第14回電撃小説大賞&第9回えんため大賞、感想まとめ
2008年1-2月の新人作品、というか、第14回電撃小説大賞と第9回エンターブレインえんため大賞それぞれの受賞作に対する各地の感想を纏めてみました。電撃小説大賞は、『君のための物語』がほとんどの人が異様なくらい絶賛してるのが凄い。そして、それ以外は、わりと微妙な感じ。えんため大賞の方は、評価の高い『千の剣の舞う空に』『雅先生の地球侵略日誌』『セキララ!!』と、それこそ地雷呼ばわりされている『Chaos Kaoz Discaos』『サージャント・グリズリー』『カミマゴ』とで、くっきり二極化されているのが印象的でした。……『カミマゴ』(→感想)は、私はわりと好きだったんだけどなぁ。
電撃文庫 (第14回電撃小説大賞)
- ほうかご百物語 /峰守ひろかず (大賞) →感想リンク
- 彼らの会話を読んでいるだけでも楽しいのに、そこに妖怪蘊蓄やらハートフルなラブ要素やらを詰め込まれたらもうたまりません (上下の青い無限)
- 時折入る小ネタも面白かったし、脇役達もいい味出してるし、読んでいて楽しい作品 (いつも月夜に本と酒)
- バトルというわけでもなく、かと言ってその妖怪に人格があって人情派な解決というわけでもなく…むー、ちょっと楽しみかたがわからない (Shamrock’s Cafe)
- ひとことで言えば小さくまとまりすぎかなぁ.知らずに読んでいたらこれが大賞だとは気づかなかったと思う (十七段雑記)
- 毒にもクスリにもならない無難さを感じた作品 (Alles ist im Wandel)
- 君のための物語 /水鏡希人 (金賞) →感想リンク
- 全体的にライトノベルらしからぬ雰囲気の作品で、堅いけれども確かな筆力でじっくりとストーリーを進めていくような印象 (上下の青い無限)
- 派手な事は全く起きない・・・というか相当地味だけど、静かにゆっくり心に沁みるいい話 (いつも月夜に本と酒)
- ライトノベルとしてはかなり地味な部類になる話だとは思いますが、個人的にはこういう話は大好き (趣味の店・空想堂)
- 完成度は高いのですが、エンターティメント性から見たら地味な作品 (良作時々地雷)
- 本を閉じて、目をつぶれば、目の前に情景が浮かび上がるような、そんな素敵な雰囲気を持つ物語 (booklines.net)
- under 異界ノスタルジア /瀬那和章 (銀賞) →感想リンク
- 狂気もアングラな空気もしっかり読めるレベルで書いてくれているので、そういうのが好きな人ならまず問題なく楽しめる (上下の青い無限)
- 非日常の濃度がずっと強くて、そこが割とダークでシビアに描かれていることが特徴 (FULL MOON PRAYER)
- どこかでみたようなバックグラウンドをトンガったキャラクターで味付けしているのが特徴であり個性であり魅力 (十七段雑記)
- 少し詰め込みすぎなような気がして、どの要素も多分に中途半端な感じ (Alles ist im Wandel)
- 序盤の雰囲気は良かったんだけれど、主要な登場人物が微妙な感じ (MOMENTS)
- 藤堂家はカミガカリ /高遠豹介 (銀賞) →感想リンク
- シリアスなシーンでも平気でコメディが混ざってくるもんだから、とても読みにくかった (まあいいか。)
- バカなシーンとシリアスな場面が同じノリで書かれるため,盛り上がりも中途半端で話に乗り切れない (十七段雑記)
- 思わずニヤニヤしちゃう展開に、脱力してしまうやり取り。各国の神話を題材にした設定も好き (Alles ist im Wandel)
- 文章にリズム感があって、読み進めるのが気持ちいい作品 (まいじゃー推進委員会!)
