-
アスキー・メディアワークス 電撃文庫
官能小説を書く女の子はキライですか? (2) /辰川光彦 -
せっかくの男装&性別詐称を全く生かせてない件について。や、性別詐称に限らず、官能小説家を目指す女の子という設定すらも、エロシーンのための理由としてしか使えてなくて、単純にエロイベントを並べてるだけの物語に成り下がってるんだよなぁ。エロのバリエーションも変化が弱く、物足りないのは否めないなー。
官能小説家を目指す幼なじみのために、体験取材と称して、エッチなことを繰り広げるシリーズの第二段。この二巻では、そんな二人を後押しする妹系少女、ひみこ登場。ということで、第一巻は、出来のいいエロコメとして絶賛したのだけど、この二巻は微妙。どうにも、設定を活かしきれてるとは思えない……。基本的には、真一、月、恵の三角関係が主軸なのだけど、ええっと、月の設定は、生かせてないどころか、月vs恵の構図が描きづらくなっちゃってて、三角関係モノの魅力は半減以下。たぶん、二組のカップルを描いても、ほとんど変わらない程度の恋愛模様しか描けてない。いや、こういう関係なら、恵の好意の向かう先は、せめて、月にすべきなんじぇね? また、エロに関しても、キスすら戸惑う初心な関係なので、正直、バリエーションは似たようなものばかり。せめて、新キャラのひみこが、恋のキューピットという役回りではなく、もうちょっと、エロ方面にムチャ振りしてくれれば良かったんだけどねぇ……。
[ 2010.11.17 ]