2019年 8月 5日
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KADOKAWA MF文庫J
◆ エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ 10 /東龍乃助 -
感動の最終巻。もう途中から、号泣しながら読んでました。「何故、エイルンはアニメキャラだったのか?」というストーリー最大の謎にもきちんと決着をさせて、文句なしの最終巻っっっ!! ……と言いたいところなのだけど、ちょっと作者の技量不足が目立つよなorz。
『エイルン・ラストコード』のシリーズって、途中からストーリー構成がぼろぼろなんですよね。明らかに作者の書きたいことがきちんと表現できてない。この最終巻も最初から想定していた展開のはずなのに、どうにも取って付けたような安っぽさが目立つのが非常に残念。単純によくあるお約束な展開なんだけど、必要なシーンがきちんとかけてなくて、唐突感が半端ないのよ。まあ、それでも、もうボロボロ泣けるんだけどさー。だからこそ、もうちょっと腕を磨いてから書いてほしかった。おしいなぁ。
[ エイルン・ラストコード ]
2019年 8月 11日
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SBクリエイティブ GA文庫
◆ りゅうおうのおしごと! 11 /白鳥士郎 -
……いつからだろう、君の事を追いかける私がいた。
ネタにしても、[TVA]『化物語』のED曲「君の知らない物語」を思い出さずにはいられない。ラブラブパワー満タンすぎるっっっ!!奨励会三段リーグでの連敗で心が折れた銀子は、八一との想い出を回想する……。と、心が砕けた前巻のラストを引き継いで、これ以上ない銀子回。今巻は、徹頭徹尾、銀子と八一の物語なのだけど、ここまで銀子との深い関係を描いてしまうと、登場人物紹介にすら載らない天衣はともかく、あいの立場は!? 覚醒した銀子ちゃんにあいは勝てるの? どーすんの??
銀子の幼少期の物語は予想以上に残酷なんだけど、その八一と銀子はともかく、今回は、二人を見守る脇役の大人たちがいい味だしているよね。八一の両親といい、清滝師匠といい、名人、鏡洲さん、捌きの巨匠、明石先生。特に、銀子の主治医である明石先生が、今回の影の主役といっていい、痺れる。かつては、《捌きの巨匠》の先を行き、やがて追い抜かれた元奨励会員。大人たちが次世代の子供たちを温かく見守るというと綺麗なんだけど、それだけではなく、自分の想いを弟子に仮託させる足柄一門の妄執にもこの巻の中で触れてくる辺りが凄いよなぁ。
[ りゅうおうのおしごと! ]
2019年 8月 12日
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オーバーラップ オーバーラップ文庫
◆ 信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 2.災害指定の転生少女 /大崎アイル -
ラミアに転生した佐々木あやこと さーさん と合流。なのに、表紙はルーシーかいっ!! だから、前巻はルーシーを表紙にしておけばよかったものを……。と、他のクラスメイトが異世界転移なのに、さーさんだけ異世界転生なのは、ちょっと後付け感が強いんだけど、まあ、ルーシーとさーさんを加えたパーティは、ラブコメ的にもバランスが良くて好きです。ソフィア王女が再登場したり、ロリババアの大賢者が登場したり、だいたいこの二巻でメインキャラが出そろう、……いや、フリアエさんとかエイル様とか、まだまだ出てくるか(^^;。
すげー好きな作品なので、「小説家になろう」の連載 のほうで最新話まで読んでるのだけど、初期の頃のまだまだツンツンしているソフィア王女は、久々に読むと新鮮だよなぁ。桜井くんや横山さんの関係を見ても、深刻な仲違いもなく、「ざまぁ」的な展開があるわけでもなくて、あくまでクラスメイトらしいやり取りで終始してるのが、この作品の魅力的なところだよね。わりと重めの設定も散りばめてるわりに、あくまでRPG好きの主人公がゲームっぽいファンタジー世界を楽しむという、いい意味でチープで軽い雰囲気なのがGood。コミカライズも進んでるようだし、途中でエタることなくラストまで続けてほしいよなぁ。
2019年 8月 13日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ アクセル・ワールド24 ―青華の剣仙― /川原礫 -
表紙絵がエロいな、ってのはともかく、太陽神インティ戦に向けての続きなのだけど、うーん、またか、またそういう引きかっ!! 登場人物たちは、みんな露骨に「それは、あとで話すわ」みたいな感じで先延ばしするし、もうちょっとスッキリできる構成にならないものか……。
いやまあ、新キャラの瀬利や綸とのアレコレは楽しいし、太陽神インティ戦も悪くない。むしろ、巻頭のカラーイラストが全て、みたいな感じもする。綸さぁーーーーーーん(^^;。そうはいっても、ただやっぱし、先延ばし、引き延ばしといった感じが強くて……。ラストも、そこで区切るのは先延ばしすること以外の構成的な意味があるようには思えず、特に今回は、もうちょっと書いて引いても良かったんじゃないかなぁ。
[ アクセル・ワールド ]
2019年 8月 18日
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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
◆ 織田信奈の野望 全国版20 /春日みかげ -
無駄な部分に紙幅を割いてるわりに必要な説明が足りず、明らかに整理して書かれてない。富士見ファンタジア文庫移籍後は、ほんと出来が悪くてクソだ。
関ケ原合戦に勝利した織田信奈にヨーロッパ連合軍が襲い掛かるという展開なんだけど、“最大の脅威”と煽って開戦回避のために無駄なページを使いつつ、結局、正面対決してみたら何の問題もなく楽勝。むしろ、作者が手心を加えていなければ、もっと余裕の勝利さえみえる展開。そもそも、作者が手心を加えているのが丸わかりとか、どうよ(笑)。まあ、伊達、北条などに見せ場を与えたくて、外敵を出してきたってことだったんだろうけどさー。いやー、やりたいことはわかるんだけど、それが全然表現できてないんだけど、このクオリティで出版するのマジ酷くね?
しかも、こここで最終話でもいいのに、まだ続けるのかー。いや、今回のエピソードも思っていた以上にチープで無駄なエピソードだったと思うんだけど、マジ、続ける意味あんの? まあ、最終巻まで残り2巻ということなので、ラストまで読むつもりだけど、次は、相良良晴の「生涯最大の試練」ですか、ふーん。
……それにしても、戦国世界に欧州勢が参加してくると、登場人物がまんま『境界線上のホライゾン』になるな。ここまで被ってると、気になって気になって仕方ない(笑)。
[ 織田信奈の野望 ]
2019年 8月 31日
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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
◆ 織田信奈の野望 全国版21 /春日みかげ -
ゴミ。今更また、「本能寺の変」か。何回、「本能寺の変」の危機をやってんだよ……。
いや、「本能寺の変」は、明智光秀、十兵衛ちゃんとの確執を乗り越えた後では、もう、賞味期限切れてるわけよ。なのに、信奈のピンチといえば、「本能寺の変」の焼き直しばかりで、今回の黒幕は今更な奴だし、シチュエーションを組み立てつための展開は不自然だし、え~、これはないよなぁ……。
まあ、黒幕の思惑はまだ伏せられてるし、ガスパールの正体もまだ不明なので、次の最終巻次第では評価変わるかもしれないけどさー、ちょっと現段階では酷いよねー。
[ 織田信奈の野望 ]