2017年 5月 3日
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KADOKAWA 角川スニーカー文庫
◆ ラストエンブリオ(4) 王の帰還 /竜ノ湖太郎 -
すげぇ。いや、ここにきて、畳みかけるように情報を開示してきたんだけど、それが凄くて圧倒される。ノーネームの名前を失った経緯の一端に触れつつ、来る人類滅亡の危機。や、第二部になって、新問題児たちが太陽主権戦争を温く戦う展開かと思っていたのだけど、もう、完全に人類滅亡をどう回避するかという話になってるし、前問題児の十六夜ががっつり絡んでいるし、ええっと、十六夜ですら苦戦しそうな展開で、ほかのキャラに活躍する余地はあるんでしょうか……。<をい
ていうか、いまだ飛鳥が出てこないんですけど、彩鳥絡みの話も序盤に出ただけであまり進まないうちに人類滅亡のような大きな話になっちゃってるし、マジ、今後、飛鳥に活躍の場は残されてるんでしょうか……。
2017年 5月 4日
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KADOKAWA ファミ通文庫
◆ 覇剣の皇姫アルティーナXII /むらさきゆきや -
後ろ1/3が外伝かっ!! や、前巻では、いよいよアルティーナが挙兵して内戦突入か!?という展開だったのだけど、それもうやむやになった感が強く、ページ数も展開自体も、どうにも物足りなさが否めない。いままでラトレイユとアルティーナの即位レースを煽っていただけに、うーん、その展開はちょっとなー。
まあ、クラリスさんとの再会はよかった。
外伝のほうはジェローム主役の話なのだけど、結局、レジス無双って話だよな。<をい
[ 覇剣の皇姫アルティーナ ]
2017年 5月 6日
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KADOKAWA MF文庫J
◆ エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ 6 /東龍乃助 -
初っ端から、紫貴の人体実験シーンで衝撃的すぎる……。主人公・エイレンの死亡、氷室義塾の崩壊で幕を閉じた第一部。そのラストで、テンナンバー・規格外十番が各国に譲渡されたような記述があったけれど、まさか、こういう扱いかよっっっ!! 氷室義塾の元生徒たちの扱いといい、ヘキサの真実といい、ジン側に感情移入せざるを得ないな。<をい
とにかく国連の糞っぷりが酷いのだけど、それはともかく、地に落ちバラバラになった仲間たちが一人づつ再び立ち上がっていく展開。熱いっ!! 泣けるっ!! や、水久那かよっ!! という部分も含め、この熱い展開が素晴らしいっっっ!!!! マジこの作品は素晴らしすぎるわ。……しかし、「星の寿命が近づいている」と時間がないようなことを言って登場してきたジンさんは、1年間あんまり仕事してないっぽいんですけど、なんでわざわざエイレン殺したんすかね?
[ エイルン・ラストコード ]
2017年 5月 21日
ライトノベルとは、10代後半~40代を主な読者とする若者向けエンターテイメント小説です。名前に“ライト”とありますが、内容の軽重や物理的な重さとは関係ありません。
ライトノベルの読者層は10代後半~40代と広いですが、レーベル毎にある程度の住み分けはあり、おおよそ、電撃文庫のような従来のライトノベルは高校生・大学生、メディアワークス文庫のようなライト文芸は20代の社会人、異世界転生で話題のなろう系レーベルは30代以上をターゲットとしています。ただし、これらは一応の目安で、電撃文庫を40代が読んだり、なろう系を高校生が読んだりすることも普通にあります。
日本における若者向けのエンターテイメント小説はアニメやゲームとともに発展してきたこと、また、若者の中で小説にお金を使う層にはオタクが多いことから、アニメ調のイラストを使っていたり、オタク好みの内容になってたりすることが特徴となっています。もちろん、オタク好みといってもレーベルによって濃淡はあり、例えば、少女小説の姫嫁系はガチガチにオタク向けと言われる一方、ライト文芸は比較的オタク的な要素を抑えています。
なぜライトノベルと呼ばれるようになったのか?
