それでも不満を感じさせない作りは凄いなぁ。
2017年 3月 31日
- 04/01 [文庫]終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 /枯野瑛
- 04/01 [文庫]ラストエンブリオ4 王の帰還 /竜ノ湖太郎
- 04/14 [文庫]ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア8 /大森藤ノ
- 04/18 [文庫]月とライカと吸血姫 2 /牧野圭祐
- 04/25 [文庫]魔法使いは終わらない 傭兵団ミストルティン――七人の魔法使い /八薙玉造
- 04/28 [文庫]覇剣の皇姫アルティーナXII /むらさきゆきや
- 04/28 [文庫]トリア・ルーセントが人間になるまで /三田千恵