好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

アスキー・メディアワークス 電撃文庫
神と奴隷の誕生構文II /宇野朴人

武力でなく外交交渉メインだと……。いや、この作家さんって、「細かい齟齬はなんのその、強引に勢いで読ませる」タイプだと思うのだけど、細かなやり取りを積み重ねていく交渉ごとがメインというのは、正直、作風と内容があっていない予感が。実際、終盤のバトルは面白かったものの、それまでの展開は微妙……。

というわけで、異世界ファンタジーな本作。1巻は、やたら設定過多で展開の速さが特徴の作品だったけど、この2巻は一転、隣国アヌビシアの説明に大きなページを割くように、ある意味でわりと普通に。でも、鎖国をしているアヌビシアと外交努力で同盟を求めていくという展開は、やっぱり、作風にあっているとは思えなかったり。あと、ヒロインたちとのアレコレも、どうにも浮いてるようにしか見えないんだよなぁ。設定で魅せていく作品なら、萌え要素は必ずしも必要ないと思うのだけど。

まあ、この作者の作風を考えると、どうせなら、熱い格闘メインの小説にしてくれればいいのに(^^;。特にこの2巻は、最強の神殺しルダとの闘いが光ってた印象。ていうか、[漫画]『修羅の門』の龍造寺徹心すぎる(笑)。クルァシンが強敵との闘いを重ねていくことで祖武神の技を極めてく……、そんな展開を期待していますっ!!

[ 2010.11.05 ]