- 独特のキャラ回しと会話のセンスだけで十分に漫才コントとして成り立っていて面白い (ラノベ365日)
ファミ通文庫 (第9回エンターブレインえんため大賞)
- 千の剣の舞う空に /岡本タクヤ (優秀賞) →感想リンク
- 何がいいかというと、やはりネットとリアルの「紙一枚」の感覚がすごくよく書けているのがポイント (少年少女科学倶楽部)
- 元々オンラインゲーム扱った作品って好きなんですが、その中でもこれは現実と虚構のバランスがよかった (みりおんぐらむ)
- 『スラムオンライン』を王道のボーイミーツガールとして解釈したような話.これはかなり良かった (十七段雑記)
- ネットゲームという今時の題材でドラマチックな展開。各キャラの心理描写も丁寧だし、何より読みやすい (いつも月夜に本と酒)
- すっきりまとまっていて読みやすい話でしたが、逆に伏線などは皆無で読み応えという点ではイマイチ (Alles ist im Wandel)
- Chaos Kaoz Discaos /小野正道 (優秀賞) →感想リンク
- シリアスでしかもダークな作品を書こうというなら、今の倍くらいの筆力が欲しいところ (上下の青い無限)
- オーソドックスではありますが、普通に面白いお話だとは思いました。でも、ぜんぜん、ノレなかった (booklines.net)
- 個人的にはイマイチな感じ。能力とか設定が、ちょっと痛々しく感じてしまいました (まあいいか。)
- 悲劇的な境遇にあるというのは説明の上では分かるのだけれど、それに説得力を持たせる描写が足りない (MOMENTS)
- 悪くはないけど良くもないかな。主人公があまり気に入らなかった (いつも感想中)
- サージャント・グリズリー /彩峰優 (特別賞) →感想リンク
- 突飛な設定とストーリーの落差が激しい。というか、ストーリーがダメすぎる (Alles ist im Wandel)
- 早くも今年最大の地雷として僕の脳内ワーストにランクインされました (上下の青い無限)
- バトルフェイズに移行したら、これがつまらん。延々とくだらない学園モノやってたら良かったのに (gobbledygook@book - bookグループ)
- 自分的には満足な1冊でした。良いねー。こう言うおバカな発想は大好き (まあいいか。)
- 独特の空気を持っている作品ではありました。一度ツボにハマったら抜けだせなくなるタイプ (FULL MOON PRAYER)
- 雅先生の地球侵略日誌 /直月秋政 (東放学園特別賞) →感想リンク
- 戦隊ヒーローモノへの愛に溢れるおもしろい作品 (Alles ist im Wandel)
- 日曜朝の特撮ヒーローモノを悪役の女性幹部の視点から書いたネタとメタとパロディの塊。ワロタ (gobbledygook@book - bookグループ)
- 総じて、メタ戦隊物のパロ・馬鹿小説。だがお話も(特に終盤)なかなか良く、予想以上に面白かった (ただ、それじゃ終われないでしょ!)
- いやあ、面白かった。雅先生のツッコミに惚れました (booklines.net)
- 勢いはあるので、読むのは速いんだけど...愚痴だけ読み続けるのは結構しんどい (まあいいか。)
- カミマゴ 羽根としっぽと世界征服 /江藤苑 (奨励賞) →感想リンク
- Y 田悠介レベルの科学考証はまあ置いとくとして,ストーリーやテキストは N 尾維新の劣化コピー (十七段雑記)
- 全体場面設定人物掛け合い――すべて"なんとなく"目指すところは見えるんだけど、全然届いていない (Alles ist im Wandel)
- わざわざ読む価値があるのかと聞かれると首を傾げざるを得ないレベル。凡作、人によっては地雷と呼ぶであろう程度の作品 (上下の青い無限)
- 良くあるライトノベル的なシチュエーションが展開されていて何が起きてるのかは一目瞭然なのに、全然面白くない (gobbledygook@book - bookグループ)
- 思い通りに進む展開は、途中に多少の波乱があるとは言え、ちょっぴり微妙な感じ (まあいいか。)
- セキララ!! /花谷敏嗣 (奨励賞) →感想リンク
- 似たような創作経験はあるので序盤の痛さが異常にきつい…… (Alles ist im Wandel)
- 主人公のイタい過去の詳細が異様にリアルで嫌な笑いが止まらない (上下の青い無限)
- ツッコミを入れながら読む感覚でなかなかおもしろかった (まいじゃー推進委員会!)
- これは面白かったです。過去を隠そうと必死になる主人公が楽し過ぎる (まあいいか。)
- すんげー面白かった.引き合いに出した「千の剣~」に比べるとストーリーの完結性では一歩落ちると思うんだけど,精神的なインパクトはこちらのほうがでかかった (十七段雑記)
[ 2008.03.23 ]