「ライトノベル」という名称は、1990年頃にニフティサーブで、スニーカー文庫やコバルト文庫などの若者向けの小説に対して名づけられたことが知られています。当時、若者向けの小説の名称としては、「ジュブナイル」や「ヤングアダルト」という呼び方がありましたが、「ジュブナイルは児童書を含み、ヤングアダルトは若者向けのアダルト小説と思われたくなかった」ということで、わざわざ新語を作ったとのこと。当初は、あくまでニフティローカルな呼び方でした。
この「ライトノベル」というニフティローカルな呼び方が一般に用いられるようになったのは、2000年代はじめのことです。当時の出版物を確認すると、2001年ぐらいまでは「ヤングアダルト」もしくは「ティーンズノベル」という呼び方が主流だったようですが、2002年~2003年にかけて、一気に「ライトノベル」に変わっていっています。では、「ライトノベル」と呼ばれるようになる少し前、2000年ぐらいの状況はというと、
- 読者層が小学生以上→高校生以上に上昇(1990年代前半の富士見ファンタジア文庫やティーンズハートは小学生高学年以上の10代がターゲットでしたが、1990年代後半に台頭した電撃文庫やホワイトハートは高校生~20代)
- 上遠野浩平『ブギーポップ』をはじめ、雑誌等で特集される作品も増えていた
- 「ジュブナイル」「ヤングアダルト」「ティーンズノベル」「ジュニア小説」等々、さまざまな呼ばれ方をされていて、たびたび呼び方について議論になっていた
- また、これらの名称は10代向け、子供向けという印象が強く、作家や読者などからも子供向けと呼ばれることに違和感を訴える声が増えていた
- 大塚英志『キャラクター小説の作り方』や東浩紀『物語化するポストモダン』など評論等でも、新しいタイプの小説として語られるようになってきていた
つまり、読者層の上昇によって雑誌やネットで紹介されることが多くなったにもかかわらず、「ジュブナイル」「ヤングアダルト」「ティーンズノベル」「ジュニア小説」と呼び方も定まってない上にそれらの呼び方には違和感があり、どうせなら新しい名前で呼びたいいう機運が高まってたんですよね。そこで、10代向けを連想しない「ライトノベル」という名称が注目され、いっきに一般にも広まっていきました。
ライトノベルのあいまいさ
「ライトノベル」という呼び方が一般に広がると、今度は、「ライトノベルの定義がわからない」と言われるようになります。そりゃ、10代向けを連想しないから「ライトノベル」と呼ばれるようになったわけですから。
また、ライトノベルを「若者向け」と言いながら、すでに30代40代まで読者層が拡大していることも問題です。2000年代までは、「30代以上の読者はいても、出版社はあくまで高校生&大学生向けに作っている」と言われてたんですが、2010年代に入ると30代以上をターゲットにしたライトノベルレーベルも登場してきました。30代以上の読者で人数が多いのは団塊ジュニア世代、1971~74年生まれの世代なのですが、この世代は、あと数年で50代に突入していきます。そうなると、さすがに若者向けとは言えないですよね。
加えて、同じ作品でも、若者向けとするか一般向けとするかは、出版社の販売戦略によって変わることが、さらにライトノベルをあいまいにしています。同じ作家の似たような小説でも、若者向けと販売されたり一般向けとして発売されたりしますし、それどころか、同じ作品でも、若者向けと一般向けの両方で発売されることもあります。よく挙げられる例が、米澤穂信の『氷菓(古典部シリーズ)』や桜庭一樹の『GOSICK』で、どちらも若者向けのライトノベルレーベルから出版されたのちに、一般向けのレーベルで改めて出版されています。『氷菓』『GOSICK』はアニメ化もされていて、オタク向けの特徴も備えてるといっていいと思うのですが、これでは、なにを持ってライトノベルと呼べばいいのかわからなくなります。
