SH@PPLE


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(1) /竹岡葉月

何でこれが、富士ミスじゃないんじゃーーーーーーーっっっ!! いやぁ、LOVEですよ、LOVE。とにかく良質なラブコメですよっ。って、ラブは弱めで、むしろコメディ主体な気もしますが、それでも、ファンタジアではなくて、富士ミスで出すべき内容だろ。……とにかく、さくさくと軽く読めて、非常に楽しい。すげー、面白かったですっ!!

そゆわけで、弟・雪国は、姉・舞姫の代わりに、女装の上で名門お嬢様学校へ通うことに……、という男女入れ替わりなドタバタラブコメ。作者が女性のためか、この手の話ではお約束なエロ成分は弱め、萌え要素も控えめだと思うのだけど、その分、正統的なラブコメとしては、なかなかの出来です。生徒会と対立するソロリティという社交組織といい、そのリーダーである「胡蝶の宮」こと蝶間林典子といい、そして、雪国の一目惚れの相手である一駿河蜜のぶっ飛んだ性格といい、いやぁ、お約束ではあるのだけど、これらの設定が、いい感じに軽いノリのストーリー展開にマッチしていて、めちゃくちゃ面白い。ホント、コメディとしては、すげー出来がいいのですよっ!! まあ、ラストが駆け足になってしまっていたのはタマに傷だったのだけど、それ以外は、凄く面白かったです。

もう、コバルト、ファミ通文庫時代の竹岡葉月の作品と比べても、一段も二段も面白い。これなら、続きもめちゃくちゃ楽しみですっ!!

[ 2008.03.24 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(2) /竹岡葉月

だはははははっ、小説が面白いのは当然なんだけど、巻頭&巻末の漫画もまた面白いっっっ!! いやもう、蜜は楽しいなぁ~~~。

男女入れ替わりラブコメの第二段。雪国、蜜、胡蝶の宮の三人は温泉リゾートのホテル白兎苑へ。って、女の子のフリをした雪国が温泉にいったら、当然そういうイベントが起こるべきだろうに、雪国のヘタレぶりに、絶望したっ!! ……まあ、読んでてニヤニヤしてしまうのは相変わらず。胡蝶の宮も本格的にラブコメに参戦して、男女入れ替わりラブコメならではの関係の混乱ぶりは楽しいなぁん。ただちと惜しいと思うのは、やっぱり舞姫サイドが弱いんだよなぁ。

[ 2008.06.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(3) /竹岡葉月

雪国の女装がバレた!? そのため、入れ替わりをやめた雪国と舞姫。……という感じで、このシリーズも第三巻にして、方針転換かしらん? 男の子に戻った雪国と蜜との真っ当な恋愛ストーリーに軸足を移したような展開。うーん、これはこれでいいんだけど、ただ、恋愛モノとして読むには、障害やライバルの描き方がちょっと物足りないかなー。胡蝶の宮や、新キャラの古葉烏子には、もっともっと頑張って欲しいところ。

物足りないといえば、作家が女性というためか、リビドーに基づいたエロも足りんっ!!<をい いや、ラブコメとしては、わりと際どいシチュエーションも多いにもかかわらず、エッチ系に発展しそうなイベントが、ことごとくスカされてる印象が強いんだよなぁ。どうせなら、もっとエロエロにも頑張るべきだと思う。

[ 2008.09.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(4) /竹岡葉月

人力リバーフェスタ本番っ!! ソロリティvs中部連の結末は……。と、うーん、ラブコメらしくすれ違いラブ満載なわりに、描写自体はラブではなくコメディよりなので、好み的には物足りないんだよなー。いや、ドタバタメインではなく、もっと、鳥子、胡蝶の宮の心情に焦点を当てて、描いてくれればいいのに。……それにしても、ここまで多角関係に入るキャラが増えると、場面作るだけでも大変だろうに、今後どうなるんだ?

[ 2008.12.30 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(5) /竹岡葉月

双子の男女入れ替わりな本シリーズ。今回は『ドラマガ』掲載分を収録した短編集で、どの短編もコミカルで綺麗に纏まっているので、さくさく楽しめるのが Good。ただ、舞姫の裸踊りとかはドキドキなのだけど、さくさくと軽く読める分、一つ一つの短編は、ちょっと印象が弱い。……というよりも、巻頭&巻末の宇宙でおかしいウソ漫画が、やたら印象に強かったり(^^;。「女装は宇宙を救う☆」って、なんだよ(笑)。

[ 2009.03.26 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(6) /竹岡葉月

胡蝶の宮のターン。「舞姫さん。一生のお願いですわ。どうかあたくしのために、雪国さんに変装して!」って、どんだけカオスだっ!! だははははははっ!!

そゆわけで、双子の男女入れ替わりラブコメの第六弾。胡蝶の宮こと蝶間林典子に親の決めた婚約者が現れ……。という感じで、今回は、胡蝶の宮を中心に展開。男女入れ替えラブコメの設定を十二分に発揮したカオス的な展開が、とにかく、楽しい楽しい。いやもう、雪国周辺の人間関係は、ほんと、いい意味でカオスすぎて酷いなぁ(笑)。ラストの引きも抜群で、続く次巻も楽しみですっ!!

[ 2009.06.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(7) /竹岡葉月

うわあああぁぁ、良かれと思いつつも、明らかに間違った方法のため泥沼にはまっていくという、なんというお約束なラブコメ展開っ!! 少年向けライトノベルで、ここまでストレートな多角関係な恋愛模様を繰り広げるとは、マジ素晴らしいっ!!

舞姫の生徒会任期の終了を最後に、入れ替わりを止めようと決意する雪国と舞姫。一方、蜜は最近、様子がおかしく……。という感じで、気持ちはわかるものの、間違った方法に突き進む舞姫たちの行動が、あまりに酷くてやきもきしつつ、そして、行き着く先が見えるだけに、あまりにせつない。あーうー。そして、やっぱり、その上で来るラストの展開がすげぇぇーーーっ!! いやぁ、いよいよクライマックス展開だと思うんだけど、いったいぜんたい、きちんと「雨降って地固まる」となるのかコレ? いや、雪国側に比べて、舞姫側の展開が見えないのも気になるところ……。

[ 2009.11.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(8) /竹岡葉月

いよいよクライマックスっ!! ……と思いきや、ここで本編と関係ない短編集かっ!! 鳥子の少女小説は爆笑だったけれど、うーん、それ以外の短編は、正直、印象に残る話はなし。あと、カラー口絵の漫画の蜜が変で楽しいっ!!

[ 2010.03.08 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
SH@PPLE ―しゃっぷる―(9) /竹岡葉月

鳥子と付き合うようになった雪国、一方、蜜は東京行きを決め……。マジに正統派恋愛小説的なクライマックス展開が素晴らしいっ!! うわぁ、観覧車……。や、好み的には、もっとシリアス寄せでよかったような気がするのだけど、あの思い展開の中で最後までコミカルな要素を盛り込んでいったのは、むしろ、『SH@PPLE』らしいか。どちらにしろ、少年向けラノベでは珍しい良質な恋愛小説に徹した内容は、いやぁ、ホント良かった良かった。

[ 2010.05.25 ]