東大脳の作り方


平凡社 平凡社新書
東大脳の作り方 /安川佳美

タイトルの勝利だよなぁ。中身はフツーに、19歳の東大生(しかも女の子っ!!)が、自分の人生を振り返るというモノ。桜蔭首席卒業、東大理IIIといっても、19歳相応のほほえましい人生論が役に立つわけもなく、どうせなら、もっと禁断の女子校ライフとかにページを割いても良かったんじゃないかなー。とりあえず、桜蔭の女の子にはヲタも多いらしいゾっ!!<をい

そゆわけで、「私はこうして東大に合格しました」という合格体験記。類似の体験記にないこの本の売りは、「高校の授業だけで、塾にも予備校にも行ってません」ということなのだけど、今の受験生は現役でも塾や予備校に通うことがデフォなのかー。や、共通一次世代の私の頃には、現役高校生で塾や予備校に通うのは、そう多くはなかったと記憶してるのだけど。

で、東大合格の勝利の鍵は、中高一貫校によるカリキュラムということらしい。名門私立高校ならば、カリキュラムの出来が良く、それだけで問題ない(公立だとカリキュラムの柔軟性が低くNGらしい)。で、偏差値70オーバーの名門桜蔭に入るため、小学生の頃には親に言われるままに「四谷大塚」に通って、……って、結局、どこかで塾に行かないとダメなのねん(^^;。

結局、「親の言うまま桜蔭に入り、その後は学校のカリキュラムに従ったら、努力も苦労もなしに東大に入れました」という話になっちゃってて、東大志望の受験生やその親御さんは、これを読んでもどうしようもないぞ、と思ったり。勉強時間もあまり多くなく、もともとすごく頭が良い子なのよね。や、「先生の話を聞いていれば覚えられるので、ほとんどノートはとっていなかった」という話は、いったいどこの高畑くんですか。……しかし、これだけ挫折のないエリート一直線な道を歩んで来たにもかかわらず、それでいて、“ハングリー精神”とか“雑草魂”とか言うのは、さすがにちょっと違うだろー。

[ 2007.01.18 ]