[映画]『とある飛空士への追憶』感想
千々石、キターーーーーーーーーっ!!!!
というわけで、ガガガ文庫『とある飛空士への追憶』(→感想)の映画化。『夜想曲』(→感想) を読んでいたので、千々石登場は楽しめましたが、アニメとしては、とにかく酷い出来でした。
まずは、ファナがビッチ。皇子だろうが飛空士だろうが、若い男であれば、即効で惚れる。びっくり。そして、シャルルはヘラヘラしてるだけで人間として魅力の欠片もない。こんな男になんでファナは惚れるんだ? あ、ビッチだからか。そんな二人が新型偵察機で本国目指して飛ぶのが本筋なのだけど、イベントは、途中、シャルルが怪我するぐらいで、特に、シャルルは見せ場もなく終了。シャルルって、原作では凄腕飛空士で大活躍なのに、この映画では、苛められて怪我して殴られるばかりで、マジ不憫すぎる。「単機敵中翔破、一万二千キロ」という任務の困難さは描かれず、間抜けに敵に発見されるだけで、肝心の空戦も、ろくに腕を見せる間もなくファナに助けられるだけだしな……。
まあ、キャラに魅力がないのは仕方ないとしても、映画の大半が無駄で退屈なシーンってどういうこと? 脚本とコンテの酷さが絶望的。突っ込みどころ満載のストーリー展開と、画面構成もカットの繋ぎもまったく意識してないカット割り。素人かよっ。いや、ふつー、二時間近くあったら、二人の心情を描いてみたり、迫力の空戦シーンを描いてみたり、いろいろ描くべきシーンがあるよね? それが、ピントを外した説明的シーンばかり。ストーリー上関係ないポイントばかり説明してるので、ストーリーとしては薄っぺらい上に破綻しているし、説明になってればいいや的なカットばかりなので、絵的にはつまらないシーンばかり。ホント、なぜ、あの原作で、こんなになってしまったんだ……。
[ 2011.10.16 ]