そのため、最近では、ライトノベルを「若者向け」ではなく「オタク向けの小説」、さらに、「若者・オタク向けのレーベル(=ライトノベルレーベル)から出版された小説」と再定義する人も多くいます。
ライトノベルの「軽さ」への誤解
ライト=軽いとの連想から、ライトノベルを「漫画のように気軽に読める小説」というように考える人もいますが、それは誤解です。もともと若者は、とかく背伸びした読書をすること知られて、むしろ難しい内容の小説を好む傾向があります。古参のライトノベル読みの中にも、高校生の頃に純文学に手を出したり、海外小説を原著で読んだりした人もしくなくないのではないでしょうか? 純文学ほどいかなくても、特に高校生や大学生向けのライトノベルの中には、比較的難しいものがあります。例えば、SFは一般的には難しいものを捉えられていて、ライトノベルとSF専門のレーベルを除くと、一般的な大衆小説では、ほぼ扱われないテーマなんですよね。ライトノベルに比べると、一般的な大衆小説のほうが老いも若きも楽しめるように書かれているわけで、とうぜん読みやすいわけです。
ただ、あかほりさとる や 花井愛子が活躍した1990年前後には、小学生高学年~中学生に向けた軽いライトノベルが流行った時期もありました。でも、1990年代後半には、ビジネスとして立ちいかなくなり、ライトノベルとしては撤退しています。いや、「小学生高学年~中学生に向けた軽い小説」って、要は、大人が子供に向けて書く児童文学とスタンスが同じなんですよね。しかも、あかほりさとるが描くような小説って、保護者受けが良くなく、それでは、持続的に売れるわけない。今、そのターゲット層には、角川つばさ文庫のように、ライトノベルをきちんと子供向けにリライトすることでビジネスにしています。
最近のライトノベルの変化
若者向けの小説、ライトノベルも、時代によって多少の変化があります。最後に、ここ10年ぐらいの変化についてまとめておきます。ざっくりいうと、男性向けでは、高校生・大学生をメインターゲットとした主要レーベルは大きく変わっていませんが、それとは別に、30代40代向けのレーベルが次々と出版されています。女性向けでは、従来のレーベルも含め、読者層全体が高年齢化しているといわれています。
電撃文庫のような従来からある男性向けのレーベルについては、あまり大きな変化はありません。メインの対象年齢は、当時も今も高校生~大学生で変化はなく、極端に異世界転生モノが増えたとか、そういうこともありません。もちろん、多少の流行り廃りはありますが、もし、「昔の電撃文庫のほうがおもしろかった」と思う方がいたら、むしろ自身の変化を疑うべきです。
男性向けで大きく変わったのは、30代40代向けのレーベルが凄くたくさん創刊されたことです。異世界転生ばかりといわれるのも、これら新創刊されたレーベルたちのせいです。1990年代に『スレイヤーズ』や『オーフェン』などの異世界ファンタジーを読んでいた世代が、Web小説の台頭を受けて、再びライトノベルに戻ってきていると言われています。まあ、異世界はともかく転生はどこから来たんだというと、……今の30代40代の状況を察していただきたいです。
女性向けのライトノベルはかなり大きく変わったといわれています。コバルト文庫などの従来のレーベルは、読者の固定化によって高年齢化しており、それに伴い内容も固定読者が好むようにオタク化が激しいようです。一方、メディアワークス文庫やオレンジ文庫などライト文芸と呼ばれるレーベルが、20代の比較的若いライトオタクの受け皿になっているとも言われています。
[ ライトノベルとは ]
2017年 5月 24日
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小学館 ガガガ文庫
◆ 月とライカと吸血姫2 /牧野圭祐 -
正直、2巻は蛇足にしかならないと思っていたのだけど、予想に反して、これは素晴らしいわぁぁぁぁっ!!
