好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2020年10月


2020 10 6

KADOKAWA 電撃文庫
ソードアート・オンライン23 ユナイタル・リングII /川原礫

ユナイタル・リング編の舞台となっている新ゲーム「ユナイタル・リング」は、バトルロイヤル、かつ、クラフト系の自由度の高いゲームで、今までの「SAO」「ALO」「GGO」と比べても、舞台として非常におもしろい。リアルの生命の危険みたいなこともなくて、今までと違って凄くゲームをプレイしてる感が強いのも、めちゃくちゃ楽しくて、や、これはいいな!!

ただ、ちょっとキリトのゲーム内での強さがどの程度なのかわかりづらいんだよなぁ。まだレベルが低くて変にモンスターに苦戦したりする一方で、やっぱり無双しないキリトもありえないわけで、作者の描き方も、場面によって都合よく調整してるのが見え見えで、すごくもやもやする。レベル1からスキルツリーで少しづつ成長するのが描きたいなら、そもそもキリトを主人公にするのは無理があると思う。

ま、それはともかく、ユナイタル・リング編の二冊目。「ALO」プレイ中に強制的に謎のゲームにコンバートされたキリトたち。一方、「GGO」をプレイしていたシノンも同様にコンバートされ、という導入から、一人離れてコンバートされたシノンがキリトたちと合流しようとするのが今回の物語。いや、シノンは銃を持たないと話にならないのはわかるんだけど、今回はほんと、ご都合主義が目立つよな。正直、もっといろいろ苦戦するものかと思ったよ。まあ、苦労する話を書いて面白いかというとそうとは限らず、さくさくと都合よく進む展開も、それはそれで面白かったけれど。

[ ソードアート・オンライン ]


2020 10 12

KADOKAWA 電撃文庫
ソードアート・オンライン24 ユナイタル・リングIII /川原礫

……なんだか、『アクセル・ワールド』でよく見る展開だなぁ。

キリトが『アクセル・ワールド』の世界で無双する展開は想像したりしてたけど、バランス調整のために弱体化させれてるせいで、期待してた展開と違くてガッカリだ。全滅エンドとかやるつもりないなら、弱体化させて微妙なキリトたちの戦闘なんてツマンネーと思うんだけど。加速研究会もどきが出てきたけれど、『アクセル・ワールド』の未熟なハルユキたちならともかく、キリトなら瞬殺しろよ、瞬殺っ!! レベル低くても、心意技でどうとでもなるだろ!!

ワザとらしい苦戦からの逆転劇とかすげーバカらしいと思うし、アンダーワールドでのキリトも頭悪すぎて、ちょっと不満だらけの内容なんだよなー。

ところで、序盤の会話は、アンダーワールドに星王と星王妃の子供がいる伏線だと思ったんだけど、もったいぶってユージオもどき出すぐらいなら、さっさとキリトとアスナの子供だせよ!! あと、「I」で出たっきり存在感の薄い、たぶん仮想研究会な神邑さんの登場はまだなのー。

[ ソードアート・オンライン ]


2020 10 20

KADOKAWA 電撃文庫
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー /佐島勤

高校卒業二年後から再スタート。……二年後なのに、あんまり物語が進んでない。二年もあれば世界征服ぐらいしててもいい気がするんだけどなぁ。

まあ、二年間何をやっていたかというと、魔法師改めメイジアンの新しい組織を立ち上げる準備をしていたらしく、その国際組織「メイジアン・ソサエティ」及び、日本国内の社団法人「メイジアン・カンパニー」を設立することからはじまるのが、この続編「メイジアン・カンパニー」ということになります。

今回は、新シリーズスタートということで、状況説明と新キャラの顔見せという感じ。本格的に物語が動き出すのは次巻からかなー。しかし、達也と光宣が組んであのシステムを使えば、秒で世界征服できると思うんだけど、この後、どうするつもりなんだろ? 一応、敵として登場してきた「FAIR」とか、あんな雑魚っぽい組織、なんで今回で壊滅させず次巻へ続けるんだ? キーとなる社団法人「メイジアン・カンパニー」も目的がすごくしょぼくて、なんか期待できる要素が見当たらない。あとがき読むと、未回収要素を回収したいってことらしいのだけど、そのためだけにダラダラ続けるって凄いな。佐島勤らしいけど。

[ メイジアン・カンパニー ]


2020 10 26

ソフトバンククリエイティブ GA文庫
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか16 /大森藤ノ

ラブコメ回。ベルとシルのデートを巡って、ヘスティアやリューやアイズ、フレイヤ・ファミリアの面々や「豊穣の女主人」の仲間たちも巻き込んでの大騒動。本編とは思えないくらいコミカルすぎるぞ(^^;。シルの恋心と秘密を軸に物語は展開するんだけど、コミカルな演出とシリアスなストーリー進行の落差が酷いな(笑)。

まあ、読んでる最中は、そんなコメディな印象が強かったのだけど、読み終わってみると、明かされたシルさんの秘密の衝撃が強くて、それしか意識が向かないケド。

いやー、今までの伏線から、そういう可能性はあるかとは思ってはいたけれど、実際、明かされると衝撃だなぁ。さらに、フレイヤの最後の一言のほうが強烈で、おいおい、フレイヤさん。性格的にそういう展開には持っていかないと思ってたよ。……次巻、どうなるんだ、これ!?

[ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ]