好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫
陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼 /渡瀬草一郎

一冊で綺麗に纏まった良作。構成といい、描写といい、文章といい、ほんとに巧い。そして、メディアワークス文庫でも、『陰陽ノ京』らしい雰囲気を保ったままの良い作品でした。

狙われた左大臣・藤原実頼。加茂光榮は、内密のうちに事件の解決を命じられるが……。という感じで、平安時代の京を舞台とした『陰陽ノ京』シリーズ最新刊。電撃文庫からメディアワークス文庫に移籍して、主人公は慶滋保胤から賀茂光榮へ変更になったものの、内容的にはいつも通りの『陰陽ノ京』でした。

いやぁ、とにもかくにも、散りばめた伏線を回収して次に続ける綺麗な構成がお見事。ほんとに綺麗に纏まっていて、素晴らしいなぁ。内容は、いつも通りの『陰陽ノ京』で、いや、むしろ、わかりやすい性格の光榮が主人公になったことで、物語の方向性も、すっきりはっきりして、私的には、かなり Good。そして、吉平、貴年のカップルは初々しくていいよねぇ。……一応、続編含みのラストだったのだけど、このまま、光榮メインで続くのかしらん。そうだとしたら、続きも楽しみです。

[ 2009.12.27 ]