アラフィフによる『シンエヴァ』の感想
観ながらボロボロと号泣した。25年前に見たかったのは、これだったんだと思う。
25年前のTV版『新世紀エヴァンゲリオン』の放送当時、「ガイナックスにはTVシリーズを制作するだけの能力はない」というのがオタクの共通認識でした。そりゃ、『DAICON 3/4』『オネアミスの翼』『トップをねらえ!』『ふしぎの海のナディア』と観てきた自分ら世代のオタクからしたら、ガイナックスは素直に映画かOVAでアニメを作れ、2クールのTVアニメなんて絶対無理だ、と思いますよ。
なので、『エヴァ』もTV放送中ずぅっと、「どーせ作画も脚本も崩壊して島になる」と言われてました。実際、20話を超えたあたりからだんだん怪しくなり、そして、出てきたのがあの最終話でした。
まあ、謎なシーンをあれだけぶっこんでいたので、風呂敷をたたむのは無理だとは思ってたんですが、まさか、意味ありそうなだけの中身空っぽな最終話を出してきて、あからさまなごまかしに走るとは思わなかった。あれで騙されるのは子供だけだと、視聴者をバカにしすぎだと、当時はさんざん叩かれたりしたもんです。
確かに放送中は、島、島、言っていたんですが、それでも、25話までは、「ちゃんとした最終話がみれる」と心のどこかで信じていたんですよね。
で、今回の『シンエヴァ』は、映画の出来としてはかなり酷い。説明的なシーンばかりで、わかりやすさ重視の退屈な演出。テーマも旧劇の焼き直し。そして、シンジもゲンドウもキャラが崩壊しすぎだろっ。いや、このクオリティで内容を褒めるのは、さすがに無理があるほど酷いと思う。ありていに言えば、ゴミ。
でも、TV版の最終話みたいな子供だましのごまかしではなく、今回は、ちゃんと最終話をしてくれた。凄くたいくつでコントみたいな映画だったけれど、それでも、ちゃんと主要キャラのその後を描いて、物語にオチを与えてくれた。そして、巨乳眼鏡が最高でした。
[ 2021.03.14 ]