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KADOKAWA 電撃文庫
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(2) /佐島勤

大学三年生になった達也たちを描いた『魔法科高校の劣等生』の続編シリーズ第二弾。

このシリーズは、やっぱ、メイジアンへの差別解消とその過程で生じる非合法過激派組織「FAIR」との対決が物語の主軸なのかなぁ。達也たちって、世界の大国と比べても圧倒的な戦力を保有する集団になってるんだけど、その達也たちの敵が単なる犯罪者集団。雑魚っぷりが半端ない。

「FAIR」だけでなく、一応、日本を陰で支配する偉い人も敵になりそうな雰囲気だけど、その日本を陰で支配する元老院も、そもそも設定は前から無理があると思っていて、だって、四葉や他の魔法師集団を子飼いにしているので日本を裏から支配するだけの権力を持ってるという設定なんだけど、それって、どう考えても虎の威を借る狐でしかなく、十師族より権力があるって無理無理、ふつーに考えれば十師族の代理組織だろ。実際、その一角を占める東道閣下は、達也の便利なパシリだしなぁ。

まあ、達也がチート過ぎるんだよなぁ。達也の能力があれば、世界中のどこに隠れても監視&攻撃可能というね。ここまでチートだと、達也が動いた途端にすべてが解決してしまうので、作者としても物語づくりは大変なんだろうな、とは思う。さらにそのうえで、軌道衛星「高千穂」というチート兵器まで導入しちゃって、どうするんだ? いや、「高千穂」のおかげで、光宣とか達也以外の見せ場が増えるという話はあるけど。

それにしても、達也が動かないにしても、光宣と水波のあの展開で、なぜ、光宣がそのまま「FAIR」を潰しに行かないのか、まったく納得できないんですけど!! なんだか、できるだけ物語を進めないように、無駄に引き延ばししてる感じがする。

[ 2021.04.26 ]