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KADOKAWA 角川スニーカー文庫
涼宮ハルヒの劇場 /谷川流 -
涼宮ハルヒシリーズ4年ぶりの新刊。その前の巻は14年前なので、今回は早いな。
で、久しぶりの『ハルヒ』だけど、収録されている短編4本のうち、2本は約20年前!?の「ザ・スニーカー」掲載分で、残り2本が書き下ろし。「ザ・スニーカー」の短編2本はファンタジー世界やSF世界を舞台にした、ほとんど公式の二次創作みたいな内容なのだけど、これを書き下ろしを追加することで、きちんと『ハルヒ』本編に組み込んでくるのは凄い。さすが上手い。
まあ、ハルヒがファンタジー世界やSF世界でいつも通り暴走してても、正直、あまり面白くなくて、それが俄然面白くなってくるのが、書き下ろしパートになって、長門と古泉が解決に向けて議論をはじめてから。ああ、こうやって量子論とかぶっ込んでくるのが『ハルヒ』だわ。すげー面白い。でも、やっぱ量子論をこう扱うとなんでもありなので夢オチなみにちょっとアレだし、結局、誰の攻撃なのか全く提示されてないので、ちょっとなぁ。これは今後に繋がるの、か?
それにしても、昔から長門が凄すぎて長門がいれば他はいらない、みたいなシリーズだったけれど、朝比奈さんの存在感の薄さが酷い。ここまで存在感なかったっけ? 完全なマスコット扱いなのでアニメでイラスト付きなら印象変わるんだろうけど、小説だとシンドイな。
[ 2024.12.16 ]