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SBクリエイティブ GA文庫
りゅうおうのおしごと! 11 /白鳥士郎 -
……いつからだろう、君の事を追いかける私がいた。
ネタにしても、[TVA]『化物語』のED曲「君の知らない物語」を思い出さずにはいられない。ラブラブパワー満タンすぎるっっっ!!奨励会三段リーグでの連敗で心が折れた銀子は、八一との想い出を回想する……。と、心が砕けた前巻のラストを引き継いで、これ以上ない銀子回。今巻は、徹頭徹尾、銀子と八一の物語なのだけど、ここまで銀子との深い関係を描いてしまうと、登場人物紹介にすら載らない天衣はともかく、あいの立場は!? 覚醒した銀子ちゃんにあいは勝てるの? どーすんの??
銀子の幼少期の物語は予想以上に残酷なんだけど、その八一と銀子はともかく、今回は、二人を見守る脇役の大人たちがいい味だしているよね。八一の両親といい、清滝師匠といい、名人、鏡洲さん、捌きの巨匠、明石先生。特に、銀子の主治医である明石先生が、今回の影の主役といっていい、痺れる。かつては、《捌きの巨匠》の先を行き、やがて追い抜かれた元奨励会員。大人たちが次世代の子供たちを温かく見守るというと綺麗なんだけど、それだけではなく、自分の想いを弟子に仮託させる足柄一門の妄執にもこの巻の中で触れてくる辺りが凄いよなぁ。
[ 2019.08.11 ]