好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

主婦と生活社 PASH!ブックス
神統記(3) /谷舞司

小説家になろう」で、最も好きな作品の一つなんですが、おおぅ、書籍化で大きく変えてきたなぁ。「鼎の守護者」編は、Web連載中も途中で大きくリライトしてたのだけど、書籍化でもさらに変えてきたか。「冬至の宴」編も、大きくリライトしてこの三巻で完結まで描いてくるとは思わなかったよ。大筋は変えてないのだけど、大きくストーリーを整理していて、かなり分かりやすく修正してある。もともと「なろう」の中ではめちゃくちゃクオリティが高い作品なんだけど、そのクオリティへのこだわりが半端ないわ、この作者。

さて、この三巻の内容は、灰猿人の悪神との闘いの続きから、冬至の宴まで。ん? Web連載のストックがほとんどなくなってしまってるんですけど(^^;。……やはり、一気に世界の成り立ちにまでスケールが拡大していく「冬至の宴」編が素晴らしい。黄昏に向かう人族と、まさに滅びを迎えようとしている燐翅族。さらにそれを見守る神々の異様さ。ここからいよいよ激動の展開へ向かうことを感じさせる展開で、ここまでが序章と言わんばかりのスケールの大きさ。哀しさも感じさせるこの巻のラストも素晴らしいのだけど、ここからの展開がマジ楽しみ。

……しかし、谷を離れてばかりで、ヒロイン・エルサの存在感がさっぱりない件。いや、ヒロインは白姫様なのか?(^^;。

[ 2019.07.01 ]