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同人誌
AAST /須賀しのぶ -
『アンゲルゼ』の最終巻は、大人の事情によって、ラスト二巻の予定だったものを、シーンというシーンを必要最小限に削って、なんとか一冊に纏め上げられて世に出たわけですが、この同人誌は、その削られてしまったであろうエピソードを作者自ら書き下ろして補完した作品。あの日、残されることになった覚野や湊、敷島が、そして、去らざるを得なかった陽菜が、何を思い、何を決断したのか、そんな想いが綴られた短編になっています。もう、これ以上ないファンサービスっ!!
収録されてるのは、陽菜が去ったあとの島の人々を描いた「クリスマスプレゼント」と旅立った陽菜とロンを描いた「金の女王と銀の翼」の二編。いやぁ、特に、「クリスマスプレゼント」が素晴らしい。覚野、湊、敷島の想いと終章に至る決断の経緯。うわぁ、熱いなぁ。……や、あの最終巻も非常に素晴らしいと思ったのだけど、この補完短編は、最終巻を読んだのであれば、ぜひとも読むべきエピソード。これを同人誌の形といえど出版していただいたのは、とにかく感謝だよなぁん。
[ 2009.08.21 ]