やましいゲームの作り方


小学館 ガガガ文庫
やましいゲームの作り方 /荒川工

素晴らしい素晴らしい。や、シナリオライターの荒川工によるエロゲ制作をネタにしたラブコメなんだけど、エロゲ好きなら、とりあえず読んどけっ!! というぐらいエロゲ好きの心を掴んで離さないネタの数々っ!! 章のタイトルからして、「School Days」とか「らくえん」とか狙いまくり。もちろん、ゲームのネタを知らなくても、普通の学園ラブコメとしてもきちんと楽しく仕立ててあって、ほんとに素晴らしいっ!!

エロゲのシナリオライターである直海龍介。事故で死んだはずなのに、気づいたら高校生の息子・忍の身体に憑依していて……。と、死んだシナリオライターが、息子の身体を使って書きかけだったシナリオを完成させる話なのだけど、荒川工らしくコミカルなハートフルな物語として秀逸な上に、いかにも荒川工自身を投影したような主人公、直海龍介のエロゲ制作風景がおもしろおかしく、もう、たまらないっ!! やっぱ、荒川工の描くキャラのテンポいいコミカルなやりとりは最高だわ。いやぁ、息子をかばって死んだ親父が主人公という、もともと、しんみりとするハートフルな設定なんだけど、そういう湿っぽさは感じさせないコミカルなやりとりと、最後にはやっぱり泣ける物語に仕立ててあるのが、やっぱ素晴らしいよね。

しかし、アラフォー主人公って、享年36歳……、アラフォーっていうには、ぜんぜん若いよっ!! 女性キャラがメインヒロイン除いて、ほとんど20代というのは、確かにラノベにしては、ちと年齢層は高めかなぁ(^^;。

[ 2013.01.04 ]


小学館 ガガガ文庫
やましいゲームの作り方2 /荒川工

中田ろみ子先生(爆笑)。それはともかく、感動的な話のはずなのに、いろいろと残念すぎる。もともと綺麗に終わってた1巻を無理やり続けた感はあるのだけど、そうは言ったって、さすがに構成が酷すぎじゃね? ここまで酷いと、編集が仕事してたか疑わざるを得ないレベル……。

いやー、元のキャラは魅力的だし、新キャラの中田さんも美味しい、キャラの掛け合いはおもしろいんだけど、あああぁ、こんなにしちゃうんだったら、なんで続けちゃったのorz。行き当たりばったりのストーリー展開で、なんでっ、そんな展開っ!! なんでっ、重要イベントを、そんな無駄に消化するっ!! ダメダメだっ!! 荒川工好きなんだけど、ええっと、小説として、ちょっと酷いなー。てか、この作品の特徴的だった部分を削って、無理やり、ごく普通のラブコメに方向転換しようとしてるように読めるのだけど、それなら、この作品の続きで、無理にやらなくてもよかったんじゃ……。

[ 2013.07.01 ]