ソ連の初の有人宇宙飛行を下敷きにしたシリーズの第二弾。いやー、この『月とライカと吸血姫』って、1巻で綺麗に纏まっている上に、当時のソ連の状況を考えると、たとえ続きを書いても、あまり幸せな未来が待ってるようには見えなかったんですよね。ソ連の宇宙開発史って、ガガーリンの有人宇宙飛行辺りが絶頂期で、その後、チーフは死にガガーリンも死に、わりと酷いことになってるんですよね。そもそも、あの共産主義の中、個人の力で問題を解決するような物語を想像できなくってさー。まあ、2巻が出ても、強引な展開のいまいちな物語にしかならないと思ってたわけです。
ところがっ、いざこの2巻を読み終えてみると、ああぁ、1巻で終えるとかありえないわ。いや、きちんと納得できるハッピーエンドで、これは素晴らしい。レフとイリナの絡みもあまり多くないのだけど、共産主義下の国家権力によって離れ離れになる展開は、他のファンタジーと比べても緊張感がハンパなくて、これぞ、ソ連をベースにした効果だよなぁ。まあ、ラストに繋がる展開は、強引といえば強引なんだけど、思ったよりも違和感は感じなかった。素直にレフとイリナの幸せな未来が感じられるラストで、確かに、これがなければいけない。第二部も、いや、核戦争の危機とかはいらない気はするのだけど、やはり幸せな未来を感じさせるラストで、……って、もしかして、第二部、マジあるの???
[ 月とライカと吸血姫 ]
2017年 5月 29日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 新約 とある魔術の禁書目録(18) /鎌池和馬 -
食蜂操祈、圧倒的ヒロイぃぃぃぃぃんっっっっ!!
「たとえ記憶には残らなくても、上条当麻のために戦う」という食蜂操祈の設定は、ヒロインとしてはこれ以上なく最強だと思うのだけど、その上今回は、美琴との掛け合いも楽しく、いや、いつもこの二人の掛け合いは楽しいのだけど、とにかく、食蜂操祈の登場するシーンが多く、なかなか愉快な一冊でした。
あ、ヒロインということで言えば、あと、最近のオティヌスの立ち位置はかなり好きです。
って、本筋は、操祈&美琴ではなく、いよいよ学園都市統括理事長アレイスターとの対決だったのだけど、いままでラスボス的な扱いで期待させてたわりにはいまひとつだと思ったら、ですよねー。結局、今回は新展開に向けてのプロローグといった感じだったのかしらん。次巻から、また、科学サイドと魔術サイドの両方を巻き込んだ大きな話になっていきそうだけど、操祈と美琴も、きちんとフル参戦してほしいところだなー。
[ とある魔術の禁書目録 ]
2017年 5月 30日
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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
◆ 織田信奈の野望 全国版18 /春日みかげ -
……関ケ原の合戦、決着。1巻の頃はおもしろかったのに、ゴミだな。
結局、春日みかげの悪い癖が治らないまま終わってしまった。いや、富士見ファンタジア文庫に移籍してからは、とにかく酷くて酷くて何度も書いてるけどさー、エピソードの取捨選択をせず、淡々とシーンに強弱を付けずに書くだけって、小説家としては、素人以下、最悪ですよ。本来なら、どうでもいいキャラのシーンは削って、主役級のキャラに紙幅を使うべきだと思うのだけど、細かなキャラまでどんどん登場させてくるわりに、肝心の織田信奈、武田信玄周りの展開が雑すぎる。いよいよ全国制覇というところで織田信奈が空気になってしまってるのは、一歩譲って仕方ないとしても、せめて、恋と天下の間で揺れる小早川隆景か、史実を知ってしまった徳川家康か、武田信玄を思って戦場に駆け付けた上杉謙信か、三人の誰かを軸にしてストーリーを進めろよ。どれも中途半端な上に、どれも展開が雑でダメダメだ。
うまく描けば、主要キャラ全員に見せ場を作りながら二転三転する手に汗握る展開みたいになりそうなのに、作者がゴミのためにすべてがゴミだ。もったいない。GA文庫の頃はまともだったと思うのだけど、富士見ファンタジア文庫の編集部は何をやってるんだ?
[ 織田信奈の野望 ]
2017年 5月 31日
- 06/09 [文庫] 魔法科高校の劣等生(22) 動乱の序章編<下> /佐島勤
- 06/14 [文庫] ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(9) /大森藤ノ
- 06/20 [文庫] 天と地と姫と(4) 龍の上洛 信奈の上洛 織田信奈の野望 全国版 /春日みかげ